2021年09月08日
アイデアよもやま話 No.5055 常温、常温でも120日間保存出来る豆腐!
5月7日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で常温でも120日間保存出来る豆腐について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

四国化工機株式会社(徳島県阿南市)の植田滋社長は次のようにおっしゃっています。
「この豆腐は常温、つまり冷蔵庫無しでも120日間保存が効く豆腐です。」

この豆腐、大豆の香りも強めでほのかに甘みもあるといいます。
ではなぜ常温で120間保存出来るのか,工場内の機械に独自の技術が隠されています。
まず無菌空間の中で紙パックを成型し、そこに豆腐の材料となる豆乳とにがりを流し込みます。
そして密閉し、熱処理を加えることで、豆腐は無菌状態になり、常温でも菌が繁殖しないといいます。
実は以前まで豆腐の常温での流通は法律で禁止されていました。
変わるきっかけになったのは東日本大震災です。
植田社長は次のようにおっしゃっています。
「良質のタンパク質を被災地に届けるということで現地から要請があって、この豆腐を届けました。」
「そうしたら大変喜ばれたと。」

非常食として豆腐のニーズに気づいた植田社長は他の豆腐メーカーと法律を変えるべく、国に働きかけ、3年前に法律が変わったのです。
この豆腐の商品名は「ずっとおいしい豆腐」で、希望小売価格は171円です。
常温で長持ちする特徴を生かし、海外での販売を視野に入れています。
植田社長は次のようにおっしゃっています。
「海外の輸出が増えることで、(売り上げを)倍以上に3年くらいでやりたいなと思っています。」

ちなみに冷蔵の豆腐もあり、こちらは保存期間が240日間といいます。
やはり高齢者でしたり、足腰の悪い方など買い物に行けない方にはいいかもしれません。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

スーパーやコンビニに買い物に出かけると、賞味期限が1日、あるいは2日といったようにとても短い食品が結構あります。
このような食品はこうした期限が過ぎれば廃棄処分となってしまいます。
すると今度はその処分にエネルギーが使われてO2が排出され、地球温暖化の原因の一つとなります。
ですから、スーパーやコンビニなどでは売れ残りを出来るだけ防ぐために販売予想をもとにより的確な入荷計画をしているわけですが、それでもやはり特に賞味期限が短い食品についてはどうしても売れ残りが出てしまいます。

そうした中、より多くの食品の賞味期限が長くなれば、その分売れ残りが少なくなり、従って廃棄処分の量も少なくなります。
今回ご紹介した“常温でも120日間保存出来る豆腐”はこうした売れ残り対策としてとても有効です。
更に常温でも120日間保存出来れば、従来に比べれば十分に長い賞味期限があるので、海外輸出の対象になり得るので売り上げ増、そして人々の健康増進に貢献出来ます。

ということで、これまでも食品のや賞味期限を長くするアイデアについてお伝えしてきましたが、より多くの食品について同様のアイデアで従来の常識を突破していただきたいと思います。
そうした成果として、売れ残りの減少、販路の拡大による利益増、あるいは健康増進、更にはCO2排出量の削減につなげることが出来るのです。

 
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