2022年01月27日
アイデアよもやま話 No.5176 AIが覚える最新無人レジ!
これまでスーパーなどのレジの進化型についてNo.565 そろそろPOSにこんな機能があっても!アイデアよもやま話 No.4067 AIの活用事例 (6) その4 AIを搭載した世界初のセルフレジ!でお伝えしてきました。
そうした中、昨年10月19日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIが覚える最新無人レジについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。 

今日(昨年10月19日)開幕した国内最大級のIT見本市、シーテックは例年巨大な会場に各社が最新技術を持ち寄り、しのぎを削るイベントですが、昨年(2020年)に引き続きオンラインの開催となりました。
そのシーテックで各社が相次ぎ公開したのがコロナ禍で進化を続ける“非接触”の技術です。

そうした中、京セラのブースでは“非接触”のニーズから広がった無人レジの性能を高める技術を公開しました。
京セラ 研究開発本部の説明者は次のようにおっしゃっています。
「(商品を)雑然と置いても、重なっても、手に持ってもちゃんと認識出来ます。」

「新規10商品を登録する場合は、既存技術だと4日間もかかりますけども、当社の技術では15分で済みます。」

「バーコードスキャン式だと一個一個商品をスキャンする手間と操作の時間がかかる。」
「1台のカメラとPCとディスプレーがあれば、簡単に導入出来るので非常に導入のハードルが低いと。」

独自に開発した、物体を認識するAIを活用、6つの角度から商品の写真を撮り、商品の形状と合わせて名前や値段などの情報をAIに覚えさせるのが特徴です。
これまでのシステムでは新商品を登録する際、全ての商品を認識し直さなければなりませんでしたが、今回の技術では新商品の登録だけで済むといいます。
また、色やかたちが微妙に違う生鮮食品も同一のモノとして識別出来るようになったといいます。

なお、この「スマート無人レジシステム」は2023年以降に商品化の予定といいます。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

前回はSDGsを追い風に代替肉業界で成長を続けるベンチャー企業についてお伝えしました。
そして、今回はコロナ禍で進化を続ける“非接触”技術のご紹介というわけです。
まさにビジネスを取り巻く環境の変化があらたな商品、そしてビジネスの誕生を促しているのです。

さて、これまでも無人レジはあったのですが、これまでのシステムでは新商品を登録する際、全ての商品を認識し直さなければならなかったといいます。
この方式ではこうしたレジの普及はあまり期待出来ません。

そうして中、今回ご紹介した京セラが開発中の無人レジの性能を高める技術は以下の点でとても優れています。
・商品をどのように置いても認識出来る
  色やかたちが微妙に違う生鮮食品も同一のモノとして識別出来る
・無人レジシステムを導入し易い
新規10商品をシステムに登録する際の時間が15分という短時間で済む
・レジ係が不要になる
・お客のレジ待ち時間が短縮出来る

ということで、この「スマート無人レジシステム」は2023年以降に商品化の予定といいますが、とても待ち遠しく感じます。
ちなみに冒頭でも触れたSCSK株式会社も京セラと同様の方式のレジを開発中といいますので、どちらが先に市販化するかにも興味が湧いてきます。

なお、無人レジは一部のスーパーでも導入されていますが、あくまでもお客が自分で一つひとつの商品のバーコードを読み取らせる方式なので一部のお客だけが利用しているように見えます。
一方、日本を代表するアパレル企業、ユニクロでは既に今回ご紹介したレジと同等の機能を持った「無人レジシステム」を導入しており、複数の衣料品を対象にどのように置いても認識出来るようになっています。
私もこれまで何度かこのレジを体験したことがありますが、確かに慣れればとても便利です。

ですから、価格にもよりますが、京セラやSCSKが開発中の無人レジシステムが市販化されれば、世界中の商業施設(スーパー、コンビニなど)から多くの引き合いがあると期待出来ます。
勿論、消費者もこうしたレジであれば、ほとんど違和感なく利用すると思います。
また、商業施設にとってもレジ係がほとんど不要になるという大きなメリットがあります。

しかし、見方を変えれば、これまでパートとして働いてきた人たちは職を失うことになってしまいます。
“デジタル化”、あるいはDX(デジタルトランスフォーメーション)の普及に伴い、こうした事例はあちこちで見受けられるようになります。
ですからベーシックインカムのような制度の導入も一方で必要になってくるのです。(参照:アイデアよもやま話 No.3401 ”仕事がない世界”がやってくる その3 新たな生活保障制度の必要性

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています