2022年01月17日
アイデアよもやま話 No.5167 6分で充電出来る次世代リチウムイオンバッテリーを2023年度に商業化!
昨年9月24日(金)付けネット記事(こちらを参照)で2023年度に商業化が見込まれる6分で充電出来る次世代電池(バッテリー)について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

・東芝、商社の双日、およびニオブ(Nb)の生産および販売最大手であるブラジルCBMM(カンパニア・ブラジレイラ・メタルジア・イ・ミネラソン)の3社は2021年9月24日、ニオブチタン系酸化物(TiNb2O7:NTO)を負極活物質として用いる次世代リチウム(Li)イオン電池(LIB)の試作セルの開発を完了し、商業化に向けた共同開発契約を締結したと発表した。
・電気自動車(EV)向けLIBとして2023年度の商業化を目指すという。
・商業化が順調に進めば、EV向けLIB市場にとってのゲームチェンジャーとなる可能性がある。
・NTOを負極に用いるLIBは東芝が2017年に発表した次世代LIBの技術で、特徴は大きく3つ。(1)6分で90%充電できるなど超急速充電に対応する、(2)充放電サイクル寿命が2万5000回以上と非常に長い、(3)負極活物質の電位がLiに対して1.6Vも高く、Liイオンが析出することによるデンドライトが生じないため安全性が高い、である。
・東芝と双日、CBMMの3社は、2018年6月時点でこのNTO負極材料について共同開発契約を結んでいた。今回の3社の発表は、これまでのセルの開発から、量産プロセスの確立や早期の市場投入へと協業のフェーズを1段階先に進めるというものだ。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

今回ご紹介した次世代リチウムイオンバッテリーは充電時間、充放電サイクル寿命、安全性の観点から従来のリチウムイオンバッテリーに比べて大変な進化と言えます。
また、同じく次世代バッテリーとして脚光を浴びている個体電池(参照:アイデアよもやま話 No.4942 早くも来年には航続距離1000kmの個体電池が登場!?)に比べても引けを取らないバッテリーと言えます。
しかも来年にはEV向けの商業化が見込まれるというのですから、まさしくバッテリー業界のゲームチェンジャーとなる可能性を秘めています。

なお、アイデアよもやま話 No.5065 全固体電池の実力を上回る「硫化物電池」!でも次世代バッテリーの候補をご紹介しましたが、商業化のタイミングからすると、今回ご紹介した次世代リチウムイオンバッテリー、および先ほどの個体電池がまず脚光を浴びると思われます。
ただし、次世代リチウムイオンバッテリーにも課題があります。
それは原料にレアメタル(地球上の存在量が希少)であるリチウムを使用しているので他のベースメタル(大量の生産量)へのシフトです。

 
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