2021年09月28日
アイデアよもやま話 No.5072 冷凍ご飯を”炊きたて”にする枡!
6月2日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で冷凍ご飯を”炊きたて”にする枡(マス)について取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。

冷凍ご飯を”炊きたて”のようにする枡ですが、使い方はまず本体とふたを湿らせて軽く拭きます。
そこに炊いたご飯を入れてすぐに冷凍、後は食べたい時に枡のまま電子レンジに入れて温めるだけです。

そこでラップに包んで冷凍したご飯と枡で冷凍したご飯を同じ時間温めて食べ比べてみました。
まずはラップに包んだご飯ですが、普通に美味しいです。
続いて枡のご飯を食べてみると、お米一つひとつが粒立っており、全然違います。
その秘密は、ご飯が常に水分を含んだ状態で保たれているからなのです。

枡に使われているヒノキ(檜)は炊いたご飯から出た蒸気を吸湿、時間が経つとご飯に水分を放湿します。
そしてご飯を温めると余分な蒸気が枡から逃げ出す構造になっているためまるで炊き立てご飯のように戻るというのです。

この枡を作ったのは岐阜県にある創業70年の枡のメーカー、有限会社大橋量器です。
大橋博行社長は次のようにおっしゃっています。
「記念行事もない、結婚式もないとなると、我々の枡が求められなくなって、売り上げとしてはかなり厳しい状況が続いてたんです。」

売り上げはコロナ前に比べて最大75%減少しました。
そこで起死回生を狙った新たな一手として開発したといいます。
大橋博行社長は次のようにおっしゃっています。
「(コロナ禍で)家の中で過ごす食卓時間、そこに我々の枡が幸せを与えられるんじゃないかと。」

今年10月頃、オンラインショップを中心に販売する計画です。
なお、商品名は「COBITSU」で価格は4500円前後といいます。

取材に当たったフィールドキャスターはこの枡で食べたご飯について、これまでと全然違い、ヒノキの香りがお米を上品に演出してくれたと言います。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通してまず感じたことは、新型コロナウイルスの感染拡大で特に人との接触に係わる多くの業種が多大な被害を被っている状態が長く続いているということです。
こうした状況において、売り上げ減を少しでも食い止めようと個々の企業は知恵を絞っているのです。
その対象は大別すると以下の2つです。
・コロナ禍でも需要が期待出来る、自社の技術など強みを活かした新たな商品やサービスの展開
・生産性の向上(業務プロセスの見直しなど)

大橋量器はまさに起死回生を狙った新たな一手として新商品「COBITSU」を開発したのです。
ちなみに、私も是非「COBITSU」を試したくなって、ちょっと値段が高いとは思いましたが1ヵ月ほど前に予約注文しました。
ところが、とても人気があるようで生産が追い付かず、我が家に商品が届くのは11月になってしまうということです。

ということで、コロナ禍を逆手に取って積極的に“ピンチをチャンスに変える”意気込みで立ち向かえば道は自ずと開けることを大橋量器の事例は示してくれているのです。

 
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