昨年10月27日(火)放送の「グッド!モーニング」(テレビ朝日)の「池上彰のニュース検定」コーナーで中国共産党の最大のウソについて取り上げていたのでご紹介します。
昨日お伝えしたポンぺオ国務長官の演説は今後の命中対立が更に厳しくなることを決定付ける内容でした。(番組放送時)
その中でも最も注目されたのは次の部分です。
「中国共産党の最大のウソは、監視され、抑圧され、発言を恐れる14億人の国民を代表していることだ。」
「しかし、本当は中国共産党はどんな敵よりも国民の声を恐れている。」
ポンぺオ国務長官は中国を統治する共産党の正当性に疑問を投げかけたのです。
中国共産党が国民の代表だというのは最大のウソとまで言い切りました。
狙いは一党独裁を続ける中国共産党と統治される側の国民とを分断することです。
中国の主導部にとってこの動きは衝撃的でした。
中国共産党も自分たちが民主的な選挙で選ばれたわけではないと分かっているからです。
1949年の建国以来、70年以上にわたって中国共産党は全国民による選挙の洗礼は一切なく、実質的に一党支配を続けてきました。
今トップにいる習近平国家主席もアメリカの大統領選挙のようなかたちではなく、国民の知らないところで決まったのです。
だからこそ共産党政権は自らの正当性を国民や国際社会から疑われるようなことは何としても避けたいのです。
ポンぺオ国務長官による演説はまさにその痛いところを突きました。
習近平国家主席自ら次のように猛反発しています。
「いかなる勢力が中国共産党と中国国民を引き裂き、対立させようと企んでも中国人民は絶対に許さない。」
米中の対立は今抜き差しならないところにまで来てしまっているのです。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
確かにポンぺオ前国務長官による中国共産党の最大のウソという指摘は中国共産党にとっては最も触れて欲しくない痛いところを突かれたかたちだと思います。
考えてみれば、私たち民主主義陣営の国の人たちにとって、国の代表は全国民の選挙によって選ばれるのが当然という考えが染み付いています。
そして民主主義、自由主義、そして人権が尊重されることこそが本来の社会のあり方だと思っています。
ですから、私たちからすると北朝鮮に代表される独裁者、あるいは中国のような中国共産党という特定の党のみが支配する独裁国家に対しては本来の社会のあり方からするととても違和感があります。
具体的な例として、民意の反映の有無が挙げられます。
日本やアメリカのような民主主義国家においては、どのような政党も存在し得ます。
そして国民による選挙結果次第で最大多数の民意を反映させた党こそが政権を握ることが出来ます。
しかし、独裁国家においてはこのような最大多数の民意を反映させる仕組みがないのです。
こうした国の国民は絶えず潜在的に「人権」や「自由」の軽視についての不満を持っているのです。
ですから、番組でも指摘しているように独裁国家はどんな敵よりも国民の声を恐れているのです。
そのためにこうした独裁国家は自分たちにとって都合の悪い情報は流さず、政府に批判的な国民はいろいろな理由を並べて即座に逮捕するといった対応をし、政権転覆のリスクを出来るだけ少なくするのに力を注いでいるわけです。
さて、習近平国家主席が率いる中国共産党政権は国内においては人権の軽視、および自由な発言の制限を徹底させており、国外に向けては覇権主義の拡大を進めています。
ここでとても重要なことは、中国は国連(国際連合)に加盟しており、しかも常任理事国なのです。
そして、国連の目的は次の三つです(国連憲章1条)。
・国際平和・安全の維持
・諸国間の友好関係の発展
・経済的・社会的・文化的・人道的な国際問題の解決のため、および人権・基本的自由の助長のための国際協力
また、添付でもお伝えしたように世界人権宣言には個人の「人権」や「自由」といったような文言が記されています。
こうしたことから現在の中国は、中国共産党は国民の民意を反映した政権ではないにも関わらず政権を握っているという最大のウソだけでなく、その他自分に都合の悪い事実について他国から指摘された時には屁理屈を並べたり、内政干渉だと主張して、あくまでも中国共産党の意思を貫き通そうとしているのです。
更に習近平国家主席は世界制覇に向けて一帯一路政策やワクチン外交などで途上国への影響力を強めており、これらの国々への支配権を得ようとしているのです。
そもそも中国共産党は国連憲章や世界人権宣言にも反した行動を取り続けているのです。
こうした状況ですから、もし仮に今ある中国人が中国共産党の方針は国連憲章や世界人権宣言に違反していると政府に迫れば、きっと国家転覆罪のような罪で逮捕されてしまうはずです。
ではこうした中国共産党による人権の軽視や覇権主義の拡張に対して、世界各国はどのような対応が求められるのでしょうか。
いかなる国も国連加盟国であれば、国連憲章や世界人権宣言を順守する義務があるということで、アメリカ一国が中国に対峙するのではなく、より多くの国連加盟国が協力して中国の誤りを正すことが求められるのです。
また中国共産党存続の拠りどころは自国民の満足度を高める経済成長といいますから、人権軽視など過度の行為に対しては、中国共産党が内政干渉だと主張しても世界各国が協力して経済的なペナルティを課すということはとても有効だと思います。
こうした世界各国の行為はやがて中国国民の中に“いかに中国共産党の行為は国連の目指す方向に反しているか”という意識を芽生えさせるはずです。
中国が最も恐れているのはこうした世界各国の動きと、それに影響された多くの中国国民による不満の爆発なのです。
とうことで、習近平国家主席には、こうした世界的な流れが大きくなる前に自ら“国際的な常識”に照らして方針の転換をしていただきたいと思います。
一部の専門家が指摘しているような米中の軍事衝突、あるいは米中の両陣営による第三次世界大戦の勃発は絶対に避けなければならないのです。
とにかく最近の中国による経済的、かつ軍事的な脅威、および覇権主義の世界的な展開に対して、人権の尊重、および自由といった理念を守るために民主主義陣営国は協力して中国の暴走を阻止する必要に迫られているのです。
添付)
No.3996 ちょっと一休み その643『揺らぐ世界 その3 現在に至る経済システムの歩み!』
アイデアよもやま話 No.4780 中国・武漢で今起きていること!
プロジェクト管理と日常生活 No.664 『覇権国家の横暴を許さない仕組み作りの必要性!』
プロジェクト管理と日常生活 No.666 『国連の専門機関の支配権を強める中国!』