2021年07月24日
プロジェクト管理と日常生活 No.703 『地球温暖化により海面が最悪40〜70m上昇する!?』
6月21日(月)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で2035年には北極の氷が全て溶けてしまう可能性について取り上げていたのでご紹介します。

ドイツの大型探査船「ポーラー・シュテルン」は温暖化が北極圏に及ぼす影響について1年余りをかけて調査し、その結果が6月に発表されました。
それによると、ホッキョクグマの生息域が急速に狭くなっていることが分かったのです。
大西洋から暖かい海流が流れ込み、氷が溶ける速度が速まってうることが原因の一つといいます。
約20ヵ国の研究者が参加した、この本格的な調査、2035年の夏には北極の氷の全てが溶けてしまう恐れがあるとも予測しています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

また、昨年9月8日付けネット記事(こちらを参照)でも同様のテーマについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。
なお、日付は全て記事投稿時のものです。
・北極の氷の減少は気候の年間変動と、人間の活動が原因で起こる大気中の二酸化炭素濃度の増加による温暖化が関係しています。
・世界中で熱波や森林火災が猛威を振るう中、北極の気温は今夏もさらに上昇し、海氷域も縮小を続けています。7月には1981年から2020年の海氷域の平均を27%下回るほど縮小しています。このまま気温が上がり、氷が溶け続ければ、今年の9月にはさらに最小記録を更新する可能性があります。
・ホッキョクグマは海氷を生活の場とし、狩りや繁殖、移動を行います。海氷が溶けることで、狩りができなくなり、食べ物の調達に苦しむことになるでしょう。しかし、苦しんでいるのはホッキョクグマだけではありません。
・海氷は地球の温度にも大きく影響しています。太陽の光を反射する明るい表面は、大きな鏡の役割を果たしています。この地域を覆う海氷の塊がなくなるにつれ、熱エネルギーが暗い海に吸収されるため、それがこの地域で平均を上回る気温の上昇を引き起こすことに繋がっています。
・極地の氷が溶けると海水面が上がり、高潮のリスクが高まります。温暖化が進んで嵐がさらに激しくなれば、海岸地域はより深刻な被害にさらされます。このような現象が、全世界の海岸地域に起こってくることになります。
・化石燃料の燃焼による二酸化炭素排出量を増やしたことで、私たちの時代は気候危機に直面しています。
・極域、グリーンランド、南極大陸には巨大な氷河がある。気温が上がると、氷河は新雪を蓄積する前に溶けてしまう。これらの氷床や氷河が溶けると、海に流れ込み、海水面が上昇する。

またこちらのネット記事では南極大陸の地球温暖化による影響について、南極の氷が溶けてなくなると、氷の重さで沈んでいた大陸が浮き上がり、氷が溶けたことにより、現在より海面が40〜70m上昇すると考えられると伝えています。

ここまで北極、南極、そしてグリーンランドにおける地球温暖化による影響についてご紹介してきましたが、まず太陽の光を反射する氷の表面が大きな鏡の役割を果たしていることになるほどと思いました。
こうした氷の表面の鏡のような機能が無くなることで、どれだけ温暖化が進むのか心配になります。
また南極の氷が溶けてなくなると、最悪の場合、現在より海面が40〜70m上昇するとの予測に驚きました。
思わず桁を間違えているのではないかと疑い、ネット検索してみたらやはり間違いではないことが確認出来ました。(こちらを参照)

さて、これらの地域における地球温暖化による影響について以下にまとめてみました。
・北極や南極の氷が溶けることによる海面上昇の影響で人類の居住域がかなり狭まること
・氷が溶けることが地球温暖化を更に加速させること
・超大型台風や集中豪雨、あるいは高潮、土石流などの発生頻度が増えること
・疫病の発生頻度が増えること
・農業や漁業に大きな影響を与えること
・ホッキョクグマのように生息域が消滅することにより絶滅する生物が出てくること
・シベリアの永久凍土に埋もれていた太古のウイルスがよみがえり、ヒトに感染を引き起こすリスクが高まること(参照:No.4998 ちょっと一休み その781 『人類とウイルスの関係は敵対と共生!?』

こうした地球温暖化の進行に伴うリスクですが、2035年には北極の氷が全て溶ける可能性があるということは、同様に南極やグリーンランド、そして世界中の氷河の氷、あるいはシベリアの永久凍土が溶けてしまうことも考えられます。
リスクと言ってもいろいろなレベルがありますが、地球温暖化のリスクは世界大戦レベルの戦争勃発とともに人類共通の最大級のリスクであると言えます。
ということで、地球温暖化の阻止は世界各国共通の課題なのです。

なお、地球温暖化阻止に向けたCO2排出量削減への取り組みはこれまではコスト増というように経営的にマイナスに捉えられていましたが、今やヨーロッパを中心に世界ではSDGs(参照:No.4578 ちょっと一休み その710 『日本も国家としてSDGsに真剣に取り組むべき!』)、あるいはESG(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.531 『世界のビジネス界で影響を増す地球温暖化対策 その2 国際的な取り組み!』)をキーワードに、地球温暖化阻止の取り組みをしない場合にはビジネスチャンスを失うという状況へと変わりつつあるのです。
ですから、こうした取り組みで世界に先行することは新たなビジネスチャンスを手に入れることになるのです。
逆にSDGsやESGに対して消極的な対応をし続ければ、国家レベルで経済の衰退に向かうことになるのです。

なお、SDGsやESGの最終的なゴールは“持続可能な社会の実現”です。
ということで、少しでもCO2排出量削減に向けて、日本政府や企業には世界の先頭を切って持続可能な社会の実現に向けて取り組むぐらいの強い決意を持って欲しいと思います。

 
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