2022年06月19日
No.5298 ちょっと一休み その830 『ロシアで強まる報道統制』

アイデアよもやま話 No.5237 やはりロシアでも中国と同様の報道規制が起きている!でロシアによる報道統制についてお伝えしました。
今回も3
月13日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)でロシアで強まる報道統制について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

ロシアによるウクライナ侵攻の中、ロシア当局は報道統制を強めています。
まず、報道する場合にはロシア政府の公式発表のみ引用が許されている他、ウクライナに関するニュースについて、ロシアによる「攻撃」や「侵攻」などということは規制されており、「特別軍事作戦」と表現しなければなりません。
また外国メディアに対しても軍に関する“虚偽報道”を報じた場合には最大15年の懲役刑に課せられることになりました。
これらの締め付け強化を受けて、アメリカのCNN、ニューヨークタイムズといった報道機関が相次いでロシア国内での報道活動を一時停止する事態になっています。
また反体制派と言われてきた独立系テレビ局「ドシチ」は放送中止に、また民間ラジオ「モスクワのこだま」は解散に追い込まれています。
当局による規制はインターネットにも及んでいて「Facebook」や「Twitter」などのSNSの接続も制限されました。
一方で比較的秘匿性の高いSNS「テレグラム」(こちらを参照)は現在もロシア国内の若者の間で情報を得る手段として活用されていますが、警察官が通行人のスマホの中身をチェックするような場面が見られるなど、情報統制が非常に厳しくなっています。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組を通して、ロシア当局による報道統制について以下にまとめてみました。
(報道規制の内容)
・報道する場合にはロシア政府の公式発表のみ引用が許されている
・ウクライナに関するニュースについて、ロシアによる「攻撃」や「侵攻」などは規制され、「特別軍事作戦」と表現する
・外国メディアに対しても軍に関する“虚偽報道”を報じた場合には最大15年の懲役刑に課せられる

(報道統制による影響)
・アメリカのCNN、ニューヨークタイムズといった報道機関が相次いでロシア国内での報道活動を一時停止する事態になっている
・反体制派と言われてきた独立系テレビ局「ドシチ」は放送中止に、また民間ラジオ「モスクワのこだま」は解散に追い込まれている
・「Facebook」や「Twitter」などのSNSの接続も制限されている
・比較的秘匿性の高いSNS「テレグラム」は現在もロシア国内の若者の間で情報を得る手段として活用されているが、警察官が通行人のスマホの中身をチェックするなど、情報統制が非常に厳しくなっている

一方、3月7日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で中国で人気のロシア製品について取り上げていたのでご紹介します。 

国際社会から経済制裁が課されているロシアですが、中国ではウォッカやチョコレートなどのロシア製品が並ぶ店が賑わいを見せていました。
なぜ中国ではロシア製品が人気なのでしょうか。

中国・北京の週末、大勢のお客が出入りするお店があります。
ロシアの食品を販売するスーパーでは最近中国人のお客が増えているといいます。
レジを待つ行列が出来ています。
来店客からは次のような声が上がっています。
「ロシアに寄付先がないから、ロシア産の商品を買うことにしました。」

「ロシアがウクライナを攻撃した原因はロシアの安全が脅かされているからだ。」

3月7日発表の中国の貿易統計によると、1―2月のロシアとの貿易は対前年比で輸出が41.5%増、輸入が35.8%増といずれも1年前を上回っています。
中国はロシアにとって最大の貿易相手国、輸出入の拡大でロシアを支援するのか、緊密な関係を背景に国際社会との融和を取り持つのか、習近平政権の姿勢を世界が注視しています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

中国もロシア同様に独裁政権国家で厳しい報道規制がなされています。
ですから、中国の一般国民もロシア同様に国内外を問わず、あらゆる情報において政府に都合の悪い情報は規制がかかったり、あるいは政府にとって都合のいいフェイクニュースとして垂れ流されます。
ですから、上記のように真実を知らない国民はロシアによるウクライナ侵攻下においても率先してロシア製品を購入するような状況が続いているわけです。

なお、こうしたロシアや中国の状況において、特に気になるのは政府による“虚偽報道”についてです。
ここで言うところの“虚偽報道”とは飽くまでも政府の公式発表が真実で、これに反する情報は全て“虚偽報道”になり、違反者は懲役刑に課せられるということです。
その最たる例は、ウクライナ侵攻を「特別軍事作戦」と表現するロシア政府の公式報道です。
プーチン大統領をはじめとするロシア政府の発言は飽くまでもロシアのあらゆる行為は“善”であり、ロシアにとって都合の悪い他国の行為は全て“悪”なのです。

要するにロシアや中国に限らず、覇権主義国家においては、“まず政府ありき”で政府が絶対的な存在であり、政府により本来の“虚偽報道”が真実として垂れ流され、一方で報道機関が真実の報道をしようとしても“虚偽報道”として見なされて規制がかかるので国民は真実を把握する手段を奪われているのです。
同時に国民は自由に発言する機会も奪われているのです。

こうした視点に立つと、やはりどの国の国民であっても、一人の人間としてどのような環境で暮らすべきなのかという命題が気になります。
そこで、私は以下のように考えます。

いずれの国においても原則として情報の“見える化”が行われており、自由に発言したり、行動したりすることが出来、一方で他人の人権を尊重することが求められる、こうした環境のもとで世界中の人々は暮らせるべきである。

そして、誰もが自由で、同時に他人の権利を尊重するような環境の下で育てば、自ずと平等、あるいは平和の大切さも尊重される“本来あるべき国際社会”に近づくと思うのです。

このように考えると、ロシア対NATO、あるいは中国対日米韓といったような構図ではなく、本来の国のあり方、すなわち上記の命題に応えている国連憲章(参照:No.4956 ちょっと一休み その774 『中国による“内政干渉”の一言で物事が進んでいいのか?』)など国際的な取り決めに照らして国の大小に係わらず全ての国連加盟国の一連の行為は判断が下されるべきなのです。

ところが現実の国際関係はどうも軍事的、あるいは経済的な依存関係から小国による大国への忖度、あるいは一部の国々の同盟関係から国連憲章を無視した判断がなされているように見えます。
更に、国連安全保障理事国の常任理事国である中国やロシアは国連憲章を全く無視した行為を続けており、従って現在の国連安全保障理事国は機能不全に陥っています。
そもそも国連憲章を無視し続けている中国やロシアが常任理事国であること自体が本来あり得ないのです。
これは子どもでも理解出来る理屈なで、今のこうした国連の姿は“裸の王様”状態と言えます。
ですから、国連そのものが本来の機能を持つように建て直すことが求められているのです。
そうしなければ、独裁政権国家による報道規制が無くなることはありません。
更に中国やロシアの国連憲章に対する違法行為は無くならず、独裁政権国家は無くならず、国際社会は増々混とんとした状態に陥ってしまいかねないのです。

 
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