2021年12月04日
プロジェクト管理と日常生活 No.722 『「オミクロン株」の急拡大による医療崩壊のリスク対応策』
8月6日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルスのデルタ株の急拡大による医療崩壊のリスク対応策について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

医療崩壊を防ぐ“スピード戦略”について立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は次のようにおっしゃっています。
「やはりワーストケース(最悪の事態)に備えるということでいうと、死者を一人でも減らす、医療崩壊を防ぐことが一番重要な政策ですよね。」
「(そのために必要なことについて、)“スピード戦略”ということで、経営管理、特に生産管理の要諦から考えてみました。」
「1つ目は同期化ということですね。」
「同期化はズバリ、デジタル化に近いんですけども自宅療養者が大きなカギだと思いますので、自宅療養者とデジタルでつながる、それからタイミングを揃える、そして常時接続をするということですよね。」
「今やなかなか電話も通じないような状況なので、まずはスマホのアプリ、ラインでもいいと思いますので、常時で接続するということで、デジタル化、同期化をするということですね。」
「それから(2つ目は)大規模・集中化は大規模な施設、ホテルを借り上げて自宅療養者をいち早く集中管理するということですよね。」
「やはり自宅で療養してもらうというのは様態が急変するリスクがありますから、喫緊の課題だと思いますし。」
「3つ目は分けて管理する(分類管理)ということで、重症者、中症者、軽症者を分けるということですし、入院の判断基準とかいろんな状況を見える化することも非常に重要だということですね。」
「(中々こういったことが進まない現状があるが、)規制の問題とかいろいろあると思いますけど、あるべき姿かもしれませんけども、今こそ一段と危機感を高めてこういった医療体制を構築すべきタイミングですよね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

立教大学ビジネススクールの田中教授の唱える医療崩壊を防ぐ“スピード戦略”について以下にまとめてみました。
・ワーストケース(最悪の事態)に備えるということで、死者を一人でも減らす、医療崩壊を防ぐことが一番重要な政策である
・その“スピード戦略”は以下の通りである
1.同期化
自宅療養者とデジタルでつながる、タイミングを揃える、そして常時接続をする
2.大規模・集中化
大規模な施設、ホテルを借り上げて自宅療養者をいち早く集中管理する
3.分類管理
重症者、中症者、軽症者を分けて管理する
入院の判断基準などいろんな状況を“見える化”する

なお、11月30日(火)付けネットニュース(こちらを参照)では新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」について取り上げていたので以下にその一部をご紹介します。

・新型コロナの新たな変異ウイルスが広がっているのを受けて、政府は、世界のすべての国や地域を対象に30日から、外国人の新規入国を原則停止しました。ウイルスの監視体制も合わせて強化するなど、国内での感染拡大を防止したい考えです。
・南アフリカで確認された新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染が各国に広がっているのを受けて、政府は、世界のすべての国や地域を対象に、30日午前0時から外国人の新規入国を原則停止しました。
・こうした措置の期間は当面、1か月とするとしています。
・政府は、こうした対策に加えて、帰国者の健康状態の確認を徹底することにしているほか、検疫で陽性になったすべての検体のゲノム解析を行うなど「オミクロン株」の監視体制も合わせて強化することで国内での感染拡大を防止したい考えです。
・日本が30日から、世界のすべての国や地域を対象に外国人の新規入国を原則、停止したことについて、日本に最も多くの技能実習生を送り出しているベトナムでは、戸惑いが広がっています。

以上、ネット記事の一部をご紹介してきました。


「オミクロン株」は今までの変異ウイルスに比べて一段と感染力が強くなっているといい、パンデミックへの警戒感が世界的に広がっています。
また、変異ウイルスは今後とも発生すると見込まれます。
こうした状況を踏まえて、プロジェクト管理の観点から「オミクロン株」の感染リスク対応策について、上記の情報も参考にして以下にまとめてみました。
(リスク対応策)
・ワクチンの接種
・外国人の新規入国の原則停止、およびウイルスの監視体制の強化
・日常的な感染防止策(うがい、マスクの着用、3密(密閉・密集・密着)の回避など)
・定期検査(PCR検査など)

(コンティンジェンシープラン)
・治療薬と投与
・田中教授の唱える医療崩壊を防ぐ“スピード戦略”の具体策の策定
・最悪の事態に備えたロックダウンなどの具体策の策定

ということで、新型コロナウイルスの今後の変異株対策として最も重要なのはワクチン接種、および治療薬の投与なのです。
しかし、残念ながらこの両方ともタイムリーに開発され、実際に接種や投与がされることはあまり期待出来ません。
ですから、これらが有効に機能するまでの期間は他のリスク対応策、あるいはコンティンジェンシープランで変異ウイルスに対抗せざるを得ないのです。

 
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