2021年12月18日
プロジェクト管理と日常生活 No.724 『地球温暖化関連の最新事情』
これまで地球温暖化関連については何度となく沢山ご紹介してきました。
そうした中、今回は3つのネット記事を通して地球温暖化関連の最新事情をご紹介します。

まず2018年10月11日付けネット記事(こちらを参照)で地球温暖化の影響は想定より深刻というIPCCによる警告について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

・世界の平均気温が産業革命前と比べて1.5℃上昇した場合、その影響と負担はこれまでの想定をはるかに超えるものになるだろうと、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が警告を発した。
・この「1.5℃の地球温暖化に関する特別報告書」は、IPCCの総会で10月8日に公表された。
・世界の平均気温はすでに産業革命前から1℃上昇している。この報告書によれば、気温の上昇が1.5℃に達した場合、状況は大幅に悪化するという。2℃に及ぶとすれば、さらに深刻だ。
・また、気温が上昇する幅は、早ければ今後11年以内に1.5℃に達する恐れがあり、二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に削減できなければ、20年以内に1.5℃上昇するのはほぼ確実だという。
・しかも、仮にCO2削減に今すぐに取り組み始めたとしても、1.5℃上昇の時期を遅らせることはできても、防ぐことはできないと予測している。
・「気温上昇を2℃ではなく1.5℃以内に抑えれば、生態系や人々の健康、福祉を難しくするような影響を軽減できるでしょう」と、インドのアーメダバード大学の環境エネルギー・グローバルセンター長で、今回の報告書の共同執筆者であるプリヤダルシ・シュクラ氏は声明の中で述べている。
・2015年に採択された「パリ協定」では、気温の上昇を2℃以内に抑えることで各国が合意したが、国土の海抜が低い国などは、それより大幅に厳しい目標を求めていた。現行のCO2排出削減目標では、2100年までに気温が少なくとも3℃上昇すると見られている。そうなると、永久凍土が広範囲にわたって融解する気温を超えてしまい、ひいては地球温暖化が制御不能なレベルで進行してしまう恐れがある。米国のトランプ政権は昨年、パリ協定からの離脱を表明している。(参考記事:「洪水で水源消滅、多くの島が数十年で居住不能に?」)
・今回IPCCが公表した特別報告書には、温暖化を1.5℃に抑えるさまざまな方策が列挙されている。どの方策においても、化石燃料の使用を15年以内に半減させ、30年以内にはほぼ完全にやめるという、前代未聞の努力が求められている。
・それに加えて、CO2排出削減のスピードにもよるが、2050年までに100〜700万平方キロの土地をバイオ燃料の原料となる農産物用に転換し、1000万平方キロ分の森林を増やす必要があるかもしれない。しかも、それですら不十分だと報告書は警告する。
・CO2の削減には、森林がもっと大きな役割を果たす可能性もあると、米バージニア大学の森林の専門家であるデボラ・ローレンス氏はインタビューで述べている。「森林は現在、大気中のCO2を約25パーセントも吸収して、温暖化防止に大いに貢献しています」
・植林をして、森林の管理を改善すれば、2030年までに必要とされる削減量の18パーセントを森林が担ってくれるとローレンス氏。氏によれば、ブラジル、中国、インド、メキシコ、オーストラリア、米国、ロシア、EU(欧州連合)は、大きな経済的負担なしに、しかも食料生産に悪影響をおよぼすことなく、森林を増やせる。そのおかげで何十億トンものCO2の削減が期待できることを、今後の研究で示す予定だと話す。とりわけ熱帯雨林の保護と拡大はきわめて重要だという。大気を冷やし、食物の生育に必要な降雨をもたらしてくれるからだ。(参考記事:「世界はアマゾンを救えるか、はびこる闇と負の連鎖」)
・老齢林を家具や建築資材として使えば、CO2を長い間その中に封じ込めることになる。そうした考えのもと、米オレゴン州のポートランドでは2019年に木造12階建てビルが完成する予定で、オーストリアのウィーンでは木造24階建てビルの建設が進んでいる。
・森林科学者らは合同声明を発表し、温暖化を防止するために現存する森林を保護すべきだと警告した。その声明には、現在利用できる石油や天然ガス、石炭よりも、世界の森林のほうがより多くの炭素を含んでいると書かれている。

次に8月26日(木)付けネット記事(こちらを参照)で5つの予測シナリオを発表したIPCCの最新報告書について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

・8月9日、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第6次評価報告書が発表された。
・まず、前回の報告書と最も変わった点は、未来のシナリオを導き出すにあたり、人口や経済成長、教育、都市化、技術的および地政学的な動向など、社会経済的な要素を加えた点だ。つまり、世界が今後どのように発展してゆくのかについても考慮している。
・2013年と2014年に発表されたIPCCの第5次評価報告書では、温室効果ガスが将来に安定する濃度のレベルとそこに至るまでの代表的な道筋「RCP(representative concentration pathway:代表的濃度経路)」にもとづいて、未来の気候シナリオが予測された。この「RCPシナリオ」は、人類が気候変動を抑制するためにどれだけの努力をするかによって異なり、「低排出・高緩和のRCP2.6シナリオ」から「高排出・無緩和のRCP8.5シナリオ」まであった。(参考記事:「IPCCの第5次評価報告書、5つの要点」)
・対して、今回の予測シナリオはたとえば「RCP2.6」ではなく「SSP1-2.6」のように表記される。2つ並んだ数字の前者が社会経済的な要素「SSP(shared socioeconomic pathway:共通社会経済経路)」で、後者がRCPだ。先に述べたように、SSPは未来の世界がどのように発展してゆくのかについての道筋であり、具体的には「1.持続可能」「2.中道」「3.地域対立」「4.格差」「5.化石燃料依存」という5つのパターンが用意された。これを加えたおかげで、様々なシナリオをより詳しく予測できるようになった。
・5つのSSPのぞれぞれで「1.9」「2.6」「4.5」「7.0」「8.5」というRCPを検討した結果、最新の報告書では、比較的楽観的な2つのシナリオ(SSP1-1.9とSSP1-2.6)、中間的なシナリオ(SSP2-4.5)、暗いシナリオ(SSP3-7.0)、そして奇妙なシナリオ(SSP5-8.5)の5つに焦点が当てられた。
・今回のRCPの1.9という値について、技術的な解決策に焦点を当てた取り組みをしている環境研究センター「ブレイクスルー・インスティテュート」で気候・エネルギーを担当するジーク・ハウスファザー氏は、産業革命以前からの気温上昇分を1.5℃にするという目標を各国がパリ協定で採択したために追加されたという。さらに、前報告書にも記されていた2.6と4.5と8.5に加え、4.5と8.5のギャップを埋める7.0という値が採用された。
・持続可能な社会を実現した楽観的なシナリオは、いずれも地球温暖化を2℃未満に抑えるというパリ協定の目標を達成している。各国は直ちに積極的に化石燃料の使用を削減し、21世紀半ばから後半にかけて世界の二酸化炭素排出量は正味ゼロになる。その後、まだ大規模な実証実験が行われていない技術を使って空気中の大量の二酸化炭素を回収し、排出量はマイナスに転じる。
・今世紀末には、第1の楽観的シナリオでは1.4℃、第2の楽観的シナリオでは1.8℃、気温が上昇していることになる。2つのシナリオの違いは、排出量削減の速度と二酸化炭素回収技術を導入するペースだ。
・この程度の温暖化であれば、異常気象の頻度および深刻度こそ上昇し、最大0.6メートルの海面上昇が生じるものの、より深刻な気候変動の影響は回避される。同時に、これらの楽観的なシナリオのいずれにおいても、力強い経済成長と教育や医療に対する幅広い投資により、世界の生活水準が向上する。21世紀末には、世界はより豊かに、より平等になっており、世界的な協力や資源の共有が不十分な場合に比べて、社会は変化した気候に適応しやすくなっている。
・中間的なシナリオはそこまでバラ色ではない。この場合、二酸化炭素排出量は今世紀半ばまで高水準で推移し、その後減少に転じる。21世紀末には、世界の気温は約2.7℃上昇していることになる。環境研究センター「ブレイクスルー・インスティテュート」で気候・エネルギーを担当するジーク・ハウスファザー氏によると、このシナリオはパリ協定で各国が誓約した2030年までの目標と「おおむね一致」しており、世界がより積極的な排出削減策を採用できなかった場合の未来を表している。(参考記事:「米国人の半数近くが「気候変動の脅威は増加」と回答」)
・これはまた、社会経済的発展のこれまでの歴史的パターンに最も近い未来でもある。中間的ストーリーにおいては、世界の経済成長にムラがあり、富と社会的平等の向上に向けて前進する国もあれば、遅れを取る国もある。発展途上国の出生率は依然として高く、世界人口は今世紀末に約95億人でピークを迎える。その時、世界の多くの地域は、深刻な気候変動の影響に対して脆弱なままだ。
・さらに、IPCCが描く暗いシナリオでは、ナショナリズムが各国を強く支配し、グローバルな協力関係が崩壊、経済成長と社会的進歩は停滞する。世界の多くの貧困国では出生率が高いままで、世界人口は現在の約80億人から今世紀末には120億人以上に増加する。
・二酸化炭素排出量も今世紀中は増加し続け、2100年には地球の気温が産業革命以前の水準より3.6℃も高くなる。干ばつや洪水がひどくなり、夏の北極海の海氷は消滅し、かつては50年に一度だった熱波の発生頻度が40倍近くになる。(参考記事:「地球が「臨界点」超える危険性、気候科学者が警鐘」)
・最後に、奇妙な、まるでSFのようなシナリオがある。人類は二酸化炭素排出曲線を元に戻せないばかりか、化石燃料の採掘量を倍増させ、エネルギー集約型のライフスタイルを加速させる。今世紀を通して各国がより多くの石炭を採掘して燃焼させ、世界の気温はなんと4.4°Cも上昇、数百万年ぶりの暑さになる。
・しかし、このシナリオでは、世界中の国々が経済的、社会的に大きく発展するため、化石燃料の恩恵があらゆる場所に行き渡り、今世紀末には「非常に豊かで、非常に平等で、非常にハイテク」とハウスファザー氏が表現する社会が実現することになる。地球は地獄のような暑さだが、ナショナリズムに支配された貧しく不平等な世界においてこうした状態を迎えるよりは、人類にとって適応しやすいのかもしれない。
・環境研究センター「ブレイクスルー・インスティテュート」のハウスファザー氏は、世界の二酸化炭素排出量の約3分の2を占める国々が、今世紀半ばまでに排出量をゼロにすることを約束していると指摘する。もちろん相当に難しいことではあるものの、もしも、これらの国が約束を果たし、他の開発途上国も追随するならば、「気温の上昇は1.5〜2℃に十分おさまります」、「私たちはまだ、より良い道を選べるのです」と同氏は語る。

最後に8月29日(日)付けネット記事(既に削除済み)で日本、アメリカ、中国によるゼロエミッションの表明について取り上げていたのでその一部をご紹介します。

・4月の気候変動サミットを受け、菅義偉首相(当時)は2030年までに2013年比で温室効果ガスの排出を46%削減し、2050年までに実質的にゼロにするゼロエミッション(脱炭素化)という目標を発表。「2050年までの脱炭素社会の実現」を目指す改正地球温暖化対策推進法が5月26日に成立した。
・そのサミットを開催した米政権では、ジョー・バイデン米国大統領が就任初日にパリ協定へ復帰する大統領令に署名し、2050年までにゼロエミッションを果たすと発表していた。日米に先立ち、昨年の9月、世界一の二酸化炭素排出国である中国の習近平国家主席が、国連総会のビデオ演説で2060年までの脱炭素化を宣言している。
・各国の目標自体は2015年のパリ協定に沿うもので、決して目新しい内容ではない。しかしこれまでは、ハードルのあまりの高さから先送りにしていたのが実情だった。
・その風向きが変わったのは、世界各地で記録される異例の高温や大規模な嵐、森林火災、干ばつ、熱波、洪水など、極端な現象が目立ち始めてきたことが挙げられるだろう。そして、極端な気象の長期的な変化には、地球温暖化の影響があると科学的な研究でしばしば指摘されている。
・世界各地で記録される極端な現象と、科学的な発表の中でも、とりわけ大きな変化をもたらしたのが2018年に「国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が発表したいわゆる「1.5℃報告書」だ。報告書では、世界の平均気温は産業革命前と比べてすでに1℃上昇しており、もし2018年の活動状況が続けば、早ければ2030年にも平均気温は1.5℃、2100年までには少なくとも3℃上昇するとした。
・さらに、今年8月9日に公開されたばかりのIPCCの最新報告書では、気候の現状について「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。大気、海洋、雪氷圏及び生物圏において、広範囲かつ急速な変化が現れている」と断定されている。
・日本では、2020年の気温と平年値(1991〜2020年の観測値)との差は+0.65℃で、1898年の統計開始以降、最も高くなったと気象庁が発表している。今年は平年値が10年ぶりに更新されたが、去年までの平年値(1981〜2010年の観測値)と比較すると、2020年との気温差は+0.95℃にのぼる。高温となる年は特に1990年代以降に頻出しているという。
・もしこのまま対策を強化せず、気温が上がり続けるとどうなるのだろうか。最も恐るべきシナリオは、温暖化の暴走、いわゆる「ホットハウス・アース(温室地球)」という現象だ。
・これは温暖化がドミノ倒し的に加速して後戻りできなくなる状態だ。永久凍土が大量に融解し、広範囲にわたって森林は死滅して、温暖化の歯止めが利かなくなる。気温は一挙に5℃上昇し、海面は6〜9m上昇、サンゴ礁とアマゾンの熱帯雨林は完全に失われ、地球上のほとんどの場所が居住不可能になるという。2018年に提唱された仮説ではあるものの、続く同年の1.5℃報告書は、ホットハウス・アースは2℃の気温上昇でも起こりうると指摘した。
・温暖化の暴走は、南極の氷の融解でも起きるという予測もある。この5月に学術誌「ネイチャー」に発表された論文によると、世界の気温上昇が2℃を超えれば、「暴走するプロセス」のせいで、南極では2060年頃から氷の融解が急激に進むようになり、2100年までの海面上昇が2倍近くになる可能性が指摘された。
・温暖化の影響予測については、北極海の氷に関する研究結果も多い。たとえば、2020年8月に学術誌「Nature Climate Change」に掲載された論文では、昨年の7月の北極海の海氷面積は1979年以降で最小を記録し、北極海の夏の氷は2035年までに完全に失われる可能性が高いという。
・日本の文部科学省と気象庁は昨年末に「日本の気候変動2020」を発表し、パリ協定前にIPCCが発表した最も温暖化が進むシナリオ(RCP8.5)の場合、21世紀末には20世紀末と比べて平均気温が4.5℃上昇すると予測した。すると、東京の気温はほぼ今の屋久島並みになる。また、猛暑日は約19日増加し、雨の降り方は極端になり、1日の降水量が200ミリを超える大雨の日は倍増するという。
・もちろん、避けられるなら災害は防ぐべきだ。1.5℃報告書では、1.5℃と2℃では気候変動による被害がずいぶん違うとされ、より厳しい対応が求められた。結果、今では2℃より1.5℃が対策の「最先端」とされるようになり、各国がより大胆な目標を掲げる一因になっている。
・先ごろ、米国デスバレーで6月としては異例の54℃という高温を記録して話題になった。ボリビアでは巨大湖が消え、日本に襲来する台風はより遅く危険になっている。またオーストラリアでは、ウミガメが温暖化によってほぼメスだけになるなど、生物への影響も確認され始めている。温暖化はすでに、世界的に危険なステージにまで登りつめている状況と言えるのかもしれない。
・温暖化の原理は明確であり、温暖化を止めるには炭素の排出を止めるしかない。私たちは地球の「臨界点」到達という大きなリスクを防げるのだろうか。人類の未来は脱炭素化にかかっている。

以上、3つのネット記事それぞれの内容の一部をご紹介してきました。

更にこれらの内容を以下に要約しました。

(2018年10月11日付けネット記事より)
・「1.5℃の地球温暖化に関する特別報告書」は、IPCCの総会で2018年10月8日に公表された。
・世界の平均気温はすでに産業革命前から1℃上昇している。この報告書によれば、気温の上昇が1.5℃に達した場合、状況は大幅に悪化するという。2℃に及ぶとすれば、さらに深刻だ。
・また、気温が上昇する幅は、早ければ今後11年以内に1.5℃に達する恐れがあり、CO2の排出量を大幅に削減できなければ、20年以内に1.5℃上昇するのはほぼ確実だという。

(2021年8月26日(木)付けネット記事より)
・8月9日、IPCC」の第6次評価報告書が発表された。
・前回の報告書と最も変わった点は、未来のシナリオを導き出すにあたり、人口や経済成長、教育、都市化、技術的および地政学的な動向など、社会経済的な要素を加えた点だ。つまり、世界が今後どのように発展してゆくのかについても考慮している。
・具体的には「1.持続可能」「2.中道」「3.地域対立」「4.格差」「5.化石燃料依存」という5つのパターンがシナリオを作成するうえで用意された。
・世界の二酸化炭素排出量の約3分の2を占める国々が今世紀半ばまでに排出量をゼロにするという約束を果たし、他の開発途上国も追随するならば、気温の上昇は1.5〜2℃に十分おさまり、私たちはまだ、より良い道を選べるとの専門家の指摘がある

(8月29日(日)付けネット記事より)
・各国の目標自体は2015年のパリ協定に沿うもので、決して目新しい内容ではない。しかしこれまでは、ハードルのあまりの高さから先送りにしていたのが実情だった。
・その風向きが変わったのは、世界各地で記録される異例の高温や大規模な嵐、森林火災、干ばつ、熱波、洪水など、極端な現象が目立ち始めてきたことが挙げられるだろう。
・そして、極端な気象の長期的な変化には、地球温暖化の影響があると科学的な研究でしばしば指摘されている。
・もしこのまま対策を強化せず、気温が上がり続けるとどうなるのだろうか。最も恐るべきシナリオは、温暖化の暴走、いわゆる「ホットハウス・アース(温室地球)」という現象だ。
・これは温暖化がドミノ倒し的に加速して後戻りできなくなる状態だ。永久凍土が大量に融解し、広範囲にわたって森林は死滅して、温暖化の歯止めが利かなくなる。気温は一挙に5℃上昇し、海面は6〜9m上昇、サンゴ礁とアマゾンの熱帯雨林は完全に失われ、地球上のほとんどの場所が居住不可能になるという。2018年に提唱された仮説ではあるものの、続く同年の1.5℃報告書は、ホットハウス・アースは2℃の気温上昇でも起こりうると指摘した。
・温暖化はすでに、世界的に危険なステージにまで登りつめている状況と言えるのかもしれない。
・温暖化の原理は明確であり、温暖化を止めるには炭素の排出を止めるしかない。私たちは地球の「臨界点」到達という大きなリスクを防げるのだろうか。人類の未来は脱炭素化にかかっている。

こうしてまとめてみると、地球温暖化をどの程度阻止できるかは私たち人類の手に委ねられているという現実をしっかり認識することの重要性です。
そして、既に地球温暖化は刻々と進みつつあるのです。
こうした流れの中で恐るべきは地球の「臨界点」到達により地球が「ホットハウス・アース(温室地球)」状態になるという大きなリスクがあることです。
そして、この地球の「臨界点」到達は2℃の気温上昇でも起こり得るという専門家の指摘があることです。
ちなみに、この「臨界点」について、プロジェクト管理と日常生活 No.639 『気候クライシス その4 迫りくる“ティッピングポイント”』では“ティッピングポイント”と表現していました。

いずれにしても、地球の「臨界点」到達による「ホットハウス・アース」状態を作り出すことは絶対に避けなければなりません。
そのためには、各国の責任において、米中の2大CO2排出国を始め、先進国が1日でも早く“脱炭素”を実現することが求められているのです。

そこで、日本政府、あるいは日本の企業にはそれぞれの立場で“脱炭素”実現に向けて先進的な取り組みを進め、リーダーシップを取って世界展開をしていただきたいと思います。

 
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