昨日、アイデアよもやま話 No.5225 ロシアによるウクライナ侵攻を多角的な視点から見ると・・・でもお伝えしたように、当初、ロシアのプーチン大統領の目論見ではロシアによるウクライナ侵攻は１週間足らずで終わると考えられていましたが、未だ、この侵攻は続いております。
毎日毎日、ウクライナの軍隊、あるいは国民、そしてロシア軍の死亡が続いています。
また、ウクライナの国民の中には、逃げ遅れて、食糧難に陥り、餓死者も出ているといいます。
また、医療機関もロシア軍の攻撃で破壊され、助かるはずの命も失われているといいます。
また、何百万人ものウクライナの国民は戦火を逃れてウクライナ周辺の国々に避難しています。
そして、ウクライナの重要な文化財や建物、美しい景色がまるで東日本大震災による巨大な津波の後のように更地のごとく変貌しています。
ですから、ウクライナの国民にとっては、侵攻の終結後も何年にも渡って復興作業が続くのです。
また、ロシア軍は自らの形勢不利が明らかになった場合には核兵器や生物・化学兵器の使用をちらつかせていますが、こうした状況においても、ＮＡＴＯは第三次世界大戦勃発リスクを恐れて、金融制裁や経済制裁などしか出来ず、短期的に有効な手段が出来ません。
そして、こうした状況において、残念ながら国連はほとんど機能しておりません。
一方、アジアにおいては北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの開発に躍起になっており、今やアメリカをも射程範囲にする勢いです。
ですから日本にとって隣国の北朝鮮が核兵器の使用をちらつかせて外交交渉をしてきたら、譲歩せざるを得ない場面が今後発生するリスクがあります。
だからといって、防衛力強化のために日本も核兵器を開発しようとしても憲法上許されません。
さて、戦争こそは最大の人災であります。
この人災は言わば人間に起因する災害なのですから、人間にしか解決出来ません。
ではどうすれば解決出来るのでしょうか。
以下に戦争勃発をリスク管理の観点からみてその対応策、およびコンティンジェンシープラン（リスク発生後の対応策）について、私の思うところをまとめてみました。
（リスク対応策）
・現在の国連を解体し、国連に代わる新しい国際機関（仮称：国際ＳＤＧｓ機関（ＷＳＯ））を設けること
・そして、戦争防止、あるいは大量破壊兵器の使用禁止を図るため、以下のような新しい国際ルールを設けること
�� いかなる国も自由、人権、平等、民主を厳守すること
�� 他国との軋轢などに関しては外交的な手段による解決を図ること
�� 現在の核保有国、あるいは生物・化学兵器の保有国は１０年以内に全て廃棄処分すること
�� 核兵器や生物・化学兵器の開発、および保持を禁止すること
（コンティンジェンシープラン）
�� 他国に侵攻した国に対しては、圧倒的な軍事力を持つ国連軍が対峙すること
�� 戦争終結後に侵攻した国は侵攻された国の被害、および国連軍が要した軍事費の総額を全て弁償すること
�� 上記�い離襦璽襪鯣箸靴森颪砲蝋餾鬱ヾ悗�らあらゆる面で年単位での一時的脱退を強制すること
ちなみに、現在の国連を解体する必要性ですが、その理由は以下の２つです。
�� 国際の平和と安全に主要な責任を持つのが安全保障理事会（こちらを参照）で、５ヵ国の常任理事国中にはロシアと中国が入っており、実質事項に関する決定には５常任理事国の同意投票が必要であることから、今回のウクライナ侵攻の当事者であるロシア、１国が反対すれば、どんな決議も否決されること
従って、現状のルールでは今回のウクライナ侵攻に対してロシアに不利になる内容についてはどんな決議も可決する可能性がないこと
�� 国連で設定された国際ルールに違反しても抑止効果のある有効な罰則規定がないこと
なお、３月８日（火）放送の「おはよう日本」（ＮＨＫ総合テレビ）で上記に関連した内容について取り上げていたのでご紹介します。
国連の主要機関であるオランダ・ハーグの国際司法裁判所でロシアによるウクライナ侵攻についての審議が始まりました。
ロシアはウクライナ東部で親ロシア派住民に対するジェノサイド、集団殺害が行われているとして軍事行動に踏み切りました。
一方、ウクライナは、この主張を全面的に否定し、ジェノサイドを行っているのはロシアで、軍事行動には正当性がないと訴えています。
ただ、判決までは何年もかかるため、ウクライナはロシアの軍事行動の暫定措置命令を出すよう求めているのです。
そのための審議が３月７日と月８日に設定され、ウクライナの代表が激しい攻撃にさらされていると訴えました。
それに対して、８日はロシア側の口頭弁論が予定されていたんですけど、ロシア側が欠席を伝えてきたため、審議は終了しました。
国際司法裁判所は紛争当主国、双方の同意が無くても加盟している条約に基づいて訴えることが出来ます。
このためウクライナは双方が加盟しているジェノサイド条約に基づいて訴えを起こしたのです。
暫定措置命令はミャンマーの少数派、ロヒンギャの住民たちが国軍による迫害を受けているとして、国際司法裁判所がミャンマー政府に対してジェノサイド防止のための措置を取るよう命じたケースがあります。
今回、司法の力でロシアのウクライナ侵攻を止めることは簡単でありません。
判決に法的拘束力はあるのですが、ロシアは暫定措置命令も含めて無視する可能性が高そうです。
追求の手は弱まず、同じハーグにある国際刑事裁判所も戦争犯罪と人道に対する罪の疑いで捜査を始めています。
国連安保理が機能しない中、国際的な司法の追及により非人道的な行為を止めることが出来るか、法の支配を拠り所とする国際社会全体が試されています。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
やはり、いかに素晴らしいと思われるルールでも罰則規定がなければ、人も国もルールを犯すリスクが大きくなります。
ですから、本当にルールを守ることを徹底させるためには、ルールを破ることはメリットよりもディメリットの方が大きいと認識させることがとても重要なのです。
残念ながら、現在の国連で規定している国際ルールはこの点で重大な欠陥があると言わざるを得ないのです。
そして、戦争勃発を抑止する抜本的な解決には現在の国連を解体し、国連に代わる新しい国際機関を設けることが必要なのです。
そもそも国連発足時と現在とでは状況が随分変わっているので、抜本的なルールの見直しが求められているのです。
少なくとも中国による人権無視、北朝鮮による核兵器、および大陸間弾道ミサイルの開発、そして今回のロシアによるウクライナ侵攻に対して国連として有効手段が取れない状況は現在の国連の持つ機能の限界を示しています。
残念ながら、現在は“やったもん勝ち”状態なのです。
ということで、是非、平和憲法を有する日本の政府には今回ご紹介したような内容を今こそ国際社会に向けて発信し、国連の場で提案していただきたいと思います。
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