2021年08月30日
アイデアよもやま話 No.5047 ウミウシで人類の役に立つかもしれない大発見!
3月14日(日)放送の「日曜スクープ」(BS朝日)でウミウシで人類の役に立つかもしれない大発見について取り上げていたのでご紹介します。

頭部を切り離し、胴体を再生するウミウシを日本の大学院生が発見しました。
ウミウシの一種、ユノハミドリガイは自ら頭部と胴体を切り離しました。
心臓や胃などの重要な器官がないため、数時間後には死んでしまうのではと思いきや、3日経ったにもかかわらず頭だけでまだ動いています。
すると1週間後、体が再生されてなんと心臓が出来ました。
そして10日後には胴体の7割近くが再生、17日後に体全体が再生されて、以前の姿に戻りました。

この失った体を再生出来る生物というのはヒトデなどがいるんですけども、複雑な構造を持つウミウシに対して再生能力が発見されたことは興味深く、人類の役に立つかもしれないというような期待を示しています。
この研究の中心を担った奈良女子大学・大学院の三藤清香さんはその可能性について次のようにおっしゃっています。
「いろんな臓器が頭の先から再生したということで、恐らく幹細胞(様々な細胞を分化する能力)をウミウシが持ち併せていると思います。」
「再生が起こっている状態のウミウシでどんな遺伝子を発現しているのかとかを調べることで、将来的には人間の再生医療にも応用出来るのではないかと考えています。」

ということで、今後の研究にも期待がかかります。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、ウミウシの一種、ユノハミドリガイについて以下のように3つの疑問が湧いてきました。
・そもそも心臓や胃などの重要な器官を持つユノハミドリガイがなぜ自ら頭部と胴体を切り離したのか
・なぜその後17日ほどで体全体が再生されて、以前の姿に戻ることが出来たのか
・ウミウシの他の種もユノハミドリガイと同様の状況が起こり得るのか

こうした一連の疑問が解かれれば、三藤さんもおっしゃっているように将来的には人間の再生医療にも応用出来る可能性が出てくると期待出来ます。

ということで、ユノハミドリガイの再生は人類のための医療技術にこれまでにないようなとんでもない革命をもたらすかもしれません。
是非、三藤さんには今後もこの研究を続けていただきたいと思います。

一方で、同時にこうした生物の研究やiPS細胞のような再生医療の研究は、これまで生物には寿命があるのが当然であるとした常識が翻される可能性を秘めています。
ですから、人類はこうした言わば“神の領域”に踏み込んで研究を進めていいのかというとても大きな疑問も湧いてきます。

 
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