2021年08月10日
アイデアよもやま話 No.5031 企業の行動を変える”アクティビズム”!
4月16日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で企業の行動を変える”アクティビズム”について取り上げていたのでご紹介します。 

立教大学ビジネススクール教授の田中道昭さんは次のようにおっしゃっています。
「いろんなニュースがありましたけど、世界の新たな潮流が一つ見えてきた気がしてて、今日、僕は”アクティビズム”という言葉を提示したいと思うんですけど。」
「主に3つの概念がありまして、まずは“株主アクティビズム”、これはやっぱり東芝の事件ですよね。」
「これは“もの言う株主”ということで。」
「実はこの言葉は必ずしもネガティブな言葉ではなくて、どちらかというと何かを通じて社会を変革していこうという考え方で、2つ目の“ESGアクティビズム”というのはESG(参照:アイデアよもやま話 No.4559 産業界で進む価値基準の転換!)を通じて世界をもっと良くしていこうという動きですし、そういう意味では今回のウイグルル問題もそうですよね。」
「それから“消費アクティビズム”というのは消費を通じて買う(バイ)、ボイコット(不買)ということで、アメリカで拡大している動きで、どちらかとうと一過性の動きというよりは本質的で普遍的な価値観の変化が起きているということで、何かを通じて社会を変革していく動き、こういうものに日本企業ももう少し目を向けて先行して対応していきたいとこですよね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、アクティビズム(activism 積極行動主義)とは、行動主義のひとつであり、社会的・政治的変化をもたらすために特定の思想に基づいて意図的な行動をすることと定義されています。(ウィキペディアより)

そして、番組では企業の行動を変える”アクティビズム”として以下の3つを挙げています。
・株主
  “もの言う株主”や株主代表訴訟など
・ESG
  環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉で、この三つの観点から企業を分析して投資する「ESG投資」が注目されている
・消費
  ボイコット(不買)運動など

こうした3つの”アクティビズム”が企業の行動を変えさせる有効な方法としてアメリカで拡大しているというのです。
こうしてみると、やはり民主主義を代表するアメリカにはダイナミズムを感じます。

さて、ここで思いついたことがあります。
それは、中国や北朝鮮などの独裁国家においては、あくまでも“まず独裁政権ありき”で、憲法も法律も煎じ詰めれば独裁政権を存続させることを目的に作られており、従って国民は自由にものが言えず、行動も非常に制限されます。
ですから、国民が国にとって有益と思えるような発言をしたり、行動に移しても独裁政権にとって不利益であると判断されれば、いろいろと一方的な理由により罰せられてしまいます。

一方、民主主義国家においては、何事も議論の末に実施されることになるので、コロナ禍対応においても見られるようにまどろっこしいという欠点があります。
しかし、他人の人権侵害など民主主義国家に即した法に触れるような発言や行動を除けば、自由闊達に自分の思うように発言したり、行動したりすることが出来ます。

今回ご紹介した”アクティビズム”という観点からのみならず、より多くの人たちのアイデアや行動が反映されたかたちで社会は回り、変化し得るのです。
ですから、歴史上のある限られた期間で見れば、独裁国家の方がうまく機能していることはありますが、長期的な観点で比較すれば、自由を重んじ、主権在民の民主主義国家の方が独裁国家よりも全体としてうまく機能すると思うのです。

 
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