2022年07月04日
アイデアよもやま話 No.5311 画期的な撮影技術”バーチャルプロダクション”!
これまでNo.4224 ちょっと一休み その681 『仮想技術が新たな産業革命をもたらす!?』などで仮想技術についてお伝えしてきました。
こうした中、3月28日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で画期的な撮影技術”バーチャルプロダクション”について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

ソニーは3月28日、”バーチャルプロダクション”という新しい撮影技術を利用出来る常設スタジオを公開しました。
この”バーチャルプロダクション”は近い将来、映画の制作スタイルを一変させるかもしれません。

自然の中を走行しているように見えますが、実はこのクルマ、全く動いていません。
巨大なLEDディスプレーにCGでつくった仮想の背景を映し出し、実物の被写体と合成させる撮影技術、”バーチャルプロダクション”を使うと、まるでクルマが仮想の世界で実際に走っているかのような映像を作り出せます。
更に”バーチャルプロダクション”の技術を使えば、まるで宇宙空間で踊っているような映像に、背景を変えるだけで様々なシチュエーションをつくることが出来るため、映画1本丸々撮影することも可能だといいます。
映像の臨場感を出す大きなポイントは、カメラの動きに合わせて背景も動くという技術です。
カメラに取り付けられた位置を把握する装置がスタジオの天井の丸いマーカーとの距離や角度をリアルタイムで読み取って映像に反映させているのです。
天井のマーカーを座標軸にしてカメラの位置を特定、それに合うように背景が動くようになっているのです。

国内初という常設の”バーチャルプロダクション”スタジオ、設置の狙いついて、ソニーPCL クリエイティブ部門の小林大輔統括部長は次のようにおっしゃっています。
「実際にロケに行きづらくなっている、コロナ禍で関してもそうですし、人の動きが非常に難しくなっている状況で、映像を作るニーズはありますので、そこはどうやって解決していくかといううち(ソニー)の一つの選択肢になったのかな。」

「ソニーは大型LEDやカメラも開発しています。」
「それを組み合わせて使っていただくことで常設スタジオがある方がサービスが安定しますし、クオリティも上がっていき易い。」

室内での撮影のため天候に左右されず、スケジュール管理がし易い点やロケ地の撮影許可の手間が省ける点も”バーチャルプロダクション”の利点です。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通してソニーが開発した”バーチャルプロダクション”という新しい撮影技術について以下にまとめてみました。
・巨大なLEDディスプレーにCGでつくった仮想の背景を映し出し、実物の被写体と合成させることにより、まるでクルマが仮想の世界で実際に走っているかのような映像を作り出すことが出来る
・更に背景を変えるだけで様々なシチュエーションをつくることが出来るので映画1本丸々撮影することも出来る
・映像の臨場感を出す大きなポイントは、カメラの動きに合わせて背景も動くという技術である
・こうした常設の”バーチャルプロダクション”スタジオを設置することによって、実際にロケに行きづらくなっているコロナ禍においても映画などの撮影が出来る
・更に室内での撮影のため天候に左右されず、スケジュール管理がし易く、ロケ地の撮影許可の手間が省けるので大幅に映画やドラマなどの製作費を大幅に削減出来る

ということで、”バーチャルプロダクション”スタジオでの撮影が近い将来、映画やドラマなどの制作の主流になるかもしれません。
そして、これまで困難だったと思われる監督のイメージ通りの映画をも製作出来るようになるのです。
しかも短期間、低コストでです。

 
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