2020年07月19日
No.4698 ちょっと一休み その720 『ウイルスは生物ではない!?』

新型コロナウイルスの影響でパンデミック状態が続いています。

そうした中、6月1日(月)放送の「グッド!モーニング」(テレビ東京)の「池上 彰のニュース検定」コーナーでウイルスについて分かり易く解説していたのでご紹介します。

 

池上 彰さんは次のようにおっしゃっています。

「新型コロナウイルスの感染拡大で人々は日常生活の中でもウイルスの存在を警戒するようになりました。」

「ウイルスは細菌よりも更に小さく、体に入ると病気を引き起こします。」

「新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザやはしか、水ぼうそうなど数多くのウイルスがあります。」

「人類が長い間闘っている敵なのです。」

 

ウイルスは細菌と違って、自力で増殖したり、子孫を残したりすることが出来ません。

このため、“生き物”とは呼べないという考え方もあります。

元々ウイルスが潜んでいる動物は決まっていて、インフルエンザウイルスならカモ、エイズウイルスはチンパンジーだと見られています。

そして、今回の新型コロナウイルスはコウモリだという見方が有力です。

ウイルスは外に出てしまうと、感染力を失います。

動物の体内で感染力を維持しているのです。

池上 彰さんは次のようにおっしゃっています。

「ウイルスは決まった動物の体内にいる限り、問題を引き起こしません。」

「共存しているのです。」

「しかし、問題は違う動物に移った際、病気になる可能性が高まることです。」

「例えば、インフルエンザウイルスは通常はカモの体内にいますが、ニワトリや人に移ると病気を引き起こします。」

「更にウイルス自体が非常に毒性の強いものに変異する恐れがあるのです。」

「今回の新型コロナウイルスは、コウモリから何らかの生き物を経由したうえで人に感染した可能性が高いと見られています。」

「動物から移ったばかりのウイルスに対して、人間は免疫を持っていません。」

「防御する力が弱いのです。」

「私たちはウイルスという敵が体の中に入らないように最大限注意する必要があるのです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

また、「グッド!モーニング」と一部内容が重複しますが、3月28日(土)放送の「ウイルス VS 人類〜未知なる敵と闘うために」(BS1)でもウイルスについて説明していたのでご紹介します。

 

中村 幸司解説委員は次のようにおっしゃっています。

「人の体に入って感染症を引き起こすものとしてはウイルスとか細菌といったものがあります。」

「で、ウイルスは殻のようなものと遺伝情報というものだけで、構造が非常に簡単なので、大きさは小さく、細菌よりも非常に小さくなっています。」

「特殊な顕微鏡で見ないとこのウイルスは見えないぐらい小さいです。」

「で、ウイルスは人の体に入りますけれども、自分自身だけでは増殖することが出来ないため、人の体の細胞の力を借りて体の中で増殖します。」

「自分だけでは増殖出来ないことから、ウイルスは生物ではないというふうに一般には見なされています。」

「ウイルスが増殖しますと、これを排除しようとして体の温度は上げる、発熱することで排除しようとします。」

「それだけではなく、体の免疫というものが働いてこのウイルスを攻撃しようとします。」

「ただ、出会ったことのないウイルスに対しては、免疫は十分に働くことが出来ません。」

「このため、新しいウイルスの出現は感染が一気に広がって、あるいは重症化するということで警戒が必要だというふうに考えられているのです。」

 

以上、番組の内容のごく一部をご紹介してきました。

 

また、ウィキペディアによると、ウイルスの定義は以下の通りです。

ウイルス(ラテン語: virus)は、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。

生命の最小単位である細胞やその生体膜である細胞膜も持たないので、小器官がなく、自己増殖することがないので、非生物とされることもある。

 

また、その特徴は以下の通りです。

ウイルスは細胞を構成単位とせず、自己増殖は出来ないが、遺伝子を有するという、非生物・生物両方の特性を持っている。

自然科学・生物学上、生物・生命の定義を厳密に行うことはできていないため、便宜的に細胞を構成単位とし、代謝し、自己増殖できるものを生物と呼んでおり、ウイルスは「非細胞性生物」あるいは「生物学的存在」と見なされている。

感染することで宿主の恒常性に影響を及ぼし、病原体としてふるまうことがある。

ウイルスを対象として研究する分野はウイルス学と呼ばれる。

 

以上、ウィキペディアよりウイルスの定義、およびその特徴をご紹介してきました。

 

さて、ここまでの情報から特に気になったことを以下にまとめてみました。

・ウイルスは、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなること

・生命の最小単位である細胞やその生体膜である細胞膜も持たないので、小器官がなく、自己増殖することがないこと

・一方、遺伝子を有するので非生物・生物両方の特性を持っていること

・ウイルスは決まった動物の体内にいる限り、問題を引き起こさず、共存していること

・しかし、違う動物に移った際、病気になる可能性が高まること

・出会ったことのないウイルスに対しては、免疫は十分に働くことが出来ず、感染が拡大すること

・しかし、体の免疫作用が働くと、ウイルスを攻撃し、感染の拡大を防ぐことが出来ること

 

これまで生物の定義、あるいはウイルスの定義、ウイルスと細菌の違いなどについて考えたこともありませんでしたが、ウイルスが自己増殖出来ず、一方で遺伝子を有するという、非生物・生物両方の特性を持っていることに新鮮な驚きを覚えました。

 

また、ウイルスは決まった動物の体内にいる限り共存しており、他の動物に移った時のみ病気になる可能性が高まるというのは、根本的なウイルスへの対応策を検討する際の一つの大きなヒントのなるのではなかと思いました。

というのは、ウイルスと共存出来る動物と共存出来ない動物、あるいは人類との違いを明らかに出来れば、最先端の医療技術によって人類をウイルスと共存出来る体質に変えることが出来る可能性が出てくるからです。

もし、将来的にこうした医療技術が実用化されれば、人類はウイルス感染の悩みから永遠に解放されようになります。

ですから、これは人類の歴史に残る第一級の発明になると思います。


 
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