2021年01月21日
アイデアよもやま話 No.4858 2030年の電源構成から見えてくること!

昨年10月8日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で2030年の電源構成について取り上げていたのでご紹介します。 

 

まず日本の2030年の電源構成は添付の図の通りです。(2015年時点の計画)

こうした状況について、解説キャスターで日経ビジネスの編集委員、山川 龍雄さんは次のようにおっしゃっています。

「(2030年の目標について、)やはり原発のところが2割以上ですよね。」

「ただ今、原発の再稼働がままならないし、今日(番組放送時)のニュースにもありましたけども核のゴミの問題、これから気が遠くなるような議論になりますよ。」

「かなり現実的じゃない。」

「その現実的じゃない原発の比率を2割にしてもまだなお火力発電が5割以上を占めるという。」

「(ということは再生可能エネルギーをどう高めていくかが大事になるという指摘に対して、)そう思いますよ。」

「私はこれまでの脱原発の日本の取り組みというのは全然遅れていないと思うし、節電の文化も素晴らしいと思うんですけども、ただこのまま非現実的な目標設定のままだとどこかで批判されかねないので、菅新政権になりましたからここも既得権、前例踏襲に切り込んでもらいたいと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今や持続可能な社会の実現、あるいはSDGs(持続可能な開発ゴール)といった言葉が世界中で飛び交っているようです。

また、ヨーロッパを中心に日本も含めて各国は2050年にはCO2排出量ゼロを目標に掲げております。

しかし、問題は山川さんも指摘されているように目標達成に至る具体的なプロセス、そして手段の確かな裏付けの有無です。

日本の場合を見ても、2030年時点での電源構成の比率が火力発電が5割以上、原発が2割程度で、再生可能エネルギーの比率は2018年の17%から22〜24%への微増という状況です。

この数字を見る限り、日本政府は本気で2050年にCO2排出量ゼロを達成させるつもりがあるのかはなはだ疑問です。

また原発の再稼働については、地域住民の反対や核のゴミの最終処分に至る対応の困難さを考慮すると2割程度まで増やせるのかも疑問です。

そもそも2050の目標達成のためには2030年には少なくとも再生可能エネルギーの割合を50%程度まで増やす必要があると思うのです。

 

ところが昨年12月23日(水)付けネット記事(こちらを参照)によると2050年の電源構成「参考値」では、2050年の電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を5〜6割とする「参考値」を公表しています。

また、政府は今年中にもまとめるエネルギー基本計画の改定に向け、議論が本格化してきたといいますが、こうした動きもあまりにもゆっくり過ぎると思います。

政府が本気で2050年にはCO2排出量ゼロという目標を達成させるのであれば、もっとスピーディに、かつ既得権などに左右されることなく大胆な発想と実行力で取り組んでいただきたいと思います。

 

一方、エネルギー関連メーカーには、こうした政府の政策に左右されることなく、これまで何度かお伝えしてきたアイデアよもやま話 No.2025 私のイメージする究極の発電装置とは・・・のような発電装置の開発に取り組んでいただき、是非実用化していただきたいと思います。

結局、最後はこうした社会の大変革はチャレンジ精神旺盛な企業の手に委ねられているのですから。


DSCN9217.jpg

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています