2021年11月20日
プロジェクト管理と日常生活 No.720 『2030年には太陽光の発電コストが最安に、しかし、課題も・・・
7月13日(火)付けネット記事(こちらを参照)で2030年には発電コストが最安になる太陽光発電について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

経産省が7月12日の有識者会議で示した試算では、2030年に新たな発電所を作った場合の発電コストが、事業用の太陽光で8円台前半から11円台後半、原子力は11円台後半以上などとなり、最も安いとされてきた原子力を太陽光が下回った。

太陽光パネルの費用が下がる一方で、原子力の安全対策コストが上昇したことなどを受けたものだが、天候による発電量の変動が大きい太陽光で、電力が確保できない場合のバックアップ費用などは含まれていない。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

以前から専門家の中には太陽光など再生可能エネルギー発電コストはどんどん安くなり、一方で福島第一原発事故をきっかけに原発は安全対策コストや核廃棄物の処理コストなどが膨らみ続けるという指摘がなされていました。
また、火力発電の燃料となる石炭や石油、天然ガスの可採年数もせいぜい長くても150年にも満たないと予測されています。(こちらを参照)
そうした中、経産省の有識者会議で示した試算ではいよいよ2030年には事業用の太陽光発電コストが原発コストを下回ることになったのです。

ただ、太陽光発電の普及にあたっては以下のようにいくつかの課題があります。
・発電量が天候や時間に左右され、不安定である
・太陽光パネルは巨大台風などによる暴風で吹き飛ばされ、凶器と化すリスクがある
・メガソーラーは環境破壊をもたらす

こうした課題対応策として、以下のようなアイデアがあります。
・太陽光発電の無料設置サービス利用による戸建て住宅での普及の拡大(参照:アイデアよもやま話 No.5077 転換点を迎える日本の電力事情!
・オフィスビルや工場などの施設でも設置出来る透明な太陽光発電の設置(参照:アイデアよもやま話 No.3949 画期的な透明で曲がる太陽電池!
・発電効率の良い太陽光発電の導入の普及(参照:アイデアよもやま話 No.3949 画期的な透明で曲がる太陽電池!アイデアよもやま話 No.4483 透明な太陽光発電!
・余剰電力を蓄えるバッテリーの導入
・太陽光発電パネルの設置における安全基準の見直し(風速90m程度でも絶えられるようにする)

こうしてまとめてみると、バッテリー価格がまだ高額なので、太陽光発電で発生した電力を安定的に供給するためには更に太陽光発電装置本体の価格を下げ、またバッテリー価格も下げることが求められます。
こうした中、EV(電気自動車)の普及に伴い、搭載するバッテリーを家庭用電源として使用すれば昼間の電力供給量のピークカットは可能です。
それでもそのためにはそれを可能にするための装置が必要になり、その価格も数十万円はします。

このように考えてくると、やはり夢物語のように思われますが、アイデアよもやま話 No.2025 私のイメージする究極の発電装置とは・・・の要件を満たす再生可能エネルギー発電の研究開発が必須なのです。

 
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