昨年11月26日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で人工衛星ビジネスについて取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。
盛り上がりを見せる宇宙ビジネス、来年、日の丸人工衛星、5基が連動した新たなサービスが始まります。
東大発の宇宙ベンチャー、株式会社アクセルスペース(参照:アイデアよもやま話 No.2272 超小型衛星早くもビジネスに!)は地上撮影用の小型人工衛星4基を公開しました。
来年3月にロシアのソユーズロケットで打ち上げられる予定で、既に運用している1基と合わせて5基体制になります。
これにより地上の同じ場所を2日に1回撮影することが可能になり、農産物の育成状況の把握や災害が発生した際の状況把握などに活用してもらう考えです。
2023年までにこの量産型衛星5基を追加し、10基体制にする計画です。
中村友哉CEOは次のようにおっしゃっています。
「5基体制になりますと実用的になってくると思っていて、いろんなお客さんのニーズを聞きながら新しいサービスメニューを追加していけたらなと思っています。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
番組を通してあらためて感じるのは、人類の飽くなき未知の世界への挑戦です。
コロンブスがアメリカを発見した時代は、アメリカは新大陸と呼ばれていたのです。
そして、海洋は当時の船乗りにとって未知の世界、冒険の世界だったのです。
しかし、今や太平洋など全ての海洋には船舶が行き交い、完全に人類の日々の活動エリアとして組み込まれています。
そして今や、人類にとってのあらゆる産業の新世界(ニューフロンティア)として宇宙が人類の関心の的になりつつあるのです。
ですから、今後ともアクセルスペースのような宇宙ベンチャー企業がアイデアを駆使して新たなサービスを開発し、次々に登場して来ると期待出来ます。
ちなみに、人口流れ星関連サービスはその先駆けの1つと言えます。(参照:アイデアよもやま話 No.4091 人工流れ星を用いたエンターテインメントビジネス!)
なお、アクセルスペースの考えているビジネスモデルですが、こうした小型の量産型衛星がどんどん増えていくと、やがて多数の小型衛星が現在の防犯カメラに代替され、国境を越えてあらゆる地域で少なくとも空から見えるモノは全て丸裸状態になり、ほぼリアルタイムであらゆるモノが把握出来るようになります。
そうなると、特定のヒトやクルマの位置情報も把握出来るようになります。
ですから、例えば地球上のどこにいようとも犯罪容疑者やスピード違反のクルマの逮捕にも大変な威力を発揮出来ます。
一方で一般人の移動に関する個人情報、すなわち位置情報もその気になれば出来てしまいます。
ということで、ヒトやモノの位置情報の把握はとても容易になりますが、個人情報の漏えいリスクは一段と高まります。
さて、宇宙産業の最先端を走ると思われるテスラ、およびスペースXの創業者、イーロン・マスクさんは2023年に民間人初の月旅行を、そして2030年には火星移住計画を予定しており、更に将来的には100万人規模で火星に人類を送ろうと考えているといいます。(参照:アイデアよもやま話 No.4739 テスラのイーロン・マスクCEOの野望!)
こうしたスピーディな宇宙産業の進展により、2050年頃にはかなり多くの人たちが宇宙のどこかで暮らしていると見込まれます。
ちなみに、2050年と言えば、この年にCO2ゼロエミッションが多くの国々により目標設定されています。