2020年06月01日
アイデアよもやま話 No.4657 不確実性指数から見た新型コロナウイルス!

2月17日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で不確実性指数から見た新型コロナウイルス肺炎について取り上げていたのでご紹介します。 

 

番組コメンテーターで東京大学教授の渡辺 安虎さんは、不確実性指数に関するグラフ(出所:Ahir,Bloom,and Furceri (2019))を見ながら、次のようにおっしゃっています。

「過去10年で、マクロ経済学で不確実性の重要性が言われていて、SARSとイラク戦争の時(2003年)、それから東日本大震災の時(2011年)が非常に高くなっているんですね。」

「今回(の新型コロナウイルス)も高くなるだろうと。」

「こうなると、不確実性が高いと何が問題かというと、財政政策の効果が極めて限定的になる可能性が高いということが非常に懸念ですね。」

「(政府が対策を打ったとしても中々反応が出にくくなるということかという問いに対して、)そうですね。」

「(そうした場合に何か出来るのかという問いに対して、)出来ることとしては、政府がなるべく透明性を高めて新型コロナウイルスに関するニュースを出していくことだと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそも不確実性指数という言葉が一般に知られていないので、ネット検索したところ、以下の説明を見つけました。(詳細はこちらを参照)

 

経済政策不確実性指数は、経済政策の影響による先行き不透明感(不確実性)を示す指標(統計)をいいます。これは、スタンフォード大学のニック・ブルーム教授らが中心となって調査・開発されたもので、経済政策の不確実性に関する新聞記事の数、先(将来的)に控える税制の変更による金額的影響度、エコノミストによる経済予想のバラツキ度合いの三項目から構成され、先行きの不透明感を示すものとなっています。

 

この説明によれば、一つの事象における不確実性指数は状況の変化とともに変化していくと言えます。

それはともかく、人類は今まさに不確実性の高い時代に直面していると言えます。

というのは、世界規模で新型コロナウイルスほど広範囲、かつ膨大な影響のあるウイルスを経験している人たちはほとんど皆無で、今後どのような展開になるか予想出来ず、この問題解決に試行錯誤しているからです。

 

しかし、冷静に考えてみると、そうは言っても人類はこれまで感染症によるパンデミックに遭遇しており、(詳細はこちらを参照)その都度、どれだけの被害があったか、あるいはどのように人類が乗り切ったかという文献記録は残されているのです。

ですから、不確実性指数が高いという状況においても、過去の似たような経験を生かし、今の時代に持てる様々な技術を活用することによって不確実性指数を低くし、より早期に、より効率的に、より効果的に対応することは出来るはずなのです。

 

こうした観点からすると、これまでの日本政府の新型コロナウイルスに対する取り組みにはいろいろと不備がありました。

しかし、ラッキーなことに、理由ははっきりしませんが、新型コロナウイルスの感染者、および死者の数は世界的にみてとても少ないのです。

新型コロナウイルスのようなウイルスは今後ともいつ発生するか分かりません。

ですから、政府にはこの理由の解明、そして再発防止策も視野に入れて、第2波、第3波と続くと予測される新型コロナウイルスに対して、引き続きスピーディに、かつ的確に取り組んでいただきたいと願います。


 
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