2021年10月27日
アイデアよもやま話 No.5097 食べ物で作る未来の建築資材!
前回は世界中が注目する”丸い家”(ドームハウス)についてご紹介しました。
そうした中、7月1日(木)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で食べ物で作る未来の建築資材について取り上げていたのでご紹介します。

5月に発売されたばかりの新素材を開発した東京大学生産技術研究所(東京・目黒区)を番組が訪ねました。
酒井雄也准教授は次のようにおっしゃっています。
「こちらに今、約10種類の素材があります。」

黄色や白、紫まで、この新素材は沢山の種類があります。
この未来の建築資材、その強度について実験しました。
用意したのは新素材の厚さ4ミリの板と同じ厚さのコンクリートです。
曲げの強度を測る機械で中心に力を加えると、コンクリートはわずか1秒で真っ二つに、一方食べ物から作った新素材は36秒でやっと割れました。
この新素材の曲げの強度はコンクリートの4倍といいます。
酒井准教授は次のようにおっしゃっています。
「開発した素材は建築材料として使えるのに十分な曲げの強度があります。」
「素材は全て野菜や果物の皮や芯など、廃棄食材からできています。」

白菜や玉ねぎ、キャベツ、マンゴーなど、現在20種類が開発されています。
なお、この新素材の作り方は以下の通りです。
原料の廃棄食材を1日かけて真空乾燥機でフリーズドライの状態にする
乾燥した食材を粉末にして型枠に入れる
約3分間熱を加えながら圧縮する

たったこれだけでコンクリートよりも曲げの強度が強い新素材が出来るのです。
酒井准教授は次のようにおっしゃっています。
「私、元々コンクリートの研究者で、コンクリートのリサイクルの研究をしていたんですけど、・・・」

建物の解体後、そのほとんどが現在新しいコンクリートとしてのリサイクルがされていないといいます。
そこで新たな建築資材を探していたところ、出会ったのが廃棄食材でした。
これなら使用した後に土に還すことが出来ると考えたのです。

ただ、この新素材には弱点もあります。
水を吸うと柔らかくなってしまうのです。
そのため、雨などに耐えられるように耐水性を上げる研究が進められているのですが、弱点を逆手に取った使い方もあるのです。
白菜の板を食べてみると、白菜の味がします。
ではどのような状況でこうした建築資材を食べるのでしょうか。
共同研究員の町田紘太さんは次のようにおっしゃっています。
「避難所だとミネラルやビタミンが不足しがちと報告されている事例があって、いざという時に食べるという面では役に立つ可能性があるのかな。」

避難物資が届かない時などにこの新素材で野菜や果物の栄養素が補給出来ることから避難所の建築資材としての活用も目指しています。
そして、二人の最終的な目標について、町田さんは次のようにおっしゃっています。
「建てて、その後食べられて、みたいな。」

また酒井准教授は次のようにおっしゃっています。
「ヘンゼルとグレーテルの“お菓子の家”みたいなものが作れたらいいなと思っています。」

なお、伊予柑(いよかん)から作られた新素材は柑橘系の匂いがします。
今はまだ耐久性がないので、まずは捨てても土に還る、使い捨てのお皿などから開発を進めたいということです。
そして、研究を進めて最終的には建物全てをこの素材で作り上げたいと話していました。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

今回ご紹介した食べ物から作った新素材について以下にまとめてみました。
・素材は全て野菜や果物の皮や芯など、廃棄食材からできている
・曲げの強度はコンクリートの4倍といい、建築材料として使用出来る
・ただし、この新素材には水を吸うと柔らかくなってしまうという弱点がある
・今はまだ耐久性がないので、まずは捨てても土に還る、使い捨てのお皿などから開発を進めたいという
・そのため、雨などに耐えられるように耐水性を上げる研究が進められている
・一方で、この新素材は食べることが出来るので、避難所の建築資材としての活用も目指している
・この新素材の発明者の最終的な目標は、建てて、その後食べられる“お菓子の家”という

なお、建物の解体後、そのほとんどが現在新しいコンクリートとしてのリサイクルがされていないといいます。
そうした中、この新素材の曲げの強度はコンクリートの4倍といい、建築材料として使用出来るというのです。
しかも、食べることも出来るというのですから、とても素晴らしい、まさに夢の素材と言えます。

しかし、本格的な実用化に向けては、水に弱いとか耐久性に問題があるといいます。
そもそも野菜や果物の皮や芯などの廃棄食材を新鮮なままでどのように大量に調達するかという大きな課題があります。

ということで、この新素材を発明された酒井准教授と共同研究員の町田さんには是非こうした問題や課題を解決して、本格的な普及に向けて取り組んでいただきたいと思います。
また、こうした素晴らしい研究には国も積極的に開発補助金を投入していいただきたいと思います。

なお、機会があれば、是非一度この素材で作られた“お菓子”を試食してみたいと思います。

 
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