2020年06月19日
アイデアよもやま話 No.4673 新型コロナウイルスの影響で検討される学校の9月入学、および企業の通年採用!

3月12日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新型コロナウイルスの影響で検討される企業の通年採用について取り上げていたのでご紹介します。 

 

今年は卒業式などの大切な行事が中止や延期になってしまっていますが、そうした中、番組コメンテーターでニッセイ基礎研究所の主任研究員、久我 尚子さんは次のようにおっしゃっています。

「今の時期は本当に人生の節目となる行事が立て込んでいる時期ですので、そこで大きな影響が出ているわけですけども、そこで今企業の通年採用を真剣に考えだす時期だと思うんです。」

「通年採用すれば、入社のタイミングが分散されますので、就職活動の時期も分散する。」

「で、そうなると出口の企業の状況が変わると、学校も変わる。」

「大学の秋入学が増えると、入試や卒入学のタイミングも分散されます。」

「で、大切な行事が分散されることは日本全体のリスクを低減することにつながると思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

もう少し学校の9月入学関連について詳しく知りたくなりネット検索してみました。

ここでは以下の2つのニュースをご紹介します。

まず4月6日(月)付けネットニュース(こちらを参照)からです。

 

日本で入学シーズンといえば、一般的には4月です。

実は、桜の花が咲く4月の入学とは日本独自の習慣で、海外では4月に入学する国はほとんどないようです。

 

子どもたちの多くが寺子屋や私塾、藩校などといった学びの場に通うようになったのは、江戸時代にさかのぼるといわれています。

これらは特に入学の時期は定められておらず、いつでも入学することが出来ました。

 

明治時代の初めになると、西洋の教育が導入され、それに従って西洋と同じ9月入学が主流となりました。

しかしその後の1886年から暦上の1〜12月までの「一年」とは別に、4〜3月までを一区切りとする「年度」を政府が導入します。

これは正式には「会計年度」というもので、官公庁が予算を執行するための期間のこと。

 

当時の政府の税金収入源は農家の米だったため、秋に収穫した米を、農家が現金に換えて納税してから予算編成をしていくには、1月始まりでは間に合わなかったのです。

そのため、先進国の中心であったイギリスの会計年度の区切りに合わせて、日本でも4月1日〜翌年の3月31日を会計年度の期間に定めました。

 

この影響によって、小学校や師範学校の入学時期も4月となり、やがて大正時代には、高校や大学もすべて4月入学になったそうです。

 

しかし、世界の多くの国々では9月入学が主流となっているため、海外からの優秀な学生や研究者を日本の学校に迎え入れることが困難だといわれています。

今後、国際化を進め、教育や研究水準の向上を目指していく中で、もしかしたら日本の4月入学制度も変わっていくかもしれません。

 

以上、ネットニュースの内容の一部をご紹介してきました。

 

次は5月19日(火)付けネットニュース(こちらを参照)からです。

 

「9月入学」をめぐり、文部科学省は来年入学させる小学新1年生を9月時点で満6歳となっているすべての子どもたちとする場合と、そうでない場合の2つのパターンを例として、関係する各省庁の事務次官らが出席する会議に提示し、今後、具体的な課題を検討していくことになりました。

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校の長期化で、学びの保障が課題となっていることから、政府は対応策の1つとして「9月入学」に移行した場合の社会的な影響などについて検討を行っています。

 

以上、ネットニュースの内容の一部をご紹介してきました。

 

以上、3つの情報源の内容を以下にまとめてみました。

・世界の多くの国々では9月入学が主流であること

・日本では、明治時代の初めになると西洋の教育が導入され、西洋と同じ9月入学が主流となったこと

・しかし、当時の政府の税金収入源は農家の米だったことや先進国の中心であったイギリスの会計年度の区切りに合わせて、日本でも4月1日〜翌年の3月31日を会計年度の期間に定め、この影響により大正時代には全て4月入学になったこと

・新型コロナウイルスの影響により、日本ではあらためて世界の多くの国々に合わせて9月入学への移行について検討が始まっていること

・同様に新型コロナウイルスの影響により、企業の通年採用も検討が進んでいること

・通年採用により、入社のタイミングが分散されるので、就職活動の時期も分散することが期待出来ること

 

ニッセイ基礎研究所の主任研究員、久我さんは大学の春入学と秋入学の共存を許容しているように思えますが、国全体としてどちらかに統一した方がいいと思います。

そのうえで、新型コロナウイルスの影響を考慮した、あるべき学校の入学時期、および企業の採用時期について私の思うところを以下にまとめてみました。

世界の多くの国々に合わせて9月入学への移行を進めること(今は9月入学への移行に当たって、新型コロナウイルスの影響もあり、絶好のチャンスである)

・企業などは9月の定期新卒採用と別に通年採用を取り入れること

 

なお、世界の多くの国々に合わせた9月入学への移行には以下のようなメリットがあります。

・日本の学校を卒業後に海外留学をする際に留学先の学校との同期が取れること

・逆に、海外の学校を卒業後に日本留学をする際にも留学先の学校との同期が取れること

 

また、通年採用には以下のようなメリットがあります。

・急速なビジネス環境の変化やテクノロジーの進歩に応じて、企業はタイムリーに必要な人材を採用し易くなること

・一方、転職を考えている人にとってもタイムリーに転職し易くなること

 

ちなみに、既に新卒採用で通年採用をしている優良企業についてはこちらを参照下さい。


 
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