昨年12月21日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で今年度の予算の歳入の約4割が国債頼みという状況について取り上げていたのでご紹介します。
解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「(日銀以外の国債の買い手について、)この頃買い手になっているのは民間の銀行なんですよね。」
「政府は国債発行でお金を得て、民間の家計や企業に配っているんですが(給付金や補助金など)、民間はあまりお金を使わないので、そのお金が銀行に預金で行っているわけです。」
「そのお金で銀行は国債を買っている、“金は天下の回りもの”みないな感じですね。」
「蛇が尻尾を飲み込むような感じで、本当は消費や投資に回らなきゃいけないんで、その努力をいろいろと考える必要がありますね。」
本当は将来不安の払しょくが消費や投資拡大のためには一番なのですが、まだまだコロナ禍で不安が強いので、こうした状況は仕方がないということになるのでしょうか。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
本来、個人の消費やそれを促す魅力的な商品やサービスが“研究開発⇒生産⇒消費”というサイクルでうまく回り続ければ、お金は有効にその機能を果たすわけです。
ところが、将来不安による消費の大幅な減少や魅力的な商品やサービスが誕生しない状態が続くと、個人のお金は預金に回り、経済は停滞し、カネ余り状態に陥り、お金は株式、不動産、あるいは貴金属などの投資に回ります。
こうした状態が続くとどんどん格差化が進んでしまいます。
そして、経済は増々停滞してしまいます。
一方で、今回ご紹介したように、国債が発行されても、銀行の資金は貸出先が十分ではなく、国債を購入するということで単に多くのお金が有効に使われることなく、政府と銀行の間をぐるぐると回っているという状態に陥ってしまうのです。
ということで、経済がうまく回るためには、以下のような要件を満たす必要があるのです。
(政府の役割)
・どんな状況においても将来の不安を払しょくするような対策を打ち出す
・大幅な消費の落ち込み状態に陥った場合には財政出動により将来に向けた大幅な需要を創造する
・将来性のあるベンチャー企業が活動し易い環境を整備する
(金融機関)
・将来性のあるベンチャー企業を見出し、常に積極的に資金面のみならず本業においても可能な限り支援出来る体制を整備する(参照:アイデアよもやま話 No.4923 SBI、地銀連合がコロナ禍における地方を救う!?)
・特にコロナ禍のような大幅に売り上げが減少する状況が1年単位で続くような事態になった場合、長期的な観点からリスクをうまくコントロールし、特に将来性のある企業には企業規模に係らず最大限の支援をする