2022年11月05日
プロジェクト管理と日常生活 No.770 『AI搭載の防犯カメラで不審な行動をチェック』
防犯カメラの活用については、これまでプロジェクト管理と日常生活 No.764 『防犯カメラで水害を予測!』などでお伝えしてきました。
そうした中、6月2日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAI搭載の防犯カメラによる不審な行動のチェックについて取り上げていたのでご紹介します。 

AI搭載の防犯カメラを開発した株式会社VAAK(バーク)の田中遼社長は次のようにおっしゃっています。
「AIが不審な行動をあらかじめ察知してお知らせてくれるんです。」
「(万引きをあらかじめ予測出来るというこのシステム、怪しい人物がやってくると、)AIがカメラの映像から年齢・性別・持ち物、そしてどういう行動をしているか、不審度を表す数字も出ておりまして、いろいろな行動をするとこの不信度が変わるというかたちになっております。」

人の動きをAIが100ヵ所以上チェックします。
そのうち万引きする人の特徴にいくつ該当するか瞬時に判別して数値で表示します。
例えば、しゃがんでいると不信度がアップ、更に周りをキョロキョロしますと不審度はどんどん上昇していきます。
そして万引きをすると即座に店舗の画面に通知され、犯行時の映像が送られます。

万引きをする人の兆候について、田中社長は次のようにおっしゃっています。
「例えば、歩幅が短くなって、歩く速度が変わったり、周りをキョロキョロして確認してしまったり、入店する際に店員さんがどこにいるんだろうとか探しちゃったりするんですね。」
「将来的にはお店に入った瞬間に、その人が犯罪行為してしまうか、してしまわないか瞬時に分かるようなものにしていきたいです。」

なお、この防犯カメラシステム「VAAKEYE」の料金ですが、 カメラ1台あたり月額5000円)といいます。

この防犯カメラシステムを導入した店舗は実際に万引きが80%ほど減少したといいます。
お店のカメラは何台もありますが、万引きされるエリアやモノはかなり限定されるといい、お店のカメラ全部をこの防犯カメラシステムに変える必要はなく、ピンポイントで変えるだけでも十分効果があるということです。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、万引きの年間被害額は約4615億円と言われています。(こちらを参照)
ですから、1日当たりの被害額は12.6億円ということになります。
こうした万引きの被害額をみると、やはり万引きによる被害は小売店舗にとって無視出来ません。
一方、一般的に特に深夜時間帯など一人の店員で切り盛りしている店舗では万引きを防ぐことは容易ではありません。
そうした中、AI搭載のこの防犯カメラシステムは防犯に向けた店員の労力を軽減するだけでなく、店舗の入り口に「AI搭載の防犯カメラシステム設置済」というような内容を表示しておくことにより、かなり万引きのリスクを軽減出来ると期待出来ます。
実際にこの防犯カメラシステムを導入した店舗は万引きが80%ほど減少したというのです。
ですから、月に5000円程度以上の万引きが常態化しているような店舗では「VAAKEYE」の導入を検討されてもいいのではないでしょうか。

なお、「VAAKEYE」は小売店舗以外にも公共エリアや工場・プラント用にも特化した防犯カメラシステム、あるいは生産性向上に寄与するデータの提供サービスの展開をしているようです。

ということで、今や防犯カメラはセンサー技術の進歩と相まって防犯ツールとしてだけではなく、他の様々な用途に即した機能を持たせることでどんどん用途を拡大しているのです。
ちなみに、自動運転車もこうした機能があってこそ実用化の道が開けたのです。
ですからこうしたカメラの陰の功労者はAI、およびセンサーの技術の進歩と言えます。
このように関連技術の進歩の組み合わせにより新たな商品、あるいはサービスの展開が可能になるのです。
そういう意味で、リスク管理の観点から、「どのような技術が実用化出来れば、どのようなリスク管理や問題管理、あるいは生産性の向上などが可能になるか」という視点で技術の進歩に常に目を向けておくことは企業にとってとても重要だと思うのです。

 
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