2022年06月12日
No.5292 ちょっと一休み その829 『井上尚弥選手の試合前後のインタビューに見る並外れたプロ意識』
ご存じのようにプロボクシングの世界バンタム級3団体王座統一戦が6月7日、さいたまスーパーアリーナであり、世界ボクシング協会(WBA)、国際ボクシング連盟(IBF)統一王者の井上尚弥(29)=大橋=が世界ボクシング評議会(WBC)王者のノニト・ドネア(39)=フィリピン=に2回TKO勝ちし、日本選手初の3団体統一王者になりました。
私もアマゾンプライムでライブ中継を観ていましたが、井上選手の圧倒的な強さに感動しました。
そして井上選手の試合後のインタビュー(こちらを参照)での次の言葉がとても印象的でした。 
「自分は(この試合を)やる前から「ドラマにするつもりはないと、一方的に圧倒的に勝つんだ」という想いで自分にプレッシャーをかけてこの試合に挑みました。」

なお、この試合前のインタビュー(こちらを参照)では次のようにおっしゃっています。
「1戦目(2019年11月7日のドネア選手との試合)がそのつもり(圧倒的に勝つつもり)でしたから、それが2ラウンド目に深いダメージを負ってしまって、そうならなくなったというところが自分の中ではすごい悔いが残っている場面であるので、今回は1戦目にやろうとしていた試合展開にしたいなと思っています。」

「第1戦でドラマにしてしまったという自分の誤算はありますが、今回はそういう試合にはならないと思います。」
「この先、4団体統一、4階級制覇するための試合だと思って臨んでいます。」

「(ドネア選手は)前回の自分との試合でモチベーションも含め、評価を上げてしまったので、今回自分との戦いを最後にしっかりと花道をつくれればと、そんな想いで・・・」

こうして見てくると、井上選手のプロ中のプロとしての試合に臨む厳しさ、そしてドネア選手に対する冷徹さとともに思いやりを感じます。
また、本来は前回の試合で今回の試合のような展開を目指していたということから、井上選手の目標設定の高さを感じますし、井上選手にとって今回の試合は自分自身に対するリベンジマッチだったということが分かります。
なお、今回の試合結果から6月11日(土)付けネット記事(こちらを参照)で、井上選手が6月10日、米国で最も権威のある専門メディア「リングマガジン」のパウンド・フォー・パウンド(PFP、階級を超えたランキング)で1位となったと報じています。
今や井上選手は文字通り、世界最高のボクシング選手として世界的に評価される存在となったのです。
しかも、凄いのはまだまだ井上選手には伸びしろがあると思われることです。

さて、こうして井上選手の心の内を垣間見ると、アメリカの大リーグで活躍中の大谷翔平選手との以下の共通点が見えてきます。
・長期間にわたる高い目標設定
・その目標を達成するために必要なプロセスを全て洗い出し、着実に一つひとつのステップをこなすこと
・そのプロセスやステップでの問題点を洗い出し、再発防止策を講じること

ちなみに大谷選手は「マンダラチャート」とも呼ばれる目標達成シート(こちらを参照)を活用していたといいます。

しかし、誰もがこうした取り組みをしても、必ずしもみんなが目標を達成出来るわけではなりません。
それでも、全力投球で目標達成に向けてチャレンジし続ければ、必ずそれなりのパワー(スキルや精神力)が備わって来ることは間違いありません。
どこでこうした努力が役立つか分からないのです。
ですから少なくとも自分が実現させたい夢に向かっては、高い目標設定、および実現に至るプロセスの設定、そして日々の努力の積み重ねが求められるのです。

なお、6月8日(火)付けYouTube(こちらを参照)にこの試合の模様がアップされていますので御覧になってみて下さい。

 
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