2021年11月25日
アイデアよもやま話 No.5122 コンビニでの処方薬受け取りにファミマも参入!
8月5日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でコンビニでの処方薬の受け取りサービスについて取り上げていたのでご紹介します。 

コンビニエンスストア(コンビニ)のファミリーマート(ファミマ)に設置されたのは処方箋が必要な薬を24時間受け取れる専用ボックスです。
最短で当日の受け渡しが出来るところが最大の特徴だといいます。

ファミリーマート としまエコミューゼタウン店(東京・豊島区)など都内の8店舗が8月6日に始める処方薬の受け取りサービス「ファミマシー」の実証実験、身分証明書を提示するなど、オペレーターの指示に従っていくと、専用ボックスの扉が開き、受け取れる仕組みです。

ライバルとの違いについて、ファミリーマート 新規事業開発本部のマネージャー、佐藤玲さんは次のようにおっしゃっています。
「最短で即日で受け渡しが出来るのは一つの特徴だと思っています。」

ファミマが提携している薬局はオンライン薬局を運営するベンチャー企業の株式会社ミナカラ(minacolor inc.)です。
ミナカラは処方薬の配送をセイノーホールディングス傘下の運送会社に委託していて、スピードアップを実現したといいます。

利用の仕方は以下の通りです。
まず診察を受けた病院で医師の処方箋をミナカラにファックスしてもらいます。
次にミナカラの行っているオンラインの服薬指導を受けるとファミマの専用ボックスで薬を受け取れる仕組みです。
薬は宅配で受け取ることも出来ますが、コンビニで受け取るメリットについて、佐藤さんは次のようにおっしゃっています。
「ご自分の好きな時に受け取れるという利点があります。」
「もう一つはプライベートというか、同居人の方に病気のことをあまり詳しくお伝えしていないとかがコンビニで受け取れるのは一つの利点だと思っています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

以前にもお伝えしたように、コンビニエンスストアと言えば、その名の示すように便利なお店で、食品から始まって様々な商品を扱うようになり、銀行のATMなどのサービスまで展開してきました。
ですから、今やコンビニは私たちの暮らしに無くてはならない存在になっています。
そのコンビニが更に処方薬の受け取りサービスまで取り扱うというのです。

今回ご紹介したように、ファミマの一部の店舗では処方箋が必要な薬を24時間受け取れる専用ボックスを設置し、8月6日から実証実験が始まったというのです。
しかも最短で当日の受け渡しが出来るといいます。

またこのサービスの展開にあたってファミマが提携しているのはオンライン薬局を運営するベンチャー企業の株式会社ミナカラで、ミナカラは処方薬の配送をセイノーホールディングス傘下の運送会社に委託しているといいます。

さて、ここで気になるのはこのサービスの利用料ですが、病院に行って診察を受け、処方箋を受け取り、病院の最寄りの薬局に行って薬を受け取って帰宅するまでの時間を考えると、それなりの利用料で済めば、とても便利なサービスだと思います。

ちなみに、私の関連事例を以下にご紹介します。
現在、私は実家で一人暮らしの父の介護のため、毎週帰省しています。
そして、以前、父の服用する薬を受け取るためだけに父を連れて通院し、受診していましたが、そのうちコロナ禍の影響もあり、私だけが病院に行き、処方箋を受け取り、そのまま薬局に行って薬を受け取るようになりました。
その後しばらくして、ケアマネージャーから、病院と提携関係にある訪問介護支援センターに薬を注文すれば、毎週1回実家を訪問してくれるマッサージ師が代わりに持参していただけると教えてくれました。
ですから、今では私が事前に電話で訪問介護支援センターに薬を注文するだけで週単位で父は薬を受け取ることが出来るようになっています。

父のケースは訪問介護支援センター経由で薬を受け取ることが出来ますが、今回ご紹介した処方薬も以下のようなプロセスで自宅、あるいは最寄りのコンビニなどで受け取れるサービスが望ましいと思いました。
・電話や専用アプリを介して患者やその家族がが病院に薬を出してくれるように依頼する
・病院は薬の処方箋を作成し、専用アプリを介して提携している薬局にその旨伝える
・薬局は処方箋に基いて処方薬を用意し、その旨患者にアプリを介して連絡する。
・アプリを介して連絡を受けた患者、あるいはその家族は自宅、あるいはコンビニなど、あらかじめ指定しておいた方法で薬を受け取る
・支払いは電子決済を利用する

さて、こうしてまとめてみると、今回ご紹介した専用アプリ「ファミマシー」も現状に合わせた中途半端なシステムと言えます。

これまでDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性について何度となく繰り返しお伝えしてきましたが、DXは従来のプロセスを前提にした改善では中途半端で終わってしまうのです。
DXは過去のしがらみから解放された自由な発想であるべきプロセスをあれこれ考えて、それを大前提で取り組まなければデジタル化の最大の恩恵を受けることは出来ないのです。
ですから、これからの時代はどの業界も“DXを制する企業がビジネスを制する”と認識し、真剣に取り組むことが求められているのです。
また、これまでデジタル化に積極的に取り組んでこなかった企業、あるいは競争力のなかった企業ほどDXは競争力を高める絶好のチャンスとなります。

 
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