2021年12月07日
アイデアよもやま話 No.5132 日本は資源大国になり得る!?
8月18日(水)付けネット記事(こちらを参照)で実は資源大国、日本について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

世間の目が「脱炭素」に集まれば集まるほど、比例するかのようにエネルギーや地下資源への関心も高まっている。そんななか、原油や天然ガス、石炭などエネルギー資源はおろか、鉄、銅、アルミニウム(ボーキサイト)といった主流の金属からレアメタル、レアアースに至るまで、ほぼ全てを輸入に頼る日本の“無資源国ぶり”に嘆き悲しむ向きもある。しかし、実は数は少ないものの、産出量で世界トップ10入りを果たす地下資源があることはあまり知られていない。

(石灰石:100%自給の代表格)
国内需要を100%自給できる数少ない地下資源の代表格で、2020年の産出量は約1億3000万t(石灰石鉱業協会)。ほぼ全量が国内で消費され輸入に回されるのはごくわずか。半分がセメントの原料、約2割がコンクリート用骨材(砕石や砂利)として利用される。また、1割強は製鉄所で使用され、鉄鉱石から抽出されたドロドロに溶けた鉄(銑鉄)の中に投入し不純物(スラグ)を除去、いわば“あく抜き”材として使われる。このほかにも強い中和作用を応用し、火力発電所の排煙の中の亜硫酸ガスを無害化する脱硫装置で使用されたり、食品添加物として用いられたりする。
・世界産出量は不明だが中国が圧倒的1位でることは間違いなくシェアは半分以上、数十億トン以上と推定、また2位はアメリカで日本は3〜5位と見られる。

(ヨード(ヨウ素):埋蔵量は世界最大)
元素記号「I」、原子番号53の物質で、日本の資源量は世界トップクラス。2020年の世界産出量は約3万tで、1位のチリ約2万tに次いで2位の日本は約9000tを産出。つまり両国で世界市場の約97%を牛耳る超寡占ぶりだ。また、世界の埋蔵量は推定620万tで日本はこのうちの実に約490万t、8割を占める圧倒的1位。しかもその大半を千葉1県で産出するというから驚きで、その規模は世界シェアの25%を握る。
・ヨードはレントゲンの造影剤として重宝されているほか、消毒液(ヨードチンキ)・うがい薬(イソジンなど)や防カビ剤、液晶パネルの偏光フィルム、飼料、酢酸製造用の工業触媒など用途は広い。
・また、放射線の被ばく防止剤としても特に重要で、原子力災害時に大気中に噴出される放射性ガス内に含まれる放射性ヨウ素は甲状腺に溜まりやすく体内被ばくによる甲状腺がんの危険性があり、放射性ヨウ素の蓄積を防ぐために安定ヨウ素剤の服用が有望とされる。東日本大震災のときも同剤が一躍注目を集め、海外からも問い合わせが殺到したという。ある種の“戦略物資”でもある。

(「都市鉱山」は技術・規模ともに世界トップクラス)
・リサイクルが進むなか、廃棄されたデジタル機器の基盤や半導体に使われる金、銀、白金など貴金属やレアメタルを抽出する、いわゆる「都市鉱山」の技術や規模において日本は世界でもトップクラス。近年ではレアメタルを中心に世界産出量ランキングでトップ10入りする例がいくつか出現するほど。もちろん以下に掲げる金属類は日本において天然では全く産出されない。

(インジウム:世界の約1割は日本産)
・元素記号「In」、原子番号49の銀白色の金属で年間約70t産出(2017年)、堂々の世界3位を誇る。世界の年間産出量(2019年)が約714tなのでうち約1割は“日本産”という計算となるから驚き。ちなみに1位は中国(約4割)、2位は韓国(約3割)。熱伝導に優れ融点が低い(=溶けやすい)ことから、半導体や液晶パネル、LEDなどデジタル分野で重宝されている。

(パラジウム:水素社会での活躍に期待)
・元素記号「Pd」。原子番号46の銀白色の金属で年間7.7t産出し世界第6位。世界の年間産出量は226tで1位は南アフリカの38%強、2位はロシアの38%弱、3位はカナダの約7%となり、3カ国で世界の実に9割近くを握る。装飾用・歯科用のほか、産業用では電極、触媒として広く使われ、近年では大量の水素を内部に蓄積できる特性を応用、水素吸蔵合金として水素社会での活躍が期待されている。

(ガリウム:半導体に不可欠、人肌で溶ける金属)
・元素記号「Ga」、原子番号31の銀白色でアルミニウムに近い種類の金属だが、融点が約30℃で人肌でも溶けてしまうという特異な性質を持つ。年間約10t産出し世界第6位。世界全体の産出量は720tで、1位は中国83%とほぼ独占。LEDや半導体に不可欠で、将来的には核融合炉の冷却剤としても期待されている。

(白金:環境対策にも貢献)
・元素記号「Pt」、原子番号78で「プラチナ」の名でも馴染み深い貴金属で年間1.7t産出し世界7位。世界の産出量は199tで1位は南アフリカが7割強、2位はロシアの1割強、3位はジンバブエの7%と3カ国で世界の9割を支配。自動車の排ガス浄化や燃料電池など各分野で触媒として活躍。

今後SDGsがさらに深く社会に浸透、天然資源のリサイクル率もさらにアップしていけば、近い将来日本は国内のリサイクルで必要とする資源の大半をカバーできる、究極の“循環型国家”へと進化していくかもしれない。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

そもそも資源小国と言われ、金属資源のほぼ100%を輸入していると言われるほど多くの資源を海外からの輸入に依存している日本の国内に自給率100%の石灰石、そして埋蔵量が世界最大のヨード(ヨウ素)があるという事実には驚きます。

一方、廃棄されたデジタル機器の基盤や半導体に使われる金、銀、白金など貴金属やレアメタルを抽出する「都市鉱山」の技術や規模において日本は世界でもトップクラスで近年レアメタルを中心に世界産出量ランキングでトップ10入りする例がいくつか出現するほどといいます。

更に工場などから出る煙からCO2を取り出し、海底に送り、そこの微生物たちにCO2を与え、メタンガスを作らせ、エネルギーとして利用するといった研究も進められています。(参照:アイデアよもやま話 No.3718 夢の海中都市 その2 深海資源の活用!) 
また、金、銀、銅などの鉱物が沖縄の深さ1000m以上の深海の底にあるのです。
日本の近海にはこうした海洋資源が沢山眠っていて、その埋蔵量は300兆円以上と言われています。(参照:アイデアよもやま話 No.4226 沖縄の深海に眠る埋蔵量300兆円の”お宝”!

こうした状況から以下のような取り組みを進めれば、日本は一躍世界でも指折りの資源大国に生まれ変わることが出来るのです。
・世界中の「都市鉱山」からレアメタルを取り出す
・世界中の工場などから出る煙からCO2を取り出し、海底に送り、そこの微生物にCO2を与え、メタンガスを作らせ、エネルギーとして利用する
・日本の近海の海洋資源を採掘する

しかし、こうした取り組みには大きな課題があります。
それはビジネスとして継続出来るほどの“低コスト”です。
日本の最先端の技術力で是非この大きな課題をクリアし、日本を資源大国に生まれ変わらせると同時に、世界的な見地から“脱CO2”の貢献につなげて欲しいと願います。

 
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