2021年10月18日
アイデアよもやま話 No.5089 変化に強いドン・キホーテのヒミツ!
5月21日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でドン・キホーテのヒミツについて取り上げていたのでご紹介します。 

ドン・キホーテが東京駅の地下街に新業態の店舗を出しましたが、その強さについて、解説キャスターで日経ビジネスの編集委員、山川龍雄さんは次のようにおっしゃっています。
「私は小売業界の取材を30年ぐらい続けているんですけど、その中でも最も危機対応力に優れているのがドン・キホーテだと思っているんですよ。」
「まず数字を見ていただきたいんですけども、営業損益ベースでみると、ドン・キホーテは31期連続増益、今期も増益を見込んでいるということで(予想:800億円)、考えてみて下さい。」
「ドン・キホーテって繁華街にお店を沢山構えていて、外国人のお客さんにも人気があるわけだから、今、一番打撃を受けててもおかしくないじゃないですか。」
「(なのになぜここまで好調なのかについて、)店頭陳列とかポップがいっぱい書き込まれてとかよく言うんだけども、あれは強さの秘密の一面でしかなくて、それを支えている人材マネジメントがあるんですよ。」
「新入社員に近い人でも現場の売り場担当者になったら、自分で何を仕入れて、どんな価格で売って、どんな演出をしていいか、全部任されている。」
「(つまり権限を委譲するということではという指摘に対して、)徹底して実力主義に貫かれているので、だからこそあれだけ面倒くさい店頭陳列、演出をやるわけですよ、みんながね。」
「で、そこが中々他社が分かっていても追いつけないところで、是非時間があったらドン・キホーテの企業研究をやられると参考になると思います。」
「(組織マネジメント、それが任せる勇気ということなのかという問いに対して、)そういうことです。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

先日、あるところまで出かけた時に、ちょっと時間に余裕があり、たまたま近くにドン・キホーテの店舗を見かけたので店内をざっと歩いて回りました。
こちらの店舗の通路は大人一人がやっと通れるくらいの幅で、子どもの頃、縁日の雑踏の中を歩いて回っていたのと同じような感覚を実感しました。
いろいろな種類の商品が所狭しと陳列されているので何となくワクワク感があるのです。
ですから、他のスーパーなどに置いていない商品もあり、しかも値段も比較的安いので特定の商品のまとめ買いをするために自宅から最も近い店舗にたまに出かけています。

ということで、ドン・キホーテについて、私の感じるところを以下にまとめてみました。
・沢山の品揃えで、しかも比較的低価格である
・店内を歩いていると何となくワクワク感がある

そして、このワクワク感は、山川さんの指摘されているように、各店舗ごとの陳列方法や価格設定が現場の売り場担当者に任されていることと更にドン・キホーテの本部の基本的な方針が背景にあると思われます。
しかも、徹底した実力主義を導入しているので、売り上げが伸び悩んでいる店舗では売り場担当者が代えられるという厳しさがあることは容易に想像出来ます。
また山川さんの指摘されているように、他社が容易には真似出来ない優れた人材マネジメント、あるいは組織マネジメントも無視出来ません。
こうした厳しさがあってこそ、31期連続増益が成し遂げられているわけです。

さて、ここで思い出されるのは同じ人気店の西松屋との比較です。(参照:アイデアよもやま話 No.2013 ガラガラ店舗でも大人気の西松屋のヒミツ!
ドン・キホーテの店内の通路は非常に狭いのですが、その分沢山の種類の商品が陳列されています。
一方、西松屋は0〜6歳の子供服が主力の衣料品チェーンで、カートが3台すれ違ってもいいほど通路の幅が広いのです。
こうしたことから、両店舗がどのような客層をターゲットにしているか分かります。
それぞれターゲットとする客層に応じたサービスを展開して知恵を絞っているからこそ、人気を維持しているのです。

 
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