緊急事態宣言は4月7日に発令され、5月25日に解除されましたが、5月6日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルスの感染拡大防止のポイントについて取り上げていたのでご紹介します。
番組コメンテーターで大阪大学の安田洋祐准教授は次のようにおっしゃっています。
「8割減、皆さんご存知だと思うんですけど、それを正しく続けるというのがポイントだと思います。」
「そもそも8割何を減らすのかというと、感染につながるような人と人との接触ですね。」
「社会全体での接触の回数を減らしたいと。」(8割減についてはアイデアよもやま話 No.4624 新型コロナウイルスとの闘い その4 新型コロナウイルスとの闘いはいつまで続くのか!を参照)
「これをちょっとかみ砕いて表現すると、「人出」と「1人あたりの接触率」の掛け算なんです。」
「最初は感染を劇的に少なくしたいので、「人出」を絞ったと。」
「で、今後は「人出」を状況に応じて徐々に戻していくフェーズだと思うんですけど、その際に「1人あたりの接触率」が十分低いままで、これが戻らないかたちで対策をしていけば、経済を取り戻しつつ、感染を広げないことが可能じゃないかと思います。」
「(「3密」には戻らないというのが重要になるのではという問いに対して、)密にならない、触れない、タッチレスの努力を続けていくことが重要だと思います。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
緊急事態宣言が5月25日に解除された後、現在も第2波到来ではと思われるほど、感染拡大に一喜一憂している状況が続いています。
そして、感染拡大と経済活動の継続とのバランスをどう取るかで国も自治体もそのかじ取りに苦慮しています。
そうした中、最近の新型コロナウイルス関連のアンケート調査では、政府の進める“GO to
キャンペーン”に対する反対意見が半数以上を占めています。
しかし、緊急事態宣言の発令から4ヵ月近くが既に経過し、再度緊急事態宣言が発令されるような事態になれば、いよいよ夜の飲食業界や観光業界は壊滅的な打撃を被ることになってしまいます。
そうなると、以前もお伝えしたように新型コロナウイルスの感染による死者数以上の自殺者数をもたらすことにもなりかねません。
そこで今回ご紹介した新型コロナウイルスの感染拡大防止のポイントが参考になります。
「3密」の回避とは、具体的には「人出」と「1人あたりの接触率」の掛け算の結果を可能な限りゼロにすることなのです。
特に夜の飲食業界や観光業界の活性化には「人出」を抑えることは出来ませんから、「1人あたりの接触率」を抑えることに重点を置き、国や自治体で定めたガイドにきちんと則った対策を実施した店舗やホテルなどはとりあえず営業を継続出来ます。
しかし、特にホストクラブやキャバクラなどは「1人あたりの接触率」を抑えたら、本来の価値をお客に提供することは出来ませんからガイドを無視して営業を続けるしかありません。
そうすると、クラスターの発生源になりかねません。
ですから、このような状態があと半年、1年も続けばほとんどの水商売は壊滅状態に陥りかねません。
ですから、夜の飲食業界は生き残り戦略として何とか「1人あたりの接触率」をゼロにしてもお客が行きたいと思わせるようなサービスを生み出すしかないのです。
思い切って、これまでの“夜の商売”のイメージを打破して、オンライン飲み会の延長線上で、お客とホステス、あるいはホストとの二人きりのオンライン飲み会、すなわち究極の新型コロナウイルス対策で現状の全体未聞の営業不振を乗り切ったらどうかと思ってしまいます。
もし、この対策が一定の効果を得られれば、新型コロナウイルス終息後もこれまでにない新たなサービスとして継続出来るのでただ“座して待つ”よりも試してみる価値はあると思います。
一方、ライブやコンサートもこれまでキャンセルが相次いできました。
しかし、これらはマスクの着用や入場前の手の消毒、および隣の席との間を空けるなどの工夫で「1人あたりの接触率」をより少なくすることは可能です。
勿論このような状態での観客の満足度はコロナ前に比べて半減かそれ以下かもしれません。
同様にシンガーやプレイヤーも今一気分が乗り切れない状態だと思います。
それでも、ミュージシャンが最低限暮らしていけるようにするためにはこうした状態でもライブやコンサートを継続すべきなのです。
ということで、業界によっていろいろな制約がありますが、何とか「1人あたりの接触率」をより少なくするかたちで私たち一人ひとりがこの難局を突破し続けなければならないのです。