前回は中国で普及が急速に進むミニEVについてお伝えしました。
そうした中、昨年11月3日(火)付けネットニュース(こちらを参照)でかばんに入る1人乗りEVについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。
なお、日付は全て記事掲載時のものです。
・1人乗り電気自動車(EV)「WALKCAR(ウォーカー)」を持つCOCOA MOTORS.株式会社(ココアモーターズ、東京・渋谷)社長の佐藤国亮さんは2013年、24歳で同社を創業し、社長兼エンジニアとして、電気設計やソフトウエア開発を担当する。
・ノートパソコンのような見た目の装置に恐る恐る両足を乗せる。重心を少し前に移すと、その装置は「ウィーーン」と控えめな音を出して進み始めた。
・手で操作するステアリングホイールはなく、前進同様、左右の旋回にも重心の移動を使う。重心を右に移せば右に旋回し、左に移せば左に旋回する。どちらかの足のつま先を離せば減速する。意のままに操るには数時間単位の練習が必要だが、ひとたび習得すれば直感的な操縦を楽しめる。
・ココアモーターズが2020年6月に19万8000円(税別)で販売を始めた製品だ。EVといっても、前述したようにあるのは板状の装置だけ。米テスラや日産自動車などが手掛ける乗用車ベースのEVとは一線を画す。
・最大の特徴は、小さく、軽いこと。車両寸法は全長215×全幅346×全高74ミリで、対角寸法は約13インチとなる。重さは2.9キロ。手で持ち上げて移動でき、かばんに入れても簡単に持ち運べる。
・携帯して電車やバスに乗り込み、到着した駅やバス停からのラストワンマイルの移動などで使う。
・底部に4輪を備え、駆動用モーターで前2輪(インフォイールモーター)を動かして走る。
・最高速度や航続距離は走行モードによって変わり、速度を重視したスポーツモード時は、最高時速16キロで航続距離は5キロ。ノーマルモード時は、最高時速10キロで航続距離は7キロとなる。いずれも、充電時間は60分としている。
・初期ロット300台は完売し、需要に応じて増産を計画する。
・しかし最高時速6キロを超えることから、公道を走る際にはナンバープレートを取り付ける必要がある。また、第一種原動機付き自転車(原付一種)を運転可能な免許も必須だ。国が定める保安基準にのっとって、ヘッドランプや方向指示器などの機器も追加しなくてはならない。公道を走るためのハードルは高く、現実的ではない。
・同じように、数キロの移動を目的とした1人乗りの小型車両は、世界中で生まれては消えている。
・代表格の「セグウェイ」(米セグウェイが開発・販売、現在は中国企業の傘下)は20年7月に米国生産を終了した。セグウェイは、普及が見込めない左右2輪車から、欧米で人気の高い電動キックボード(キックスケーター)に事業の軸足を移した。
・電動キックボードは、次世代移動サービス「MaaS(マース)」に組み込む車両として日本でも期待を集める。20年下期から、各地で公道上の実証実験が始まり、1人乗りモビリティーの有力候補として注目度が高い。実用的な電動キックボードに対して、持ち運びやすさや乗り味などで優位性を示せるかが、ウォーカーの普及に向けた鍵となりそうだ。
以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。
今回ご紹介した1人乗りEV「ウォーカー」はかばんに入るほどの大きさといいますが、
重さが3kgほどでは何百メートルも持ち歩くのはちょっときついと思います。
また、「ウォーカー」はステアリングホイールがないので不安定、一方「電動キックボード」は「ウォーカー」に比べれば安定した走行が出来ますが、持ち運びにはちょっと不便です。
そして、「ウォーカー」には気軽にバランス感覚を養えるといったメリットもあります。
しかし、これらの乗り物の共通点として、最高時速6キロを超えることから公道を走行する際には、運転免許の取得やナンバープレートを取り付けたり、ヘッドランプや方向指示器などの機器を設置したりといった要件を満たすことが求められます。
ですから、こうした簡易的な乗り物の普及にあたってはこうした規制の見直しや交通安全対策の再検討が必要です。
また、この他にも似たような乗り物として「電動車いす」もありますが、今のところ、「電動車いす」が最も歴史が古く、普及も進んでいます。
そしてこれもアイデアよもやま話 No.3748 首の傾きだけで操作出来る電動車いす!や
アイデアよもやま話 No.4660 電動車いすに後付け出来る自動運転機能!でお伝えしたようにいくつかのパターンがあります。
こうした乗り物をひとくくりにすれば、一人乗りEVと位置付けられ、今は未だ発展途上の乗り物でまだまだ進化の過程にあるようです。