2021年10月14日
アイデアよもやま話 No.5086 リモート会議に便利なポケトークの追加機能!
6月15月日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でリモート会議に便利なポケトークの追加機能について取り上げていたのでご紹介します。 

新型コロナウイルスの感染拡大で旅行客が減少したことから売り上げが大きく落ち込んでいますが、6月15月、AI、人工知能によって言葉を自動で翻訳する「POCKETALK(ポケトーク)」(参照:アイデアよもやま話 No.3908 50以上の言語を翻訳出来る翻訳機の登場!)を手掛けるソースネクスト株式会社がこれまでとは違う使い方が出来る新たな機能を発表しました。

8月から追加する新たな機能「ポケトーク字幕」はオンラインのリモート会議で使うことを想定、パソコンに専用のソフトをインストールすれば、ポケトークとリモート会議システムが連動します。
ポケトークを通じて話すと会話の内容をすぐに翻訳してパソコンの画面に字幕で表示、82の言語に対応します。
ですから、通訳を通さずにこのシステムで会話が出来るとなると、直接会話が出来ている感覚に近いといいます。

新型コロナウイルスの影響で海外旅行などに行けなくなったことから2020年度のポケトークの売り上げは74.6%減少、リモート会議の拡大に目を付け、この機能を開発しました。
ソースネクストの松田憲幸会長は次のようにおっしゃっています。
「(コロナ禍の影響で業態転換は考えなかったのかという問いに対して、)ポケトークはまだまだ始まったばかりだと思っています。」
「コロナ禍がずっと続いて、今の機能のままだと厳しいなと思っておりました。」
「字幕機能があると新たな活用法が広がりますので、全く違ったかたちの展開になるんではないかなと。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

そもそも「ポケトーク」は東京オリンピック・パラリンピックの開催のタイミングに合わせてインバウンド(訪日客)による利用を当て込んでいたのです。
ところが、コロナ禍の影響でこの見込みが外れてしまったため、苦肉の策としてリモート会議の拡大に目を付け、新たな機能「ポケトーク字幕」の開発に乗り出したというわけです。

この機能を使えば、同時通訳者を介さず、「ポケトーク」の同時通訳機能を使って複数の国々の人たちとの会議をスムーズに行うことが出来ます。
また今後更にグローバル化が進めば、より多くの国々の人たちとのコミュニケーションが必要になります。
また、当初の目論見は外れてしまいましたが、コロナ禍が世界的に終息すれば世界的な旅行の大ブームが起こり、大幅な売り上げ増が見込まれます。
なお、「ポケトーク」には発音練習という学習機能もあります。
発音の正誤判定のほか、発音の違った単語を赤字で表示してくれるのです。
ですから、「ポケトーク」への引き合いは今後とも日常生活においてもビジネスにおいても増えることは間違いなさそうです。
ちなみに、「ポケトーク」の出荷台数は80万台を突破し、翻訳機のなかでは約97%のシェア率を誇るといいます。(昨年11月現在)
ということで、ソースネクストの公式ページにもあるように、「言葉の壁をなくす」の実現に向けて、ポケトークの大進化はまだまだ続きそうです。

ただし、課題もあります。
それは従来の「ポケトーク」に「ポケトーク字幕」の機能を追加することです。
従来の「ポケトーク」はお互いに相手が話し終わった後に翻訳結果をテキストと音声で伝えてくれますが、その分会話の時間がかかってしまいます。
なので、従来の「ポケトーク」本体に「ポケトーク字幕」の機能が追加されれば、あたかも同時通訳を介するのと同様にリアルタイムで会話とほぼ並行して字幕表示されるのでストレスなく会話が進められるのです。
更に、こうした音声関連技術を活用した新製品AI筆談機「タブレットmimi(ミミ)」やボイスレコーダー「AutoMemo(オートメモ)」も市販化されています。(詳細はこちらを参照)

いずれにしても「ポケトーク」関連の技術は今後ともどんどん進化していくので、いずれ通訳や翻訳者を介さなくても、また健常者に限らず、視覚や聴覚に障害のある人たちも含め、世界中の多くの人たちとのコミュニケーションが自由に、しかも容易に出来る大きな可能性を秘めています。

 
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