2022年01月11日
アイデアよもやま話 No.5162 たった一人の日本人による世界初の民間の月面探査機の発明!
昨年9月21日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でたった一人の日本人による世界初の民間の月面探査機の発明について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

月に向けて来年(2022年)、世界で初めて民間の探査機を打ち上げるという計画が進んでいます。
開発したのはたった一人の日本人エンジニアでした。
東京・池袋のSKY CIRCUS サンシャイン60展望台にあるイベントスペース、お客が操作していたのは小さなロボットです。
日本のベンチャー企業が開発した月面探査車「YAOKI」です。
水資源の調査や洞窟探検などを想定して設計されています。
大きな車輪とカメラで出来たシンプルなデザインですが、重心を調整することで何度ひっくり返ってもすぐに起き上がれるよう工夫されています。
「YAOKI」という名前は“七転び八起き”から付けられました。
実はこの「YAOKI」、アメリカのNASA,航空宇宙局が手掛けるプロジェクトに参加が決まっています。
来年(2022年)初頭には月に上陸する予定で、これは民間の月面探査車としては世界初の快挙です。
その快挙を成し遂げようとしているのが株式会社ダイモンのCEO、中島紳一郎さん、設計から開発までほぼ一人で手掛け、8年間かけて「YAOKI」を完成させました。
実用化にあたって一番こだわったのは探査機の重さです。
中島さんは次のようにおっしゃっています。
「(重さは)今、498g、500g切っています。」
「月面探査を開発しているような他社は4輪や6輪、重量は5kg程度、10分の1のコストで月面探査が実現出来る、事業も有利に展開出来るということです。」

月へモノを運ぶには1kgあたり約1億円かかるとも言われていて、軽量化を徹底することで他社との差別化を図っているのです。
中島さんは来年(2022年)の初頭以降に打ち上げる探査機の数を増やし、ビジネスとして成立させたいとして、次のようにおっしゃっています。
「2024年には一応マイルストーンですけども100機(打ち上げ)を予定しています。」
「100機でもこの軽さであれば十分に実現可能な数量だと思っています。」
「小型軽量技術が生かされるというところが日本の一つの強みだと思っています。」
「日本が新しい月面都市開発の市場でメジャーなところを取っていく・・・」

中島さんの会社、ダイモンではこの月面探査機の技術を応用して来年(2022年)には地上でのロボット事業を展開する予定だそうです。
具体的には、廃炉にした原子力発電所を点検するロボットとか災害時の救出ロボットを開発していきたということです。

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、その要旨を以下にまとめてみました。

・月に向けて今年(2022年)、世界で初めて民間の日本人エンジニア、株式会社ダイモンのCEO、中島紳一郎さんがたった一人で開発した月面探査車「YAOKI」を打ち上げるという計画が進んでいる
・「YAOKI」は水資源の調査や洞窟探検などを想定して設計されている
・「YAOKI」はアメリカのNASA、航空宇宙局が手掛けるプロジェクトに参加が決まっており、今年の初頭には月に上陸する予定である
・月へモノを運ぶには1kgあたり約1億円かかるというが、「YAOKI」は軽量化を徹底することで他社との差別化を図っている
・他社の月面探査車は4輪や6輪で重量は5kg程度、それに対して「YAOKI」は500gを切っており、10分の1のコストで月面探査が実現出来る
・中島さんは今年の初頭以降に打ち上げる探査機の数を増やし、ビジネスとして成立させたいとしている
・ダイモンではこの月面探査機の技術を応用して今年中には地上でのロボット事業を展開する予定だという

こうしてまとめてみると、月面探査車のように過酷な状況下で活躍出来るようなレベルの探査車を開発すれば、地球上でも様々な用途の探査機関連ビジネスとして応用出来ることが分かります。

それにしても月へモノを運ぶには1kgあたり約1億円かかるといいますから、中島さんの開発した「YAOKI」は他社製に比べて4億5000万円程度少ない5000万円ほどの資金で月面探査車を月に運べるという計算になります。
ですから、資金的には圧倒的な競争力があります。
従って、今後とも月に限らず他の惑星探査機としても多くの引き合いが期待出来ます。

さて、体重70kgの人間が月に行くには約70億円の資金が必要になるわけです。
こうした現状からすれば、一般の人たちが月旅行に行けるようになるためにはまだまだ技術的に沢山のハードルを越えなければならないことが分かります。
せめて地球上からそれほど遠くない距離の宇宙空間から丸い地球を実感出来る程度の宇宙旅行が100万円程度の旅費で体験出来るようになって欲しいと思います。
実現すれば、きっと世界中の沢山の人たちから申し込みが殺到すると思われます。

ということで、宇宙ビジネスは一般人向けの旅行という観点からだけでも成長性のあるニューフロンティアと言えそうです。

 
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