2021年11月09日
アイデアよもやま話 No.5108 未だに日本の最低賃金は低い!
日本の最低賃金についてはこれまでアイデアよもやま話 No.4451 日本の最低賃金はOECDで最低水準!などで何度かお伝えしてきました。
そうした中、7月14日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で最低賃金の最新状況について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

厚生労働省の審議会は今年度の最低賃金の目安を全国平均で時給930円に引き上げると決めました。
全国一律で28円の引き上げ幅は過去最大です。
ただ、コロナ禍での賃金上昇を迫られる経営側の反発は根強くて異例の展開となりました。

2日間にわたる激論の末、過去最大の引き上げで決着した最低賃金、経営側は新型コロナウイルスの影響を踏まえ、最後まで“引き上げゼロ”にこだわりましたが、今回決まったのは全国一律の28円の引き上げ、平均で930円となり、現在より3.1%上昇します。
“最低賃金1000円”を掲げる菅政権(当時)、総選挙が迫る中、政府の意向が反映されたかたちです。
筋肉食堂を運営するタンパックの人事担当、中上歩さんは次のようにおっしゃっています。
「最低賃金が上がった分を時給にも反映させてあげないと、不満感があったり、モチベーションが低くなってしまったりというところがあるので、そこは考慮しないといけないところなのかなって、苦しいですけど思っています。」

また、大手飲食チェーン、サイゼリアの堀埜一成社長は次のようにおっしゃっています。
「間違いなく厳しくはなるんですけどね。」
「だから今までの延長でやっていてはダメなんだろうということで、生産性を上げてどうやって給料を上げていくのかということをやらないといけないので、・・・」

求人サイトを運営するリクルートも最低賃金引き上げの影響は大きいと見ています。
リクルート ジョブズリサーチセンターの宇佐川邦子センター長は次のようにおっしゃっています。
「採用する時の賃金を上げるということは既存の従業員の賃金もセットで上げざるを得ないんですよね。」
「賃金を見直していって全体を上げていくというのがありますので、やはり非常に影響があるかなと見ております。」

今回決まった「28円引き上げ」の目安を受け、今後、各都道府県が最低賃金を決め、10月から適用されます。(全国・地域別|都道府県別の最低賃金一覧はこちらを参照)
こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「物価はほとんど横ばいですし、今、打撃を受けている飲食とか宿泊の業界にとっては厳しい。」
「学生のバイトの負担とか上がるから大変だと思うんですよ。」
「秋以降、景気が回復すればある程度は企業は吸収出来るんじゃないかなと思うんですよね。」
「というのは、コロナの前を考えると人手不足だったわけです。」
「で、安倍政権(当時)は2016年から4年間、ずっと今回とほぼ同じ幅の最低賃金を上げてきたんですよね。」
「(今回、「28円引き上げ」が決まった背景について、)菅総理(当時)が1000円という目標を掲げたと。」
「で、それを骨太方方針に書いたと。」
「そこで大枠決まってたので、ちょっとガス抜きの面がたったんじゃないかと思うんですね。」
「ただ、実力プラスアルファの目標を掲げることで、生産性を上げようというメッセージが込められていると思うんです。」
「で、日本の賃金というのは国際的にみると結構安いんですよ。(添付参照)」
「アメリカは日本より低くなっていますが、これは連邦の賃金なので、州ベースでいうと10ドル、1100円ぐらい。」
「そういう意味でいうと、国際的にみると日本は低賃金で働いているということになっちゃうんですよね。」
「(ですから今は歯を食いしばって賃金を上げることが大事、生産性を上げなければということだと思うが、厳しい中小企業には補助金を出してはという話もあるようだが、)企業に補助金を出すのもいいんですけど、本当に重要なのは働く人、個人のスキルをもっと上げるということが大事だと思うんです。」
「デジタルのリカレント教育とか、そういったことを進めるのが国の役割ではないでしょうか。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。
番組を通して、政府、企業の観点から取り組むべき最低賃金引上げ策について私の思うところを以下にまとめてみました。
(政府)
・国の重点政策に則った事業関連企業が活動し易い環境の整備
・新しい経済環境に沿った新規事業分野に取り組むベンチャー企業への支援
・人手不足対策として、海外の優秀な人材を活用し易くするなどの制度的な整備
・DX(参照:アイデアよもやま話 No.4825 世界電子政府ランキングに見える日本政府のDX化の遅れ!)関連の人材育成を促進する取り組み(学校教育などでの導入)
・なぜ日本の最低賃金は他の先進国に比べて相対的に低いのかについて徹底検証し、経済政策に反映

(企業)
・新規事業への積極的な取り組み
・DXなどによる生産性の向上
・内部留保の活用
内部留保を新規事業用資金として活用
内部留保の取り崩しによる給与アップ

以上、まとめてみましたが、経済は需要のあるところで成長してくのです。
ですから、消費が最も多いとされる中間層の購買力を増やすことが最も重要とされています。
また格差社会の改善も世界的な課題として上がっています。
こうした課題の解決策の一つとして最低賃金を世界のトップレベルに引き上げることはとても重要なのです。

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