2022年07月24日
No.5328 ちょっと一休み その834 『中露の弱点は「無謬性」へのこだわり』
中国では、新型コロナウイルス対策として“ゼロコロナ”政策を打ち出し、ロックダウン(都市封鎖)を繰り返し、中国国内のみならず世界経済への影響が広がっています。
そうした中、4月5日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で中露の弱点、「無謬性(むびゅうせい)」へのこだわりについて取り上げていたのでご紹介します。 

解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「(中国のゼロコロナ政策はもう続けるのは難しいように見えるが、)それでも中々軌道修正が難しいと思うんですよね。」
「一つは中国製のワクチンの有効性の低さが指摘されていることですよね。」
「もう一つはゼロコロナ政策をずっと続けているんだということで、高齢者への追加ワクチン接種が非常に遅れてしまっているということもあると思うんですよね。」
「要するに政策、そして政権の「無謬性」ですね。」
「絶対間違えないということで、こだわりがちょっと強過ぎる矛盾が出ていると思いますね。」
「(ロシアのプーチン大統領も「無謬性」にこだわっていることについて、)ウクライナへの侵攻がにっちもさっちも行かなくなっているんですけども、軌道修正出来てないわけですよね。」
「やっぱり中国とロシアに共通するのは一種の権威主義、政権は間違えないんだという矛盾、そこが今、両国を非常に苦しめているんじゃないかという気がします。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

以前、プロジェクト管理と日常生活 No.690 『中国式“法治”の脅威!』でもお伝えしたように、中国においては、“まず中国共産党ありき”で、憲法も法律も全て中国共産党が存続していくための手段に過ぎないのです。
そして中国共産党の権威を維持するために自らの政策には誤りがない、すなわち「無謬性」へのこだわりがあるのです。
そして、この「無謬性」へのこだわりがゼロコロナ政策の軌道修正を難しくしているのです。
同様にロシアでも、ウクライナへの侵攻を数日で終結させるはずの当初の目論見が外れてもプーチン大統領は「無謬性」へのこだわりから未だに泥沼状態が続いているのです。

ということで、中国やロシアに限らず、独裁国家の政権は自らの権威を維持するために一度決めた政策を修正することがとても難しいのです。

一方、民主主義国家においては、主権在民ですから政権の政策に対して国民の不満が高まれば選挙により政権交代が可能なのです。
ですから、その時々の政権が「無謬性」へのこだわりを持ち続けることは出来ず、従って軌道修正をし易いのです。

ということで長い目で見れば、民主主義国家の方が独裁国家に比べて国家として望ましいと言えるのです。

 
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