2022年01月03日
アイデアよもやま話 No.5155 変異ウイルスに強い”ハイブリッド抗体”!
昨年9月13日(月)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で変異ウイルスに強い”ハイブリッド抗体”について取り上げていたのでご紹介します。

世界で猛威を振るうデルタ株、こうした感染力の強い変異ウイルスを無力化する抗体が存在することがアメリカの大学の研究で明らかになりました。
その抗体については”ハイブリッド抗体”と言われています。
これは新型コロナウイルスに感染した後にワクチンを接種した人から見つかったものだそうです。
研究チームは、これをもとにワクチンを作れば、デルタ株以上に強いウイルスにも打ち勝つ可能性があると期待を寄せています。
ロックフェラー大学で25年にわたりウイルス研究をするテオドラ・ハッジアヌ准教授ですが、8月に自身が参加した研究チームの最新研究結果が発表されたのです。
そして、次のようにおっしゃっています。
「いい意味で驚きでした。」
「強い反応があることに加えて様々な種類のウイルスに効果があって、広く対応出来ることにただただ驚きました。」
「感染経験者が感染から1年後にファイザーやモデルナのmRNAワクチンを接種した場合、変異株に対し強い免疫反応を示しました。」
「”ハイブリッド免疫者”と呼んでいます。」

感染後に得られる抗体とワクチン接種で得られる抗体を持つという”ハイブリッド免疫者”、研究チームは、新型コロナに感染後ワクチンを接種した14人の血液を採取して分析した結果、全員から20種類の変異株を“無力化”する抗体を発見したというのです。
20種類の中には今日本でもまん延しているデルタ株(番組放送時)をはじめ、ベータ株、アルファ株、イータ株、ガンマ株など国内で確認されている様々な変異株も含まれています。
新型コロナに自然に感染した人やワクチンを接種しただけの人の抗体と比較して、その効果の差は歴然です。
ハッジアヌ准教授は次のようにおっしゃっています。
「今後、どのような変異株に対しても有効だと考えます。」

デルタ株より感染力が強いウイルスに対しても強い効果が得られる可能性も示唆されていて、ファイザーとモデルナで結果に違いはなかったといいます。

なぜ一度感染した人がワクチン接種すると強い免疫が得られるのでしょうか。
詳しいメカニズムはまだ分かっていないといいますが、今回の”ハイブリッド抗体”の発見で今後どのようなことが期待出来るのか、ハッジアヌ准教授は次のようにおっしゃっています。
「より対応力の広いワクチンの研究に役立つかもしれません。」
「新たな変異ウイルスやパンデミックに対してワクチンで対応することが可能だと思います。」

今回の発見をもとにしたワクチン開発が進めば、感染力の強いデルタ株のまん延(番組放送時)で難しいと言われていた集団免疫を獲得し、パンデミックを収束させる可能性もあるとハッジアヌ准教授はいいます。
今回の発見はどれほど期待出来るのか、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は次のようにおっしゃっています。
「感染だけで出来る免疫と、そのワクチンによって出来る免疫はやっぱり特徴が異なります。」
「これらが組み合わさることによって更に強い強力な免疫が出来るということは言えると思いますので、これは納得のいくデータだと思います。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

アメリカのロックフェラー大学の研究チームにより、新型コロナウイルスに感染後に得られる抗体とワクチン接種した人から得られる抗体、すなわち”ハイブリッド抗体”をもとにワクチンを作れば、デルタ株以上に強いウイルスにも打ち勝つ可能性があることが明らかになりました。
その特徴は以下の通りといいます。
・新型コロナウイルスのどのような変異株に対しても強い免疫反応があると期待出来る
・今回の発見をもとにしたワクチン開発が進めば、感染力の強いデルタ株のまん延で難しいと言われていた集団免疫を獲得し、パンデミックを収束させる可能性もある
・更に様々な種類のウイルスに効果があるので広く対応出来る

しかし、なぜ一度感染した人がワクチン接種すると強い免疫が得られるのか、詳しいメカニズムはまだ分かっていないといいます。
しかし、国際医療福祉大学の松本教授のおっしゃるように、感染だけで出来る免疫と、そのワクチンによって出来る免疫は特徴が異なるので、これらの組み合わせによって更に強い強力な免疫が出来るという説は納得力があります。

ということで、詳しいメカニズムはともかく、”ハイブリッド抗体”をもとにワクチンを沢山作って、オミクロン株によるパンデミック、更にはその後の新たな変異ウイルスに対しても集団免疫により1日も早く新型コロナウイルスの終息を迎えて、従来のインフルエンザと同様に“ウィズコロナ”の暮らしになって欲しいと願います。

なお、アイデアよもやま話 No.5012 海外で進むワクチンの「交差接種」!では1回目と2回目で違うワクチンを接種する「交差接種」によりウイルスの侵入を防いでくれる抗体反応が高まるとお伝えしました。
そして、今回は”ハイブリッド抗体”をもとにワクチンを作ることにより同様の効果が得られるとお伝えしました。

これら2つの抗体反応を高める手段の基本的な考え方は、これまで何度もくり返しお伝えしてきたように、アイデアは既存の要素の組み合わせである、そしてアイデアは発見するものであるという言葉で表現出来ます。

ということで、物事を解決するうえで、一つの手段だけではうまくいかなくても、他の手段と組み合わせてみることによって解決出来る場合が沢山あるのです。
この考え方は、ヒト・モノ・カネの全てに適用出来ます。
ですから、今、何かの問題解決で行き詰っている方々は是非この考え方に沿って解決策を検討してみて下さい。
そのうえで、ネバーギブアップ精神で突き進めば、必ず突破口が見つかるはずです。
ちなみに、実際に私はこうした思考方法でこれまで私にとってのいくつかの難問を突破してきました。

 
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