2020年07月07日
アイデアよもやま話 No.4688 音を“着る”!?

3月25日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)音を“着る”未来の音楽体験について取り上げていたのでご紹介します。 

 

フード付きパーカーのフードの部分に折り曲げ自在の柔らかいスピーカーが入っています。

イヤフォンのように耳に触れないので、違和感がなく、快適といいます。

実は、この服は2018年10月19日放送のこの番組で取り上げていた「布製スピーカー」をもとに作られているのです。

産業技術総合研究所が、オーディオファンの間では有名な「薄型スピーカー」の技術を応用したものです。

当時はまだどんな製品になるのか、まだ決まっていませんでした。

デジタルハリウッド大学(東京・千代田区)の非常勤講師でファッションテックデザイナーのOlgaさんは次のようにおっしゃっています。

「新しい技術をいかに自然に製品に落とし込むかが難しくて、加工とか縫製方法は結構気を付けたりしましたね。」

 

使い方はイヤフォンと同じで手持ちの音楽プレイヤーやスマホにつなぐだけです。

パーカーの他にも、音の出る垂れ幕などにも応用出来ます。

広告効果はありそうですが、課題もあります。

Olgaさんは次のようにおっしゃっています。

「音質ですね。」

「音楽配信サービスをやっている会社さんと一緒にいろんなイベントでも開発でもやっていけたらいいなと思っています。」

 

商品名は「サウンド ファブリック オーケストラ」で発売は未定ですが、音を主体としたアートの展示会などに使ってもらいたいそうです。

また、このパーカーの洗濯も課題で、技術的にチャレンジはしているといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した音を“着る”ことの出来るフード付きパーカーは、まだ開発中といいますが、イヤフォンを着けなくてもどこでも気軽に音楽を楽しむことが出来るというのは魅力です。

また、折り曲げ自在の柔らかいスピーカーはパーカー以外にもいろいろな用途がありそうです。

しかし、一方で、音質レベルや周りに音がどの程度漏れるのかといった懸念が残ります。

 

それはさておき、番組を通して、アイデアをかたちにし、商品化するまでのプロセスのキーポイントについて、以下にまとめてみました。

・新しいアイデアをどのような製品やサービスに結び付けるかの検討

・ターゲットとする購買層の明確化

・そのための品質基準の設定

・品質基準を満たすための技術的な裏付けの検討

・ビジネスとして成立するかの検討

・開発、生産、および広告宣伝、販売などに必要なヒト・モノ・カネの調達

 

世の中には無限といっていいほどのアイデアが存在しています。

また、これからも新しいアイデアは無限に増えていきます。

しかし、アイデアを実用化し、ある程度の売り上げに結び付く商品やサービスはそうした中のごくごく一部でしかないのです。

そして、ごくごく一部の仲間入りを果たすためには、上記のキーポイントをしっかりと抑えることが求められると思うのです。


 
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