2022年07月26日
アイデアよもやま話 No.5330 ロシアをめぐる国連総会の非難決議!
4月8日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でロシアをめぐる国連総会の非難決議について取り上げていたのでご紹介します。 

ロシアが国連人権理事会から外されました。
こちらをご覧いただきたいんですけども、これまでに国連決議は3回目ということで、投票行動を見てみると、これまでとの違いが見えてきます。
賛成した国が減りました。
反対した国は5ヵ国から24ヵ国に増えています。
棄権した国も増えています。
こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「具体例をご紹介したいんですけど、反対に転じた主な国は中国とベトナム、賛成から棄権に転じた主な国はASEAN各国ではシンガポール、タイなど、中東の産油国ではUAE,サウジアラビアなどがあるわけですけど。」
「(なぜ「国連人権理事会からのロシアの資格停止」決議で反対や棄権が増えたのかについて、)今回はロシアを人権理事会から追い出す決議なんですよね。」
「それに対して中国は新疆ウイグルの人権問題を抱えていた。」
「そこを各国から干渉されたくないから、そのメッセージを強く出すために反対に回ったということですね。」
「更にいうと、ASEAN諸国も西欧から人権問題で介入をあまりされたくないということがあった、その影響があると思うんですよね。」
「更にロシアが非常に強く反対、あるいは棄権を働きかけたということですね。」
「(欧米としてはこの国際社会が一致団結してロシアに対して、そうはいかなかったということなのかという問いに対して、)そうです。」
「ただ、国連の組織で、常任理事国がその資格を失うというのは初めてのことですから、歴史に一つロシアの汚点が刻まれたということは間違いないですね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、あらためて以下のことが浮き彫りになります。
国連安全保障理事会(安保理)の常任理事国の5ヵ国、アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアのうち、中国、ロシアは以下のように常任理事国としてあるまじき行動をとっているのに常任理事国として居座り続けている

(中国)
南シナ海における一方的な人工島建設
新疆ウイグル自治区での人権無視
台湾の武力統一の表明

(ロシア)
ウクライナへの侵攻

・途上国を中心に、自由や人権が尊重されない独裁政権国家が多い
・少なくともコロナ禍以前まで独裁政権国家、中国は急速な経済成長を遂げてきたことから、途上国の中には中国を模した政権運営を目指そうとして国が多い
・こうした状況が自由や人権に係わる国連決議に反映されている
・しかし、その中国は途上国支援において“債務の罠”と言われるように“高利貸し”的な様相を呈しており、長期的にみて途上国を中国の属国化につなげることが明らかになりつつある

ということで、自由や人権を尊重する民主主義陣営の国々は、常任理事国の役割に照らして強力に中国やロシアに改善を求めると同時に、一方で常任理事国の再構築を図ることが求められるのです。
また、中国の覇権主義を凌駕する経済安全保障、および国家安全保障を目指した国際戦略の練り直しが急務なのです。
今現在、民主主義はかつてないほど危機にさらされていることを民主主義陣営の国々は自覚し、この危機を突破すべきなのです。
そうしなければ、いずれ国際社会は“まず中国共産党ありき”の習近平国家主席率いる中国により再構築された国際社会の枠組みの中で自由も人権も軽視された暮らしを余儀なくされるようになるのです。

 
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