8月7日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナの臨床データについて取り上げていたのでご紹介します。
新型コロナウイルスの感染が拡大していますが、亡くなる方をどう抑えるかというのが一番大きな問題、ポイントになります。
そうした中、以下のような新型コロナに関する臨床データがあります。(国立国際医療研究センターの資料などから作成)
(入院患者の重症化・死亡) (持病の割合)
死亡割合 主な重症化要因 糖尿病 肥満
日本 7.8% 心臓病、糖尿病 16.7% 6%
呼吸器疾患など
中国 28% 心臓病、糖尿病 − −
呼吸器疾患など
アメリカ 21〜24%
高血圧、肥満 28〜35% 40%
(ニューヨーク) 糖尿病など
イギリス 26% 高齢、貧困 30.2% 9%
糖尿病、人種など
これらのデータから以下のことが言えます。
・日本の死亡割合は他の国、地域に比べて3分の1から4分の1と明らかに低い
・重症化要因は糖尿病や肥満といったようにかなり特定出来る
・日本の入院患者の持病割合について、糖尿病は他に国や地域に比べて半分ほどである
・肥満の割合についてもアメリカに比べると7分の1近くである
・糖尿病や肥満により合併症を起こし易い
・こうした持病を抱えている人たちをどのようにコロナから防ぐかが戦略的に重要になる
・高齢者をどう守るかと併せて生活習慣病などの予防が必要になる
以上、番組の内容をご紹介してきました。
要するに、糖尿病や肥満といった生活習慣病の人たちが新型コロナウイルスに感染すると、中でも糖尿病や呼吸器疾患の人たちが重症化、更には亡くなる可能性が高いということになります。
そうした中、日本は中国やアメリカ、イギリスに比べて、糖尿病や肥満の人たちの割合が低いことから感染者の死亡割合が低いと言えます。
ですから、番組でも指摘されているように、新型コロナウイルス感染対策として生活習慣病の予防の重要性が見えてきますが、そればかりでなく従来から指摘されているように高血圧や糖尿病などの予防対策としても有効と言われているのです。
ちなみに日本人の主な死因の構成割合(2019年)は以下の通りです。(詳細はこちらを参照)
1.悪性新生物(腫瘍) 27.3%
2.心疾患(高血圧性を除く) 15%
3.老衰 8.8%
4.脳血管疾患 7.7%
5.肺炎 6.9%