2022年02月09日
アイデアよもやま話 No.5187 世界初、イスラエル企業が3Dプリンターで人工肉を開発!
これまで人工肉についてはアイデアよもやま話 No.3639 画期的な”人工肉”バーガー!などでお伝えしてきました。
また、2025年に稼げる職業ランキングでも人工肉クリエーターは第3位で上位についています。(参照:No.4368 ちょっと一休み その675 『2025年に稼げる職業ランキング!』
ですから、人工肉関連産業の将来は明るいという見方が少なからずあると言えます。
そうした中、ちょっと古い情報ですが、昨年2月16日(火)付けネット記事(こちらを参照)でイスラエル企業による3Dプリンターでの人工肉開発について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

・イスラエルのフードテックスタートアップ、アレフ・ファームズ(Aleph Farms)とイスラエル工科大学が、3Dバイオプリンティング技術を用いた培養リブアイステーキ肉を世界で初めて開発した。
・アレフ社はほかの種類の培養カット肉生産にも意欲を示しており、各国当局の認可を得て2022年後半にも市販したい考えだ。
・3Dバイオプリンターでは、通常の3Dプリンターと違って、材料にインクやプラスチックではなく細胞を用いる。研究チームは牛の生きた細胞を3Dプリントし、血管のようなシステムで成長させ、本物のステーキ肉のように筋肉や脂肪分を含む培養肉をつくり出した。生産するのに動物を殺す必要はいっさいなく、遺伝子組み換え技術も使わない。
・アレフ社の創業者で最高経営責任者(CEO)のディディエ・トゥビアは「当社では遺伝子組み換えでなく、不死化もしていない、天然の細胞を用いています。3Dバイオプリントした組織を培養し、自然界と同様の仕方で生育、相互作用させ、ステーキ肉の食感や品質を生み出しています」と説明する。
・同社は今後、さまざまな培養肉を開発し、世界中の食卓に提供したい考えだ。大規模なヨーグルト生産設備のような「バイオファーム」と呼ぶ培養施設も建設していく予定という。
・ただ、販売には各国の規制当局の認可を得る必要がある。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

3Dプリンターについては以下のようにこれまで何度となくお伝えしてきたように既に様々な分野で実用化されています。
アイデアよもやま話 No.4244 金属3Dプリンターで“ものづくり革命”!?

アイデアよもやま話 No.4057 3Dプリンターで心筋組織を作製!

アイデアよもやま話 No.4999 画期的な3Ⅾプリント住宅村構想!

そして今回ご紹介したように、イスラエルのアレフは牛の生きた細胞を3Dプリントし、血管のようなシステムで成長させ、本物のステーキ肉のような培養肉を作り出しているのです。
牛の生きた細胞を3Dプリントして培養肉を作り出すというアイデアも奇想天外です。
更に同社は今後、様々な培養肉を開発し、世界中の食卓に提供したい考えだといいます。
また、生産するのに動物を殺す必要は一切なく、遺伝子組み換え技術も使わないというのですから、SDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)の観点からも極めて望ましいと言えます。

国産牛の中には神戸牛などブランドとして確立されていて、高価ではあるもののとても美味しい牛肉があります。
しかしこうした牛肉が出来るまでには大量の資源を要すると言われています。
ですから、将来的に更に地球温暖化が進めば、こうした牛肉の生産規制がなされるという懸念があります。
従って、いずれ人工肉、更には食品全般の“人工化”へのシフトが加速するかもしれません。
同時に、人工食品であれば、味の微妙な調整が出来るようになり、栄養バランスを考慮したものが作れるというメリットもあります。
更には、近い将来、多くの人たちが滞在型の宇宙旅行をする際にも人工食品は必須のアイテムになるはずです。

しかし、一方でこうした代替食品への抵抗感が懸念されます。
そこで救いなのは、1月29日(土)放送の「神アプデ!ニッポン!」(TBSテレビ)で触れていたように、こうした人工肉を取る扱う世界的に一流のレストランが既に現れているということです。
ですから、見た目も味も本物にそれほど見劣りしない人工肉が作られるレベルまで技術は進んでいるのです。

 
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