6月16日(火)放送の「国際報道2020」(NHKBS1)でファッション化が進むマスクについて取り上げていたのでご紹介します。
EU、ヨーロッパ連合は6月15日以降、域内の国同士で入国制限の緩和が本格化しています。
オーストリアではこれまでテロ防止策の一環として、屋外でのマスク着用が制限されていました。
しかし今、ヨーロッパではマスクはファッションアイテムの一つになりつつあって、業界に変化をもたらしています。
オーストリアの首都、ウィーンの老舗、帽子ブランドの工房では世界中から人気のある帽子ですが、最近作り始めたのが手作りのマスクです。
この工房の創業は1903年、マドンナさんやブラッド・ピットさんなど、ハリウッドスター御用達です。
デザイナーのクラウス・ミュールバウアーさんは顔の魅力を引き出すことを心がけてデザインします。
一枚一枚、帽子職人が手作業で仕上げています。
値段は日本円で3000円程と高めですが、初めて店頭に並べた60枚のマスクは2時間で完売、一時は帽子づくりを中断して、マスクづくりに専念していました。
ミュールバウアーさんは次のようにおっしゃっています。
「色は6〜8種類用意し、帽子や服、肌や目の色に合わせられるようにしました。」
「人々の日常生活に溶け込めるものにしたいのです。」
マスクで経営悪化を免れた店もあります。
外出制限で服が売れず、起死回生に考案したのが、服と同じ素材やデザインのマスクの販売でした。
既に900枚ほどが売れる人気商品となりました。
この服飾店オーナー、ヘルベルト・リーガーさんは次のようにおっしゃっています。
「(マスク文化が)残ればいいですね。」
「私にとってはいいビジネスだから。」
「ウイルスの状況がどうなるか分かりませんが。」
今後、マスクをする人たちがヨーロッパの日常風景となるのか、“新しい生活様式”への適用が課題となりそうです。
以上番組の内容の一部をご紹介してきました。
国内でも新型コロナウイルス感染の発生以来マスク不足で大騒ぎになり、まだその供給は十分とは言えない状況が続いています。
そうした中、仕事や買い物などで人ごみに出かける際のマスクの着用は今や常識になりつつあります。
一方で、マスク不足を補うために自前でマスクを作る人たちも増えています。
また、マスク着用の常態化とともに、若い人たちを中心にファッショナブルなマスクの需要も高まっていると思います。
ですから、今回ご紹介したEUでの動きと同様に、国内のファッションメーカーにおいても、これまでのファッションで使用していた生地を生かしたマスクを製造・販売することによって、売り上げの落ち込みを多少なりともカバー出来ると期待出来ます。
ファッションも文化の重要は柱の一つです。
ですから、ファッション業界においては、ファッショナブルなマスクを製造して一時的に凌ぎ、何とか新型コロナウイルスの被害を乗り切っていただきたいと思います。
同時に、新型コロナウイルス対策とファッションを結びつけたアイデアで、マスク以外の新たな需要を創造していただきたいと思います。