2020年06月05日
アイデアよもやま話 No.4661 アメリカの新型コロナウイルスによる膨大な被害の元凶はトランプ大統領!?

5月22日(金)放送の「グッド!モーニング」(テレビ朝日)の「池上彰のニュース検定」コーナーで感染症対策で世界最強と言われる組織、アメリカのCDCCenters for Disease Control and Prevention)、疾病対策センターについて取り上げていたのでご紹介します。

 

CDCは全米だけでなく世界各地に1万4000人以上の医師や研究者らを抱え、モットーは「国境に到達する前に疾病と闘う」です。

つまり、アメリカ国内に感染症が上陸する前に叩くというのです。

また、世界60ヵ国以上に職員を派遣し、共同研究なども進めています。

常に最新の研究成果を取り入れているのです。

 

実際、CDCは2002年にSARSが中国を襲った際には、すぐに専門家を現地に派遣し、支援しました。

この時、SARS−コロナウイルスの全ての遺伝子配列を明らかにしたのもCDCの専門家チームでした。

これをきっかけに米中の協力関係も進んでいきました。

 

CDCはこれまで感染症の分野で世界をけん引してきたにも係わらず、今回の新型コロナウイルス対応では大きく出遅れています。

アメリカは感染者約135万人、死者約8万人と世界最悪の状況に陥っているのです。

その原因ともなっているのがトランプ大統領です。

専門家の意見を軽視してきたのです。

実はトランプ政権はオバマ前大統領がNSC(国家安全保障会議)内につくっていたパンデミック担当チームを2018年に解体しました。

またCDCの予算削減を進め、2021年度予算については16%もの削減を提案していました。

トランプ大統領は感染症対策の要であるCDCの力を削いでいたのです。

トランプ大統領はいつ起こるか分からないパンデミックを軽視して、目先の移民政策や経済対策に金と力を注いできました。

その強烈なしっぺ返しを受けているのが今のアメリカなのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

トランプ大統領は、次の大統領選挙を有利に進めるために、自身の国内における新型コロナウイルスの失策を覆い隠すために中国責任論を展開し、盛んに中国の新型コロナウイルスの初期対応の不備を攻め立て、その結果アメリカは大きな被害を受けていると声高に国民に訴えかけていると報じられています。

確かに、新型コロナウイルスの感染源は中国であると見られており、パンデミックにまで発展してしまったのですから、国際的なチーム編成で原因究明や再発防止策の検討は進めるべきです。

 

しかし、それはそれとして、番組を通してまず感じたことは、アメリカの新型コロナウイルスによる膨大な被害の元凶はトランプ大統領ではないかという強い想いです。

もし、今回の新型コロナウイルス対応でもSARSの時と同様にすぐに専門家を現地に派遣し、支援していれば、アメリカのみならず世界各国にこれほどの膨大な被害をもたらすことはなかったと容易に想像出来ます。

また米中関係も良い意味で今とは相当変わっていたと思います。

更にパンデミックにも陥らなかった可能性が大きいのです。

しかし、現実にはトランプ大統領は専門家の意見を軽視し、オバマ前大統領がNSC内につくっていたパンデミック担当チームを2018年に解体してしまったというのです。

更にCDCの予算削減を進め、2021年度予算については16%もの削減を提案しているといいます。

このように見てくると、トランプ大統領は歴史に残る大きな判断ミスを犯したように思えてきます。

 

ちなみに、4月29日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では以下のように報じています。

 

新型コロナウイルスによるアメリカの死者の数は5万8300人を越え、ベトナム戦争でのアメリカ人死者数を上回りました。

また、感染者の数は100万人を越えましたが、トランプ大統領は「世界のどの国よりも検査しているからだ」とツイッターで主張しました。

 

また、5月25日(月)放送の「国際報道2020」(NHKBS1)では以下のように報じています。

 

新型コロナウイルスによる死者が9万7000人を越えたアメリカ、有力紙 ニューヨーク・タイムズ誌は事態の重大さを次のように伝えています。

「アメリカの死者、10万人に近づく 計り知れない喪失」という見出しの5月24日付けの一面、亡くなった1000人分の氏名や年齢の他に人物紹介もあります。

ニューヨーク・タイムズは、“一人ひとりの死は単なる数字ではない”として、事態の重大さを伝えようとしています。

 

ちなみに、5月25日(月)放送の「グッド!モーニング」(テレビ朝日)の「池上彰のニュース検定」コーナーでは以下のように報じています。

 

感染症の歴史の中で最も深刻だったのは1918年に発生したスペイン風邪です。

わずか2年ほどの間に世界で6億人もの人が感染したのです。

死者は4000万〜5000万人とも言われています。

 

ということで、スペイン風邪や新型コロナウイルスのような“殺人ウイルス”は戦争よりも怖い存在なのです。

 

アメリカ国民のどれほどの人たちがこうしたトランプ大統領による極端な経済優先政策の弊害を知っているのでしょうか。

もし、こうした経緯を多くのアメリカ国民が知り、しかも大統領選を有利に進めるために“中国たたき”に終始しているトランプ大統領を今後も半数以上のアメリカ国民は支持し続けるのでしょうか。

そうであれば、同盟国である日本の国民の一人としてアメリカという国の将来に希望が持てなくなります。

 

アメリカは間違いなく世界をリードしていくべき国です。

その国の大統領は本来、“アメリカファースト”ではなく世界各国の“共存共栄”を目指し、各国に対しても同様に働きかけるべきなのです。

ところが、残念ながらトランプ大統領はその逆の政策を打ち出しているように見えます。

トランプ大統領にはあまり期待が持てないので、是非、トランプ大統領に代わる次のアメリカ大統領にはこうした理想を掲げて世界をリードしていただきたいと思います。


 
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