2020年07月25日
プロジェクト管理と日常生活 No.651 『新型コロナウイルス対策にも言える早期リスク対応策の必要性!』

4月7日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルス対策にも言える早期リスク対応策の必要性について取り上げていたのでご紹介します。 

 

4月7日、緊急事態宣言が発令されましたが、新型コロナウイルス対策を巡り、番組コメンテーターで東京大学教授の渡辺 安虎さんは次のようにおっしゃっています。

「今回は経済のことを考えて非常事態宣言が出るのにちょっと時間がかかったというような印象があるんですけども、その背景にある考え方として強い感染対策というのは経済に悪影響だというような考え方が背景にあるんだと思うんですよね。」

「ただ、私は必ずしもそう考える必要はないんだと思うんですよね。」

「経済に悪影響といった時、短期はそうかもしれないですけども、結局コロナ感染対策をきちんとすることこそが長期的な経済対策なんだろうというように思うんですね。」

「なぜかというと、10日程前(番組放送時点)にMITの経済学者が書いた論文にあるんですけども、これ1918年のスペイン風邪(*)の時のデータを使って分析しているんですね。」

「その当時、なるべく早く強い対策を打ったところが、そして長期間打ったところがパンデミックが終わった後の(経済)成長がはるかに高かったということがその論文では書かれているんですね。」

「当時とは時代背景とか産業の構造などが違うところがあるんですけども、我々学ぶことがあるんではないかなと。」

「(なるべく長く家に閉じこもるとかそういう対策を打ったということなのかという問いに対して、)そうですね。」

「(歴史に学ぶことは大切だと思うが、より大きく縮んだ方が、その後より高く飛べるということなのかという問いに対して、)そうですね、そのように思いますね。」 


1918年〜1919年にわたって世界で4000万人が死亡、日本では38万人が死亡

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

現在、緊急事態宣言が発令されてから既に4ヵ月近く経っています。

しかし、新型コロナウイルスが収束していく気配は依然感じられません。

それどころか、第2波が第1波以上の感染規模で到来しているのではないかと思われるほどです。

そうした中、渡辺教授は歴史的な教訓として、スペイン風邪を引き合いになるべく早く強い対策を打ったところが、そして長期間打ったところがパンデミックが終わった後の経済成長がはるかに高かったということを指摘されているのです。

 

新型コロナウイルスの感染者の潜伏期間は2週間程度といいます。

ですから、仮に2週間程度、国民の一切の活動を食糧の確保など必要最小限に絞って制限を加えれば、ほぼ終息させることが出来ます。

しかし、アイデアよもやま話 No.4701 新型コロナウイルス対策に必要な発想の転換!でもお伝えしたように、新型コロナウイルスにおけるパンデミック対策のゴールは世界規模で集団免疫を獲得することなのです。

ですから、集団免疫を獲得しない限り、新型コロナウイルスを終息させることは出来ないのです。

そして、集団免疫実現の決定版はワクチンの実用化です。

そこで、現代的な早期リスク対応策として考えられるのは、ワクチンの実用化の目途を把握しつつ、それまでは「3密」(密閉・密集・密接)回避などの感染拡大防止対策、感染者受け入れ施設の完備、および最小限の経済への影響とをバランスさせた国レベルの一元管理による長期間にわたる総合的な対策を推進することなのです。

こうした対策と併せて重要なことは国民への正確な情報提供、すなわち状況の“見える化”です。


 
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