2020年10月02日
アイデアよもやま話 No.4763 耐性菌の働きを止める化学物質の発見!

6月27日(土)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で耐性菌の働きを止める化学物質の発見について取り上げていたのでご紹介します。

 

細菌による感染症を治療する際の最後の切り札とされる抗菌薬さえ効きにくい耐性菌の働きを止める化学物質を名古屋大学の研究グループが発見し、新たな抗菌薬の開発につなげたいとしています。

 

名古屋大学の荒川宣親名誉教授の研究グループは耐性菌が抗菌薬の「カルバペネム」を効かなくする際に発現している特殊なたんぱく質の働きを止める化学物質を発見したということです。

「カルバペネム」とともにこの化学物質を作用させると耐性菌の増殖が止まり、マウスを使った実験でも効果が確認出来たとしています。

耐性菌による肺炎などで死亡するケースは世界中で増えていて、深刻な問題になっています。

研究グループは化学物質を更に改良して新たな抗菌薬の開発につなげたいとしています。

荒川名誉教授は次のようにおっしゃっています。

「有効な治療手段がない患者さんの命が助かるようになればいいかなと思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

耐性菌についてもう少し知りたくなったのでネット検索した結果(こちらを参照)の一部を以下にご紹介します。

 

細菌やウイルスが薬に対する抵抗力を持ってしまって、薬でその増殖を抑えられなくなることがあります。

抗生物質を使い続けていると、細菌の薬に対する抵抗力が高くなり、薬が効かなくなることがあります。このように、薬への耐性を持った細菌のことを薬剤耐性菌といいます

 

薬剤耐性は、耐性を持たない別の細菌に伝達され、その細菌も薬剤耐性化になり、次々に連鎖していくことがあります。

近年、実際に現れた耐性菌の例としては、院内感染の起炎菌としてとらえられているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が挙げられます。ブドウ球菌は、抗生物質の登場で克服されたかにみえました。しかし、その抗生物質が効かない耐性菌が現れました。その耐性菌を克服するための新しい抗生物質が開発され、さらにその抗生物質も効かない耐性菌がでてくるという、人間と細菌との戦いが続いています。

 

以上、ネット記事の一部をご紹介してきました。

 

こうした記事を通して、私たちの知らない中で、いかに医療研究者が耐性菌との闘いで次々に新たな抗菌薬の開発に取り組まれているかを知ることが出来ます。

まさにコロナ禍においても、世界中の多くの医療研究機関は治療薬やワクチンの開発に必死に取り組まれております。

 

さて、今パンデミック状態にある新型コロナウイルスに限らず、人類はお互いに持てる能力を進化させつつ様々な細菌やウイルスとの闘いを続けてきています。

考えてみれば、人類も生物の中の一つと分類され、生物どうしはお互いに助け合ったり、弱肉強食の生存競争でどの生物も種の生存・繁栄を目指して必死に生きていると言えます。

そして人類は今のところあらゆる生物の中でその頂点を極めているのです。

しかし、コロナ禍でも再認識したように、所詮人類も生物の一つでたった一つのウイルスのために膨大な数の人たちの命が失われてしまうのです。

そればかりでなく、経済も停滞して多くの人たちの暮らしにも大きな影響をもたらしています。

 

こうした状況に対して、私たちはコロナ禍以前の暮らしと比べて、その悪化ぶりにストレスを溜めていますが、他の野生動物の中には日々より強い動物から命を狙われている小動物も沢山いるのですから、こうした小動物の暮らしに比べれば私たちの悩みは大したことではないと思えてきます。

こうしたことを考えると、私たち人類は他の生物と比べるといかに恵まれた生活をしているかをあらためて感じます。


 
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