2020年07月05日
No.4686 ちょっと一休み その728 『世界各国の人口をきっかけに見えてくること』

No.4680 ちょっと一休み その727 『南米の小さな国の経済成長率が世界一!?』で人口約80万人のガイアナが油田の発掘により高度経済成長を遂げつつあるとお伝えしました。

その時に、人口約80万人の国があるということにちょっと驚いたのですが、次に世界で最も人口の少ない国の人口は何人くらいなのだろうという疑問が湧いてきました。

更にこれに関連して次々に新たな疑問が湧いてきました。

 

そこで、まず世界の人口 国別ランキング(詳細はこちらを参照)から見えてくることについてお伝えします。

世界で最も人口が少ない国は2つあり、バチカンとトケラウで、なんと1000人といいます。

ちなみに、バチカンはヨーロッパにある国家で、その領域はローマ市内にあり、国土面積は世界最小です。

また、トケラウは南太平洋にあるニュージーランド領の島嶼群及び自治領です。

人口1000人でも国として成り立つというのですから驚きです。

ならば、同じ理想を掲げる日本人、1000人ほどが太平洋上のどこかの島を買い取って、独立国家を誕生させることも出来るのではないかといった疑問が湧いてきました。

 

それはさておき、現在の世界人口は約77億人ですが、人口数で層別した国数の世界総数に対する割合を以下にまとめてみました。

 人口10万人以下の国の割合   :約15%

人口100万人以下の国の割合  :約32%

人口1000万人以下の国の割合 :約61%

人口1億人未満の国の割合    :約94%

人口1億人以上の国の割合    :約6%

 

ちなみに、世界第1位の中国と第2位のインドという2大人口大国の人口を合わせた数は、世界人口の約36%を占めています。

またアメリカは第3位です、

こうして見てみると、人口1000万人以下の国の割合は約60%、そして人口1億人未満の国がほとんどを占めていると言えます。

そして、我が国は人口1億人以上の国の割合が約6%の層に入っており、世界第11位で、人口大国の一つと言えます。

そこで、次に人口密度が気になって調べてみたら、インドは第25位、日本は第35位、中国は第74位、アメリカは第166位でした。(詳細はこちらを参照)

 

ついでにGDP(名目)についても調べてみると、アメリカは第1位、中国は第2位、日本は第3位、インドは第7位でした。(詳細はこちらを参照)

ちなみに、アメリカと中国の2ヵ国だけで世界のGDPの約40%を占めています。

そして、一人当たりGDPについても調べてみると、アメリカは第9位、日本は第26位、中国は第72位、インドは第144位でした。(詳細はこちらを参照)

 

また、世界の1人当たり労働生産性ついても調べてみると、第1位はルクセンブルグ、第2位はマカオ、第3位はブルネイ、アメリカは第12位、日本は第37位、中国は第99位、インドは116位でした。(詳細はこちらを参照)

ちなみに、第1位のルクセンブルグは人口約58万人で、事実上のタックスヘイブンとみなされ、第2位のマカオは人口約67万人で、経済は主にギャンブルを含む観光産業に依存しており、政府歳入の80%程度もギャンブルに依存しているといいます。

そして、ブルネイは人口約40万人で、石油天然ガス部門がGDPのほぼ半分、輸出のほぼ全てを占めており、それらに依存しているといいます。

ですから、ベスト3の国は、一般的な先進国とは異なる経済構造であるがゆえに、1人当たり労働生産性が高いと言えます。

 

更にエネルギー消費量について調べてみると、中国は第1位、アメリカは第2位、インドは第3位、日本は第5位でした。(詳細はこちらを参照)

また、一人当たりエネルギー消費量について調べてみると、アメリカは第11位、日本は第33位、中国は第56位、インドは第108位でした。(詳細はこちらを参照)

 

さて、日本に焦点を当ててみると、人口は世界第11位、人口密度は世界第35位、GDPは世界第3位、一人当たりGDPは第26位、世界の1人当たり労働生産性は第37位、エネルギー消費量は第5位、一人当たりエネルギー消費量は第33位という状況です。

 

これらの結果から以下のようなにまとめることが出来ます。

日本は相対的に人口が多いですが、その割に人口密度は少ないと言えます。

しかし、森林の面積は国土の約7割と広いのです。

また世界全体の森林面積の平均は3割程度といいますから、森林を除いた、人が住みやすい環境における人口密度で比較すれば、ほぼ世界平均と言えます。

 

また、GDPは世界第3位、一人当たりGDPは第26位、世界の1人当たり労働生産性は第37位、そして人口は世界第11位ということから、1人当たり労働生産性の低さを相対的な人口の多さでカバーしてGDP第3位の座を維持していると言えます。

それでも人口の多さから一人当たりGDPは第26位となっているわけです。

 

そして、一人当たりエネルギー消費量の割には国全体のエネルギー消費量の世界順位が高いということから、省エネへの取り組みは相対的に進んでいますが、人口の多さから絶対的なエネルギー消費量は多いと言えます。

ですから、地球温暖化が進行する中、日本のエネルギー関連技術をより進化させ、それを国内外で積極的に展開することにより、地球温暖化の阻止に貢献することが求められます。

 

以上、経済成長率が世界一の南米の小さな国、ガイアナをきっかけに、世界各国をいくつかの視点で世界ランキングして見てみると、世界各国の中での日本の位置付けや日本という国の特徴が多少なりとも浮き彫りになったと思います。


 
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