2020年09月16日
アイデアよもやま話 No.4749 コロナ禍が生んだ成長市場!

6月3日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でコロナ禍が生んだ成長市場について取り上げていたのでご紹介します。 

 

6月3日、サッポロビールは痛風を引き起こす尿酸値を下げることを明記した機能系のノンアルコールビール「うまみ搾り」を6月23日に発売すると発表しました。(参考小売価格:147円)

マグロやカツオなどに含まれる、体内から尿酸を排出し易くする成分「アンセリン」を配合し、「機能性表示食品」として売り出すことで健康意識の高まりによる消費者の需要に応えたい考えです。

 

今回は機能系ということですが、今後ノンアルコール市場は伸びると見ている早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄教授は次のようにおっしゃっています。

「その背景というのはずばり“後ろ指指されない需要”だと思っているんです。」

「それはなぜかというと、実はソーシャルディスタンスだからこそ生まれてきた新しいマーケットだというふうに私は理解していまして、ノンアルコールビールもビジネスパースンが在宅で飲むことを意識しているようなんですよね。」

「コロナ前ってノンアルコールビールを昼休みに「オフィスで飲んでいいのか、でもダメなんじゃない?」みたいな話ってありましたよね。」

「ノンアルコールなんどけど、ちょっとオフィスだと後ろ指指されるんじゃないかと。」

「だけれども、これが在宅になったからこそお昼でも休憩時間とかに結構気軽に飲めるようになってきているわけですね。」

「同じようなことが例えば筋トレなんかも、今お腹に着けるような機械あるじゃないですけ。」

「オフィスだったらきっと後ろ指刺されるんですけど、在宅なら指されない。」

「ですからこのあたりのマーケットはこれからもっと伸びてくるんじゃないかというふうに思っています。」

 

一方、ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズの今年2月から4月期の決算は売上高が前年比で約2.7倍、純利益は約137倍と大幅な増収増益となりました。

在宅勤務や遠隔授業などで需要が急拡大し、3月以降ユーザー数が急増しました。

また5月から7月期の売上高見通しも市場予想を大きく上回りました。

 

なお、9月1日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では以下のように報じています。

 

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの5−7月期の決算は、売上高が約700億円と前年比4.6倍に増加しました。

在宅勤務や遠隔教育での需要が増え、法人契約数が前年比5.6倍に跳ね上がったことが業績を押し上げました。

 

また、2014年5月30日に当番組で紹介された、持ち運びが可能で組み立ても簡単なテントですが、広げて机の上にかぶせれば自分の空間が出来上がります。

このテント、全てのチャックを閉めてしまうと閉塞感がありますが、上部が開くので開放感があります。

なので、個人スペースとして集中することが出来そうです。

 

在宅勤務が増えた今、その強力な助っ人としてこの「ぼっちてんと」(オープン価格)に問合せが相次いでいます。

この商品を販売しているビーズ株式会社(大阪府東大阪市) 商品開発部の八巻信さんは次のようにおっしゃっています。

「テレワークだとどうしても家族に頼まれ事をされたりとか、家族との距離感がちょっと難しくなってくることが多いとは思うんですけど、このテントを設置して物理的に距離感を保つことによって仕事とプライベートのメリハリをつけることが出来るんじゃないかなと考えています。」

 

「WEB会議の時に自宅の部屋の様子だったり、背景として自分の部屋が映り込んでしまうのが嫌な人にもこういったかたちでテントを使われている方も多いようです。」

 

このテントの外側にスケジュールを貼っておくと家族にも仕事の状況が伝わり、理解と協力を得られそうです。

一人の空間をつくるこのテント、昨年に比べて2割も売り上げが増えているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

コロナ禍においては感染防止のため「3密」が求められます。

そうした中、多くの企業で在宅勤務の普及が進んでいます。

そこで、在宅勤務においては入山教授が“後ろ指指されない需要”と表現されているように在宅勤務だからこその新たな需要が生まれているのです。

番組ではこうした需要に応える以下のような商品を取り上げています。

・機能系のノンアルコールビール

・筋トレ機器

・ビデオ会議システム

・持ち運びが可能で組み立ても簡単なテント

 

中でも在宅勤務や遠隔授業などで需要が急拡大する中で、ビデオ会議システムを販売するズーム・ビデオ・コミュニケーションズにおいては大幅な増収増益となっております。

また、ビデオ会議システムの普及に伴い、ビーズの販売する「ぼっちてんと」は、自宅で少しでも集中して仕事をするために、あるいはビデオ会議システムに参加する際には背景の室内を隠せるので今後とも引き合いが期待出来ます。

また、機能系のノンアルコールビールを飲んだり、筋トレ機器を装着しながらの仕事は在宅勤務だからこそ許されるのです。

更に、在宅勤務であれば、自分の生活リズムに最も適した時間帯に仕事をすることが出来るので生産性向上も期待出来ます。

また通勤も不要になるのでラッシュアワーに遭うこともなくなります。

 

ということで、今後とも100%在宅勤務というわけにはいかないまでも、在宅勤務を主とした勤務形態が多くの企業で定着することが期待出来そうです。

それに伴い、今後とも在宅勤務をサポートするような商品やサービスが登場してくるはずです。

ですから、コロナ禍により経済活動が停滞する中でその穴埋めをするためにもより多くの企業が在宅勤務や遠隔授業に応えるなど、「3密」回避を狙った新たな商品やサービスに取り組んでいただきたいと思います。

中でも期待したいのはDX(デジタルトランスフォーメーション)に特化した企業の活躍です。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています