以前、新型コロナウイルスとの闘い方には以下の3つがあるとお伝えしました。(参照:アイデアよもやま話 No.4625 新型コロナウイルスとの闘い その5 3つの闘い方)
・ワクチン:開発に1年以上
・集団免疫:獲得前に多数の死者が出る恐れ
・行動変容:「3密」(密閉・密室、密接)の回避などで暮らしや経済に影響
しかし、これまでPCR検査、治療薬、ワクチン、そしてその他の対策といったようにお伝えしてきた中から少し細かいレベルで新型コロナウイルスによる感染者発生から終息に至るまでの対策の選択肢について私なりに以下にまとめてみました。
・感染状況の把握
感染状況検査(PCR検査、抗原検査、抗体検査)による感染者数、および回復者数の把握、およびそれらの割合
死亡者数とその割合
感染者数の予測(参照:アイデアよもやま話 No.4658 注目の”K値”で第2波を察知可能!?)
医療逼迫度の把握(参照:アイデアよもやま話 No.4701 新型コロナウイルス対策に必要な発想の転換!)
・感染拡大リスクの対応策
行動変容
治療薬の開発
ワクチンの開発
集団免疫
国民の行動抑制ガイド(「3密」(密閉・密集・密接)の回避など)
業種ごとの感染対策ガイドの発行
統計データのトラッキング
“K値”や医療逼迫度などの指標、およびその管理限界値を設定
毎日これらの実際の指標データを追跡し、管理限界値に達した場合、必要に応じて以下のような対策を実施する
感染者用治療施設、および医療関係者の確保
・感染拡大後のコンティンジェンシープラン
感染者用の治療施設、および医療関係者の更なる拡充
更なる国民の行動抑制
ロックダウン(都市封鎖)
経済的な影響を受けた、あるいは受ける可能性の大きい国民や企業などへの経済支援
こうしてまとめてみると、ベストな新型コロナウイルス対策が浮かんできます。
それは、以下の通りです。
・業種ごとに感染対策ガイドを発行
・ガイドに従わないで感染者を出した企業には一定期間休業を要請
・感染状況の把握
感染者数や死亡者などの数値把握
“K値”による感染拡大予測
医療逼迫度の把握
・上記の指標の管理限界値を設定
・管理限界値を超えた場合に、国民の行動抑制や医療施設などの拡充を要請する
・更に、感染の急拡大の際には緊急事態宣言を発令し、国民による行動変容以外に企業などにも更なる規制を求める
・ワクチンの早期開発
・治療薬の早期開発
・国民や企業などへ給付金や消費税減税などによる経済支援
いずれにしても、新型コロナウイルス対策のゴールは世界規模で集団免疫を獲得することなのです。
そして、ゴールに至るまでのプロセスは、出来るだけ死亡者数を少なく、一方で経済的な影響を少なくすることが求められるのです。
さて、緊急事態宣言の解除後、日本の国全体で毎日、毎日感染者数の増減に一喜一憂しているように見えます。
しかし、新型コロナウイルス対策のゴールは世界規模で集団免疫を獲得することである以上、経済的な影響を少なくしつつ、徐々に集団免疫を獲得していくのがベストな対策だと思います。
ですから、日々発生する感染者数とその受け皿である医療体制とのバランスを持たせつつ進めることが必要です。
ということで、前回もお伝えしたように、医療の現場で医療崩壊が進みつつある状況は由々しき事態と受け止めるべきなのです。
医療体制がしっかりしていてこそ、感染者数の増加に不安を感じることなく、日常生活を送ることが出来るのです。
ということで、医療機関や医療関係者が経営を安定させつつ、多くの企業が日々の経済活動にまい進出来るような体制を整備することが国の喫緊の課題と言えます。
仮に現状のまま、第2波、第3波を迎えるようなことがあれば、多くの医療機関はいろいろな面で破たんしてしまう可能性が大きいのです。
そうなれば、国全体の危機に直面してしまいます。
こうした状況は絶対に避けなければならないのです。
一方、極端な話、感染者数や死亡数は減少しても、行動制限などいろいろと生活に制限を加えることで、感染による死亡者数以上に経済苦で自殺者数が急増してしまっては元も子もなくなってしまいます。
要するに、いかに新型コロナウイルスの感染防止対策と経済対策とのバランスを取るかがとても求められているのです。
今、国内ではこうした観点で意見が二分していますが、何とか突破口を見出さなければなりません。
そのヒントは、やはり“新しい生活様式”をベースとしたサステナブル(持続可能)な経済活動の創造だと思うのです。
言い換えれば、今は新型コロナウイルスの影響で国家レベルでとても大変な状況にありますが、だからこそこれまでとは全く異なる大胆な対策を打ち出すことが可能なのです。
まさに“ピンチこそチャンス”と受け止め、国を挙げて新型コロナウイルスと共存出来るサステナブルな“新しい生活様式”をベースとした“国づくり”にまい進すべき時なのです。