2021年09月13日
アイデアよもやま話 No.5059 イギリスで進む”飲むコロナ治療薬”!
以前、アイデアよもやま話 No.4959 ”飲むワクチン”が年内にも!?で飲むワクチンについてご紹介しました。
そうした中、5月10日(月)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で”飲むコロナ治療薬”について取り上げていたのでご紹介します。

感染拡大を防ぐため、イギリスでは新たな動きがあります。
4月20日、ジョンソン首相は会見の場で次のようにおっしゃっています。
「政府は「抗ウイルス薬タスクフォース」を設立しました。」
「最も有望な新薬を研究し、開発・治験を支援するためです。」

イギリス政府は新型コロナに効く新薬を開発するための特別チームを設立、早ければ今年の秋にも実用化することを目指すといいます。
この新薬、想定されているのは錠剤、あるいはカプセル型のもの、つまり飲み薬です。
年内に少なくとも2種類は開発したいとしています。
この飲み薬にどんな効き目が期待されるのか、イギリスで抗ウイルス薬の研究・開発に取り組むグラスゴー大学のケビン・ブライス教授は次のようにおっしゃっています。
「“飲む治療薬”に効果があれば、人ひとりが保有するウイルス量が減ります。」
「この薬のもう一つの可能性としては、感染しても感染の期間が短くなる。」
「つまり、他人に移す可能性が低くなるということです。」
「体内でのウイルスの増殖を抑えこめるため、重症化を防ぎ、他人に移す可能性を低く出来るようになるかもしれない。」
「(また既存の治療薬との大きな違いは、処方され、家庭で飲めるということで、)患者が家にいながら回復することが出来れば、大きな前進になります。」
「病院のひっ迫を防ぐことが出来るからです。」
「病院やICUがひっ迫しないように、自宅で新型コロナの感染を止めることが出来るか、これが重要です。」
「人々は普段から錠剤を飲むことに慣れているので、“家で飲むことが出来る治療薬“というアイデアに非常に興奮しています。」
「“家で飲める治療薬”が普及すれば、医療崩壊を防ぐことにもつながる。」

今、ご紹介しました、イギリスで開発が進められているのが、入院や集中治療の必要ない感染の初期であったり、軽症の患者さんを対象に自宅で服用出来る“飲むコロナ治療薬”です。
で、イギリスの他にもアメリカのファイザー社も開発中だということです。
今年の3月には初期段階の治験が始まっていて、ファイザー社は年内にも供給出来る可能性があるという見通しを示しています。

軽症の内にコロナを封じ込めることにもなりますし、病院のベッドが空く、うまらないということで、医療崩壊も防げますので治療薬の開発に期待が高まります。
番組コメンテーターでファーサイト元編集長の堤伸輔さんは次のようにおっしゃっています。
「自宅で飲めるということで、病院に行かなくても済むし、病院側も病床のひっ迫を抑えられる、この開発は本当に望まれるところで、今はファイザーが先行していますけども、イギリスはとても意欲的でこの秋までに2種類も作るというような目標を掲げています。」
「勿論、それがうまくいくかどうかはこれからの話ですけども、本来ウイルスに効く薬というのはウイルスが変異するためにこれまで開発が非常に難しかったんですけれども、HIVなどの抗ウイルス薬が出来ることによって、開発の手法もかなり高まっています。」
「その意味では期待が出来るんじゃないかと思います。」
「特にイギリスの場合、この薬が出来るとしてもこれまでのようにワクチンによって予防する、それからPCR検査を徹底的に重ねることは継続して、そちらの方でも実態を把握していくという3本柱をきちんと継続してウイルス対策、感染予防も対策にしていくということで、これは日本も見習うべきだと思います。」
「タスクフォースも今回立ち上げるんですが、ワクチンのタスクフォースの時は民間から女性をトップに起用して、それがとてもうまくいったとも言われています。」
「こういう柔軟なやり方もまた日本は見習った方がいいのではないでしょうか。」

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、以下に要約してみました。
・イギリス政府は新型コロナに効く新薬を開発するための特別チームを設立、早ければ今年の秋にも実用化を目指すという。
・この新薬は“飲むコロナ治療薬”を想定しており、年内に少なくとも2種類は開発したいとしている
・この飲み薬は入院や集中治療の必要ない、感染の初期であったり、軽症の患者を想定している
・この飲み薬の期待効果は以下のとおりである  
体内でのウイルスの増殖を抑えこめるため、重症化を防げる
感染しても感染の期間が短くなり、他人に移す可能性が低くなる
家庭で飲めるので、患者が家にいながら回復することが出来る可能性がある
病院やICUのひっ迫を防げるので、医療崩壊を防ぐことにもつながる
・イギリスの他にもアメリカのファイザー社も開発中で、今年の3月には初期段階の治験が始まっており、年内にも供給出来る可能性があるという
・イギリスでは、この薬が出来るとしてもこれまでのようにワクチンによる予防、PCR検査の徹底による実態の把握という3本柱をきちんと継続してウイルス対策、感染予防も対策にしていくということで、日本も見習うべきである

以上、番組の内容の要約でした。

冒頭でお伝えした飲むワクチンも今回ご紹介した飲む治療薬と同様にイギリスで開発されていますが、なぜイギリスでこのような革新的なワクチンや治療薬の開発が進められているのか、とても興味が湧いてきます。
それはともかく、この飲むワクチンも飲む治療薬も常温なので輸送や保管の手間がかからず、医師などの手を煩わさずに誰でも気軽に飲めます。
更に、薬のコストも従来型に比べて低く抑えることが出来ると期待出来ます。
ですから、世界中、どこへでも輸送し易くなり、従って途上国でもワクチンや治療薬を調達し易くなります。
ということで、この飲むワクチンと飲む治療薬は世界的な新型コロナウイルス感染の終息に向けて起爆剤になり得ると大いに期待出来そうです。

 
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