2021年02月27日
プロジェクト管理と日常生活 No.682 『今回の地震でも飛び交ったデマや差別的発言とそのリスク管理!』

関東大震災を始め、大地震などの災害が起きると決まったようにデマや差別的発言が飛び交うようです。

2月14日(日)付けネット記事(こちらを参照)で先日の地震でも飛び交ったデマや差別的発言について取り上げていたのでその一部をご紹介するとともに、リスク管理の観点からお伝えします。

 

・2月13日深夜に福島県と宮城県で震度6強を記録した地震をめぐっては、またも差別的な発言やデマ、不確実な情報がツイッターやユーチューブなどで飛び交った。災害のたびに同じような現象は起きている。

・かつて関東大震災ではデマがきっかけで朝鮮半島出身者らへの虐殺も起きた。

・しかし、当時に比べ、今は情報の広がるスピードが桁違いに速い。

 

(井戸に毒を投げ込んだ)

・地震の直後からツイッターで目立った差別的なデマは「朝鮮人」や「黒人」などが「井戸に毒を投げている」というものだ。1923年の関東大震災では「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」「暴動を起こした」などのデマが流れたが、それをまねたとみられる。当時はそのデマを真に受けた市民らによる朝鮮半島出身者や中国人らへの虐殺事件が各地で起きた。

・「人工地震」といった書き込みも散見され、中には「安倍晋三前首相が起こした人工地震」などという荒唐無稽(こうとうむけい)な投稿もあった。

・ツイッターでは一時「人工地震」がトレンド入りした。ただ、誤りであることを指摘したり「陰謀論」と皮肉ったりする内容のツイートの方が多く、一種の話題として盛り上がりを見せたケースといえる。

 

(千葉県の「爆発」は人々の勘違い)

・災害時にデマが流れやすいのは、人々に不安があるためだ。そのため、悪意はなくても事実と異なる情報が広がってしまうことも多い。

・今回は千葉県市原市の臨海部で爆発が起きたとする複数の動画や画像が拡散された。確かに工場施設の排気筒から炎のようなものが出ているように見える。しかし、市原市消防局によると工場施設での爆発や火災は確認されていない。

2011年の東日本大震災では被災地で「外国人犯罪が横行している」とのデマが流れ、東北学院大の研究者が仙台市民に調査したところ、8割以上が「それを信じた」と回答している。187月の西日本豪雨でも「火事場泥棒の中国人、韓国人、在日朝鮮人たちが――」とのデマが流された。

 

・刑事事件になったケースもある。16年の熊本地震では「動物園からライオンが逃げた」との偽情報をツイッターに投稿した神奈川県の男が動物園の業務を妨害したとして偽計業務妨害容疑で逮捕されている。

 

(メディアの報道を待ち悪質な情報は通報を)

・誤った情報の拡散に加担しないためにはどうしたらいいのか。ネット上のデマに詳しいジャーナリストの津田大介さんは「不確実な情報に接したらすぐに拡散せず、メディアが報じるのを待ってほしい」と話す。「新聞やテレビの情報は信頼性が高いし、最近は報道も速い」

・差別やヘイトスピーチなどの悪質な書き込みを見つけたらどうすればよいのか。「差別扇動のような明らかに悪質なツイートは、どんどん通報すべきです」と津田さんは言う。

・ツイッターには、悪質な内容のツイートをツイッター社に通報する仕組みがある。問題のあるツイートを開いた時に表示される3点リーダーから「ツイートを報告」を選ぶことで簡単にできる。そのツイートの内容がルールに反すると認められれば、投稿者に対する削除要請や投稿制限、問題のツイートの非表示などの措置が取られる。

・津田さんによると、投稿者が軽い気持ちで書き込みをしている場合、非難を受けると驚いて自分で削除することも少なくないという。津田さんがリツイートした悪質な投稿の大半は、投稿者が自ら削除したという。

・津田さんは情報を受け取る側の知恵も必要だと指摘する。「虚偽情報の『質』は年々高まっていて、数年前の画像をアップして今起きているように見せかけるケースもあります。ブラウザーの画像や動画検索の機能を使って、それが本物かどうか確認してみてください」

 

以上、記事の一部をご紹介してきました。

 

大地震などの災害が起きるとデマや差別的発言が飛び交う状況は今でも変わらないということを記事を通してあらためて認識しました。

人間は大災害が発生すると以外に精神的に脆い習性があるのです。

そこで、番組も参考にしてこの問題をリスク管理の観点から以下にまとめてみました。

(デマの拡散リスク要因)

・面白半分に世間を騒がせる目的で、あるいは自分が目立ちたいがためにフェイクニュースと分かっていながらSNSに投稿する

・差別的発言など本当かどうか分からない記事をそのまま拡散させてしまう

 

(デマの影響)

・社会を無用の混乱に陥れ、最悪の場合は社会をパニック状態にしてしまう

・デマや差別的な発言は、最悪の場合には一部の人たちの命まで奪う結果をもたらす

 

(リスク対応策)

・SNSプロバイダーは、普段からAIやビッグデータなどの技術を駆使して、不確実な内容の情報やデマ情報を把握出来るような仕組みを構築し、明らかに不確実な内容の投稿については「?」などのマークを付けることで誰でも認識出来るようにする

・更に、より実効性のある方法として、こうした情報がSNSに反映される前にAIが投稿ルール(デマの禁止など)に照らして問題がないかをチェックし、警告を表示して投稿をためらわせる

・関係省庁は大規模な災害発生時には、以下の内容のガイドを周知させる

  人間は震災などでパニック状態に陥ると、落ち着いて物事を判断する能力が欠落する習性があり、そのことがデマやフェイクニュースを信用し易くしてさせてしまう

デマやフェイクニュースの拡散は無用の社会混乱をもたらす可能性がある

  デマやフェイクニュースの拡散は偽計業務妨害容疑などで逮捕される可能性がある

 

(コンティンジェンシープラン)

・ユーザーは不確実な情報に接したらすぐに拡散せず、メディアが報じるのを待つ、あるいは関連自治体などに真偽を問い合わせる

・ユーザーはSNSへの悪質な書き込みを見つけたら、どんどん通報する

・通報を受けたプロバイダーはその内容がルール違反と認めたら、投稿者に対する削除要請など必要な処理を行う

 

ということで、しっかりとリスク管理をしておけば、大震災などが起きてもデマやフェイクニュースを最小限に抑えることが出来るのです。


 
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