今回はオンライン会議アプリの2つの事例のご紹介です。
まず、昨年10月21日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でオンライン会議上で変装出来るアプリについて取り上げていたのでご紹介します。
ズームやスカイプなどのオンライン会議上で変装が出来るアプリ、使い方は簡単です。
身なりを整えてパソコンのカメラで写真を1枚撮っておくだけです。
そうすれば、あわててメイクをしなくてもあたかもきちんとしたかっこうで会議に参加しているように見せられるのです。
このアプリを開発した株式会社エンバディミーの吉田一星CEOは次のようにおっしゃっています。
「“オンライン会議疲れ”が問題になってきてて、自分の表情を見せたくないとか、化粧をしたくないというような理由で、カメラをオフにしている人は多いと思うんですけども、そうすると相手側から見ると、表情がよく分からなくて伝わりづらい、そういうのを解決するために開発しようと思って開発しました。」
AIがカメラに映っている顔の動きを認識して写真や動画の顔に反映させる技術なのですが、実は2年前(番組放送時)の番組でも取材していました。
これをパソコン上で作動するように設計し、顔の角度までよりリアルに見せられるようにしてオンライン会議でも使えるように改良したのです。
なお、このアプリの名前は「エクスプレッション カメラ」で無料で使用出来ます。
ただしMac版のみです。
これだけ詳細に顔の表情が再現されてしまうと悪用の可能性が出てきますが、これについて吉田さんは次のようにおっしゃっています。
「トランプ大統領(番組放送時)の映像を使って、トランプ大統領が言っていないセリフを言わせて拡散させてしまうみたいな悪い使われ方はあると思います。」
こうした悪用リスクをなくすために、このアプリは画面に消すことの出来ないロゴを表示して加工したことが必ず分かるようにするなどの対策を取っています。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
2つ目は、似たようなアプリについて昨年11月2日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で取り上げていたのでご紹介します。
離れた場所にいる人と対面しているかのように会議出来るシステムでは、本人の画像を合成して作りだした本物そっくりな分身がゴーグルを付けた本人の動きと連動します。
本人以外にも離れた場所から他の人の分身が集まり、会議が始まります。
更にゴーグルにドキュメントの画像を映し出すことも出来ます。
なおこのアプリを開発したのは南国アールスタジオ株式会社で、商品名は「ホワイトルーム」(スターター版)で月額11万円といいます。
なぜこのようなことが可能なのか、そのカギはゴーグルに搭載されたセンサー、今いる空間をスキャンし、他の人がいる場所とリアルタイムに重ね合わせてデジタル化した資料を投影しています。
同じ空間で共有出来れば、離れている相手がどの資料を見ているかも一目瞭然です。
形状が複雑なものでも指示しながら確認出来、話し易くなります。
どういう業界からの需要が多いかという問いに対して、秦勝敏代表は次のようにおっしゃっています。
「海外に工場を持っている製造業さんですとか実技を伴う教育の場合に、どうしても今のテレビ会議ですとカバー出来ない部分がございますので、そういった部分を3Dですとかアバター技術を使って教育の質を高めることに使われております。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今回ご紹介したアプリ「エクスプレッション カメラ」は無料での提供ですが、Mac版のみというのはアンドロイド版ユーザーにとっては残念です。
またこのアプリを使用しているところをテレビ画面で見ていると、動作が多少ぎこちないように見えます。
しかしそれでも、身なりを整えてパソコンのカメラで写真を1枚撮っておくだけで、どんなかっこうをしていてもあたかもきちんとしたかっこうで会議に参加しているように見せられるといいます。
ですから、コロナ禍でオンライン会議をするのが当たり前になってくると、自宅でくつろいだ身なりでいても他の参加者からスーツ姿で会議に参加しているように見られるというのはとても便利だと思います。
またなりすましによる悪用対策もなされているというのは安心出来ます。
一方、「ホワイトルーム」では本物そっくりな分身がゴーグルを付けた本人の動きと連動し、更にゴーグルにドキュメントの画像を映し出すことも出来ます。
ゴーグルが必要とは言え、ドキュメントなどの資料の画像も映し出せるので会議以外にもリモート研修などあらゆる分野でいろいろな用途が考えられます。
ただし、月額11万円の使用料がかかります。
それにしてもコロナ禍による新しい生活様式に合わせていろいろなアプリが開発されているようです。
いずれにしてもオンライン会議アプリはコロナ禍にあって、「3密」回避対策になり、しかもスムーズな在宅勤務を可能にするのでかなりの需要が期待出来ます。
そこで、究極のオンライン会議アプリの満たす要件について、私の思うところを以下にまとめてみました。
なお、その大前提は限りなくリアルな会議に近く、違和感がないことです。
・会議では現実の参加者全員の顔などの表情が読み取れること
・参加者はその時々でバーチャルなファッションを自由に選べること
・ドキュメントなどの資料も合わせてパネル上やゴーグルに表示出来ること
・議事録はAIがまとめ、最後に参加者全員が確認・合意出来ること
ということで、究極のオンライン会議アプリが実用化されれば、コロナ禍の終息後も継続されると大いに期待出来ます。
まさに新しい生活様式の一部となるのです。
なお、この新しい生活様式はビジネスに限らず研修など様々な分野で適用出来ると見込まれます。
その結果、コロナ禍前に比べて生産性向上も見込まれます。