2021年12月03日
アイデアよもやま話 No.5129 10万円相当給付で事務経費1247億円に!
11月26日(金)付けネット記事(こちらを参照)で10万円相当給付の事務経費が1200億円になると報じていたのでその一部をご紹介します。 

18歳以下への10万円相当の給付について、財務省は、現金とクーポンに分けて給付することで、事務的な経費が、現金で一括給付するのに比べて、およそ900億円高い1200億円となることを明らかにしました。

政府が新たな経済対策に盛り込んだ、18歳以下を対象にした一人当たり10万円相当の給付は所得制限を設けたうえで、5万円の現金給付を行ったあと、残りの5万円は来年春の卒業・入学シーズンに向けて、クーポンを基本に給付する方針です。

(11月26日の衆議院予算委員会の)理事懇談会のあと、立憲民主党の後藤祐一氏は記者団に対し「タイミングをずらしてクーポンを給付するのは、来年の参議院選挙に近い時期に行うためだと見ている。来月の臨時国会で厳しくチェックしていく」と述べました。


以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

なお、その後、11月29日(月)付けネット記事(こちらを参照)では以下のように報じています。

29日に行われた立憲民主党の会議に出席した内閣官房の担当者の説明で、クーポン支給をした場合の事務費用は967億円で、クーポン支給を行わず10万円を現金で一括支給した場合の事務費用は、約280億円になることが新たに明らかになった。

コロナ禍の影響で所得減に苦しんでいる世帯は多いと思うので、そうした世帯に対して基準を設けてある程度給付をすること自体は望ましいと思います。
しかし、問題はその給付方法です。
11月29日付けの報道によれば。現金とクーポンに分けて給付することにより、事務的な経費が現金で一括給付するのに比べて約967億円高い1247億円となることです。
もし一括給付であれば約280億円で済んでいるのです。
この差額約967億円があれば、どれだけ他の用途に予算をつけられるかを考えなかったのでしょうか。
しかもその理由について、「タイミングをずらしてクーポンを給付するのは、来年の参議院選挙に近い時期に行うためだ」という見方があるのです。

もし、この指摘が本当だとすれば、とんでもないことです。
まさに“政権ファースト”です。
常識的に考えれば、10万円相当を現金で一括給付するのであれば約280億円で済むのに現金とクーポンに分けて給付することにより967億円ほど高くなるのであれば一括して給付するという判断が妥当です。
今の政権がこうした常識的な判断が出来ないことに日本の将来に対してとても危機感を感じます。

そもそもマイナンバー制度の導入時に国民や企業への給付などへの活用を想定したインフラを構築していれば、今回検討中の給付もほとんど事務的な経費がかからずにタイムリーに実施出来るはずだったのです。
ですから、これまでの政府におけるデジタル化、あるいはDXへの取り組みにおける先見力の無さ、マイナンバーカードの導入の中途半端さは大いに責められるべきです。

このような状態で国がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでもDXのメリットを最大限に発揮出来るとはあまり期待出来ません。
ですので、是非、岸田総理にはDXの推進においては、台湾のように世界的に見ても優れたDXに造詣の深い人材に全権を与えるくらいの覚悟で取り組んでいただきたいと願います。(参照:アイデアよもやま話 No.5029 参考にすべきオードリー・タンさんの基本的な考え方!

今のような状況では、日本は増々世界のDXの流れから取り残され、世界の二流国に転落してしまいます。
ただし、救いなのは日本には沢山の先進的な技術を有する企業があることです。
ですから国のリーダーたる総理大臣のリーダーシップで交響楽団の指揮者のごとく、多くの企業が活動し易い環境を整備し、これからの国のあるべき姿を目指して束ねていけば、“ジャパン・アズ・ナンバーワン”の地位を取り戻すことは可能なのです。

ということで、岸田総理には是非“ジャパン・アズ・ナンバーワン”からの凋落におけるリベンジを果たすべくリーダーシップを発揮していただきたいと思います。

 
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