2022年01月20日
アイデアよもやま話 No.5170 日立がEV用インホイール式ダイレクト駆動システムを開発!
これまでインホイールにモーターついては以下のように何度かお伝えしてきました。

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そうした中、昨年10月9日(土)付けネット記事(こちらを参照)で日立がEV用インホイール式ダイレクト駆動システムを開発したことについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

・日立製作所と日立Astemoは2021年9月30日(木)、電気自動車(EV)向けに、ホイール内部にモーターとインバーター、ブレーキを一体で搭載できる小型・軽量のダイレクト駆動システムを開発したと発表した。
・「Direct Electrified Wheel」と名付けられたこの駆動システムは、モーターの駆動力を車輪にダイレクトに伝達する。
・ホイールは19インチ。最大出力は60kW、最大トルクは960Nm。小型・軽量化したモーターは、従来のインホイール式で課題だったホイール内の重量増加を抑えつつ、パワー密度として世界トップクラスの2.5kW/kgを実現している。
・また、モーター、インバーター、ブレーキを一体化することで、サスペンションなどの既存構造を大きく変えずにホイール内部への搭載を可能にしたという。
・開発したインホイール式EVは、ドライブシャフトなどの間接機構を廃してモーターの力をそのままEVの走行に利用することで、既存のEVに比べてエネルギーロスを30%低減。これにより充電1回あたりの航続距離も増やせるとしている。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

日立製作所と日立Astemoが開発した、ホイール内部にモーターとインバーター、ブレーキを一体で搭載出来るダイレクト駆動システムのメリットを以下にまとめてみました。
・小型・軽量化
・パワー密度は世界トップクラス
・サスペンションなどの既存構造を大きく変えずにホイール内部への搭載が可能
・既存のEVに比べてエネルギーロスを30%低減
・充電1回あたりの航続距離の増加

現在、SDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)の観点からガソリン車からEVへのシフトに世界的な注目が集まっています。
そして、国内外を問わず、クルマ業界以外の業界からも続々とEV業界に参入する企業の動きが連日のように報じられています。
しかし、EVの普及に向けては以下のような課題があります。
・ガソリン車並みの低価格化
・ガソリン車並みの航続距離
・バッテリーの長寿命化
・安全性
・充電インフラの整備
・電力供給への最小限の影響

今回ご紹介したダイレクト駆動システムはガソリン車並みの低価格化、およびガソリン車並みの航続距離という2つの課題の解決に貢献出来そうです。
一方、バッテリー自体の高コストがEVの価格を押し上げていると言われていますが、これについては前回まで3回に渡ってご紹介してきた次世代バッテリーも上記の課題の多くの解決が見込まれます。
そして2020年代後半にはこれらの課題はほぼ解決されそうな状況です。
また充電インフラの整備については、国がリーダーシップを発揮して積極的に取り組めば、短期間のうちに解決出来るはずです。

ということで、2020年代は“EV開花の10年”と位置付けられると思います。

 
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