2021年08月23日
アイデアよもやま話 No.5041 国の医療計画に見るあまりにスローな取り組み!
4月26日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)であまりにスローな医療計画について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「(コロナに関してはスピード感を持って決めなければならないことが沢山ありますが、それが中々というのが日本の課題という気がしますが、)休業要請とか病床の確保とか、いずれもずっと問題になっている。」
「で、これに対して政府の説明は、例えば日本は私権の制限が出来ないとか、今の法律では出来ないとか、そういう声があるわけですね。」
「ワクチンの接種にしても、例えば医療従事者が足りないと歯科医にやってもらいましょうという話はずいぶん前に出てたんです。」
「それがようやく出てきたということで、私はこの辺がちょっとおかしいなと思っています。」
「(非常時の対応が中々出来ていないように感じるが、)おっしゃる通りで、国民はみんな、飲食店とかイベントも含めて止まってしまって、緊急だって言われてるんですが、政策を考えている人たちはどうも平時の意識のままであると。」
「勿論、保健所だとか病院の現場にいらっしゃる方は緊急の大変厳しい状況なんですけども、それと政策を考えているところとの温度差があまりにも大きいんじゃないかと。」
「ちょっと具体例をここに示したんですが、病床不足を解決するための対策ということで、地域の医療計画をどう作るかということなんですけれども、去年の12月に厚生労働省はこういう検討委員会の報告を出しているんです。」
「そこで書いてあるのは、今も進行感染症、これはコロナのことですけど、2024年度からその計画を入れましょうということです。」
「その検討を、今2021年ですよね。」
「来年度(2022年度)中をめどに地域の議論が進められていることが重要であると。」
「これは、予備校の先生じゃないけれど、今すぐやるべきこと、“今でしょ”っていうことだと私は思うんです。」
「(しかも今、緊急事態宣言がまた出て、それに大慌てで対応を強いられる方も沢山いる中なので、もっと出来るのではないかという指摘に対して、)例えば緊急事態に対する法改正をきちんとやるとか、あるいは今まさに控えているのは、先ほどもありましたけど、大規模なワクチン接種をする、東京で例えば1日1万人ということですけど、これ100万人分をやるのに100日かかるわけですよ。」
「その体制をちゃんと作る、そういうやることは沢山あるんですね。」
「是非やって欲しい。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

ここで思い出されるのは、やはり渋沢栄一の一連の行動(参照:No.4944 ちょっと一休み その772 『渋沢栄一はSDGsを先取りしていた!?』)、あるいは立花隆さんの問題提起(参照:No.5022 ちょっと一休み その785 『立花隆さんによる今も未解決の問題提起!』)です。

要するに今の政府、あるいは官僚には、自分たちが国に対して果たすべき役割は何かということよりもこれまでの仕事のやり方を踏襲するという意識が強いということです。
こうした弊害が、今回ご紹介したような、タイムリーな対応とは全くかけ離れた、2024年度から地域の医療計画を入れるということ、あるいは有効性の期待出来ないような、今回の緊急事態宣言中のこれまでと同様の対応策につながっているのです。
プロジェクト管理と日常生活 No.706 『コロナで感じる政府の驚くべき対応』でもお伝えしたように、その根本原因は新型コロナウイルスの感染拡大の現状は国家の非常事態であるという認識が欠けていることです。
原田さんも指摘されているように、政府は今、国がすべきコロナ対策は何かを明確にし、そのために必要とあらば、“法改正も辞さず”といった覚悟を持ってコロナ禍に取り組んでいただきたいと思います。
菅政権への支持率が過去最低を記録しているといいますが、その背景には後手後手で適切な対応が出来ていない政府への国民の評価が反映されていると思います。

ということで、菅総理には是非過去のやり方や現行の法制に囚われずに、必要とあらば法改正も辞さない覚悟を持ってコロナ禍の収束に向けて取り組んでいただきたいと思います。

 
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